会社が変わる企業財務コンサルのプロ
コラム
公開日: 2015-10-04 最終更新日: 2017-09-29
自転車操業 ①(自転車操業になる社長)
こんにちは。
財務コンサルタントの遠藤です。
私は財務コンサルタントとして、
多くの中小企業を見ていて思うことは、
財務が悪い、資金繰りが苦しいという会社の
かなりの割合の社長が、
いわゆる 「自業自得」 であることなんです。
特に中小でも「財務経理の責任者」がまだいない、
小規模企業の会社の社長さん。
ワンマン経営で、社内に誰も社長の行動をセーブする人が
いない会社の社長さん。
とか・・
全部とは言いませんが、これらの社長さんの中で
かなりの割合の方にあるパターンです。
「即ち、お金についての考え方、使い方に問題がある為に、
自分で自分の首を絞めておられる」ということなんです。
それは一体どういう事かというと、そのような社長さんは、
皆さん「自転車操業」が好きなんです。
いや、ご本人は気が付いていらっしゃらないのですが、
実際は皆、自転車操業が大好きなのです!
こんな事を言うと、「ばかな事を言うな!」
と怒られるかもしれませんが、でも事実なのです。
では、「自転車操業?」ってどういう事かと言いますと、
自転車は右足を踏んで降ろすと車輪が回転する
次に、左足を踏むと、また回転する、今度は右足・・・次に左足・・・・
という風に左右の足を順番に休みなく踏み続けないと
前へ進まない(下り坂は別として)という仕組みです。
つまり前に進み続けるためには、ずっとペダルを踏み続けなければなりません。
で、踏むのをやめると止まる。
これを会社に当てはめると、お金が入金すると、すぐ出金、
また次のお金が入金するとまた出金・・・
入っては出て、入っては出るという状態です。
ここに全く余裕がないので、何かの拍子に入金が止まると会社が止まります。
これが自転車と同じ仕組みなので、自転車操業というのですね・・・
で、これを解消するにはどうすべきなのか?
簡単な話なのです。
月商(年間売上の1/12)の1か月分、余分に預金を
持てば良いのです。
月商の1か月分余分にお金を持てば、
今月の入金を気にしなくても、今月の支払が出来るのです。
つまり1か月分余裕が出来るのです。
簡単です。
でもこれが出来ないのです。
ある例を挙げて説明しますと、
その会社の年商が2億4,000万としたら、月商は2,000万です。
2,000万
これをどうやって作るか?
方法は3つあります。
①貰う
②借りる
③貯める
どれが良いと思われますか?
貰うのが出来れば一番良いですが、
それが出来なければ、借りるですね。
借りるのに御自身、あるいは身内が無理であれば、
次に銀行(金融機関)です。
でも銀行から借りるには、銀行の審査があります。
自転車操業の会社は通常決算書の数字が悪いので、なかなか借りれません。
でも、ここで万に一つ。
たまたま上手く審査が通って借りれたとしましょう!
2,000万円、運転資金として借りれた!
ヤッター!
さあ、これで自転車操業解消だ!!
楽になる!!
良かった!!
とその時は思いますよね。
その時は、安心。
しかし、このお金は苦労して得たお金ではありません。
しかも返済しなければなりません。
それは誰でもわかっています。
「先は大変だな?」と思いながらも、まあなんとかなるだろう・・・。
(こう言う方は楽観的です)
そして、当初はとりあえず預金残高に、
1か月分の売上(月商)のお金が余分にある。
急に増えた。
ここに、「心のすき間」が出来るのですね。
「ちょっと位良いだろう!遣っちゃえ!」
という心理が働きます。
気が大きくなります。
社長さんは誰でも皆さん、まず売上を挙げたい!と思います!
私も売上は挙げたい!のでその気持ちは大変良くわかります。
そのために、売上を挙げるために、あれもしたい、
これも買いたい!!
沢山あります。
前から我慢していたという欲求を抑えられない。
自分をコントロールできない。
で、余分にあるお金は 「遣っちゃえー」
最初はちょっとずつ・・・ですが、
そうして、徐々に預金は減って行きます。
で、気が付いたら、結局、全部つかっちゃうのです。
限界まで遣って、
また自転車操業の再開・・・
しかも借金返済分支払が増えて、余計に苦しくなる・・。
まさに、「自業自得」ですね・・・
自転車操業 ②(お金の性質)
自転車操業 ③(商売(ビジネス)の大原則)
自転車操業 ④(自利利他)
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