コラム

2015-10-20

自転車操業 ⑤(利他の心と自転車操業との関係)

前回は、社長は「自利利他」の精神が

なければならない・・と言うお話をしました。




「利他の心」



これと自転車操業との関係ですね。




では、今日は、これについて述べましょう。







会社は誰の為にあるのか?⇒他人の幸せの為にある。

自分の為ではないのです。



と言う事は、会社は潰してはダメなのです。




会社を登記した時点から、会社と言うのは自分のものでは

ないのです。「公」(おおやけ)のものなのです。





ですから会社を潰しては社会に迷惑をかけます。

具体的に誰に迷惑をかけるのか?




①お客様⇒ひいきにしていた、頼りにしていた商品・サービスを使えない。



②従業員⇒生活の基盤を失う。失業する。



③仕入先・納入業者・外注先⇒大切なお客様を失う。



④株主⇒出資した資金を失う。



⑤銀行・債権者⇒貸付けた資金を失う。



⑥国・地方公共団体
 ⇒税金・雇用保険・社会保険が入らない。

 ⇒代わって失業者の対策をしなければならない。



⑦その他・・・




会社を潰すと言うことは、ざっと挙げただけでもこれだけの迷惑をかけるのです・・

これだけでわかりますよね。





会社を経営すると言う事は、大きな社会的責任を伴っているのです。

だから会社を一旦起業したからには、簡単には潰してはいけません。





ではどうしたらよいのか?




会社は何で生きているでしょうか?




売上ですか?




いいえ!





利益?





そうなんです。




会社は 「利益」で生きているのです。




これは かの世界最高の経営学者(経営コンサルタント)

ピーター・F・ドラッカーも言ってますね。




「利益とは将来のコストである」




と。




意味が難しいですね・・・




この意味はつまり、



「利益が出ないと会社には将来がない」 と言う事なんですよ。







そうなんです、会社は売上で生きているのではありません。

もちろん、大本(おおもと)は売上ですが、売上が挙がっても

利益が出なくなれば、やがて会社はつぶれるのです。




   ※この利益と言うのは「当期純利益」の事です。税金を

    払った後の利益です。






もうちょっと正確に言えば、





利益が今期出なくても、直ぐには潰れません。





会社が潰れるのは資金がなくなる時です。





長期的には、「利益=資金」 となるのですが・・






しかし、現実には、利益と資金はその計上のタイミングにより

ずれてきます。




では利益と資金の関係は具体的にはどうなのか?





ケースとして4つあります。






①利益出た(黒字)   が  資金はある  ⇒潰れない




②利益出ない(赤字) が  資金はある  ⇒潰れない




③利益出た(黒字)  が  資金はない  ⇒潰れる




④利益出ない(赤字) が  資金はない  ⇒潰れる






この中で、①の状態だけが健全です  黒字で資金あるケース





②は今期は大丈夫ですが 赤字が続くといずれ④になり潰れます。

先ほどの話はこの事を言っています。




③は黒字倒産と言って、利益が出ているが資金(キャッシュ)
が不足する場合



例えば得意先が倒産して売掛金が回収不能になって、それを

あてにしていた資金がなくなり、倒産するケース等があります。



これは会社の財務の体質と与信管理の甘さからくるものなの
で事前に専門家の手によって改善されれば防げるケースです。




これで言うと①以外は全部失格




③ ④は潰れてますからもちろんダメ 





じゃあ②はどうでしょうか?




②のケース

利益出ない(赤字) が  資金はある  ⇒潰れない




このケースはまた2つのケースに分かれます。



1) 例えば今期は売上が下がって、経費を切り詰めたにも
   かからわず、どうしても赤字になってしまったが、過去の
蓄積の資金や借入残があるためまだ間に合うケース




2) 今期は通常だと利益が出ているが節税対策等で赤字に
   したケース




1)は今期はどうしようもありません、何故赤字になってしまった

 か?良く検討して来季の対策をとる必要があります。




2)問題はこの2)です




中小企業で以下のような考え方をされている方が結構います。




「赤字にすれば、税金を払わなくてもよいし、資金が何とか

もつんだからそれが一番いいや・・・・」




こう考える人・・・

読者の中にも賛同されている方ありませんか?





私からすれば悲しいですね。

もっと悲しいのは専門家にこう指導する人がいる事です。





これって一体どういう考え方か?




赤字にして税金払わなけりゃいい・・・




これって実際は利益が出て儲かっているのに

社会に還元しない・・・自利を優先する考え方

ですね。利他の精神に反します。




会社は先ほども言いましたが、会社は登記した時点から「公」

のものなのです。だのに利益を社会に還元せずに赤字にしちゃう。




この考え方は、そもそもが間違っていると、私は思うのですが





さらに、まずい事に経営上においても困るのです。





つまりこういう事です。




赤字になる⇒法人税は払わなくてよい⇒しかし構造上



法人税を払わないと⇒会社にお金が残らない⇒しかも



借入金の元本も払えない。



このような仕組みになっているのです。





つまり



『赤字にすると、会社の資金は減るのです』





と言うことは



②の、利益出ない(赤字) が  資金はある  ⇒潰れない




と言うケースは、これを続けるとやがて




④の、利益出ない(赤字) が  資金はない  ⇒潰れる






と、なるのです。




潰れる前には自転車操業になります。



そしてやがて資金が欠乏して潰れる。






つまり 会社は「自利の心」が優先して

「利他の心」 がなくなると、

税金を払いたくなくて赤字にする傾向があり



赤字になると資金が減って行き、

次第に自転車操業になって・・・・やがて潰れる。




と、言う事なんです。




これが、「利他の心」と「自転車操業」の関係なんです。




はい、ではまた次回です。

この記事を書いたプロ

有限会社エーエスシー [ホームページ]

経営コンサルタント 遠藤信行

大阪府大阪市淀川区西中島6丁目2-3 チサン第7新大阪420号 [地図]
TEL:06-6885-1563

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
メディア出演・掲載
日本一明るい経済新聞

日本一明るい経済新聞 2015. 9.30に掲載されました。

 
このプロの紹介記事
遠藤 信行さん(えんどう・のぶゆき)さん

従業員30人以下の中小企業の経営改善をサポートします(1/3)

 日本の会社の99.7%は中小企業です。そこで働く人は全雇用者の約7割を占め、まさにわが国の経済や産業活動を支える柱になっています。でも大企業に比べ、賃金や労働条件などで不満を抱えている人が多いのも現実です。そんな中小企業の経営改善をサポー...

遠藤信行プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

中小企業が「お金に強い会社に変わる」

会社名 : 有限会社エーエスシー
住所 : 大阪府大阪市淀川区西中島6丁目2-3 チサン第7新大阪420号 [地図]
TEL : 06-6885-1563

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-6885-1563

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤信行(えんどうのぶゆき)

有限会社エーエスシー

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
資金繰りが悪い理由

中小企業には、資金繰りが厳しい会社が多くあります。 会社は資金が詰まれば、継続する事が出来ません。 その...

[ 資金繰り ]

経営者のための決算書の読み方講座~入門編~
イメージ

こんにちは。財務コンサルタントの遠藤信行です。明日は久しぶりに新大阪でセミナーを開催いたします。...

[ セミナー&講演 ]

自転車操業 ⑪(自転車操業になる場合とその防止策)

今回は自転車操業になる場合にはどんな場合があるか?について考えましょう。この場合A)コントロ...

[ 自転車操業 ]

自転車操業 ⑩(運転資金と黒字倒産)

「売上げが上がれば上がるほど資金繰りが苦しくなる場合」って、どんな場合があるか?ですが、例えば...

[ 自転車操業 ]

自転車操業 ⑨(B/Sを見る究極のポイント)

前回、B/Sは難しいと言いました。B/Sの分析ポイントは沢山あるからです。沢山ありすぎて、どれが...

[ 自転車操業 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ