コラム

 公開日: 2015-10-27  最終更新日: 2016-07-28

自転車操業 ⑦(B/S P/Lの持つ意味と役割)

前回のお話で



「利益が出ているのに税金を払うお金がない」

と言うケースで、以下の2つの選択方法がある。




つまり




①会社のバランスを修正して資金をねん出する。

②節税手法等を使って赤字にして税金を払わない。




の方法がある。




と言いましたね。




で、圧倒的に②を指導する専門家が多いと。




何故か?と言うところで終わってますが




その答えは・・・




②の方が簡単だからですね。



①を指導出来る専門家は圧倒的に少ないのです。




①を指導できるのは「財務コンサルタント」なんです。

(因みに財務コンサルタントって世の中に極少数しかいません)




税理士さんではありません。




税理士さんの本来の仕事は利益を計算して課税所得を
正確に計算して税額を算出し、税務申告書を作る事です。
その上で、もし税金が多くて会社が困るようだと節税対策を
提案します。(でも節税対策は税理士さんの本来の仕事では
なく付加的なお仕事です)



つまり税理士さんの本来の仕事は損益計算書(P/L)で
利益の計算と税法に則った正確な税金の計算をする事なんです。




これに対して資金が関係するのは貸借対照表(B/S)なのです。




ところで会社の決算書と言うのは



1)損益計算書(P/L)

2)貸借対照表(B/S)



で構成されています。





この2つの書類の関係はこうです。




1)利益を見る⇒損益計算書(P/L)



2)資金を見る⇒貸借対照表(B/S)




税理士さんは通常、この内1)のP/Lの指導をされます。

2)のB/Sは残高をみる程度です。




これに対して財務コンサルタントは



2)の貸借対照表(B/S)を中心に見ます。

そしてその関連で①の損益計算書(P/L)も見ます。




それは財務コンサルタントの関心が資金と利益の
両方にあって、改善目的が会社経営そのものに
あるからです。





私はここでどちらがどう?とはあえて言いません。





つまり役割が違うのです。



視点が違うのです。





ただ、会社の経営をする上で、決算書の内どちらが

より大切か?と言えば、






2)の貸借対照表(B/S)なんです。





何故なら、貸借対照表(B/S)は会社の創業以来の

積み重ねの結果であるのに対し、損益計算書(P/L)は、

ある一年間の経営成績のみを表わすものであるからです。




つまり会社が創業以来10年経つとすれば B/Sには

10年分の社長の成績が載っているのに対し、P/Lには

1年分しか載っていないからです。




B/Sは10年間の経営の結果として、じゃあ資金及び
財産はいくらあるのですか?借金はいくらあるのですか?

と言う事を表わすのです。





これでどっちが大切かおわかりでしょう?





ただ、税理士さんの本来の仕事は利益と税金の計算をして

税務申告をすることにありますので、B/Sは関係ないのです。

P/Lだけ見ていれば大丈夫なのです。(B/Sは残高があって

いれば良い)





だから前回の問題で



「利益が出ているのに税金を払うお金がない」



と言う時に



②節税手法等を使って赤字にして税金を払わない。



と言う方法を使えば、とりあえずは顧問先の課題を解決

できるので手っ取り早いのです。







これに対して、





財務コンサルタントは、上記のような

「利益が出ているのに税金を払うお金がない」

と言うケースの場合、







まず①の会社のバランスを修正して資金をねん出する。

と言う方法を考えるのです。





②だけするって言うのは、

人間で言えば病気の症状がひどいにもかかわらず、根本の

手術をしなくて、患者の痛さを和らげるためにモルヒネばかり

打つようなものです。




モルヒネを沢山投与すると身体に良くないですよね。





根本治療になってないのです。

それどころか余計症状を悪化させるのです。





ここまでするのは税理士さんの本来の仕事では

ありません。




逆に顧客の為を思って無理に顧客の課題を解決

しようとしたり、或いは他に理由があるからだと

思います。





どちらの理由にせよ、本来の仕事ではないのにも

関わらず②の節税手法だけを熱心にアドバイスする

税理士さんは危険です。やめた方が良いです。





余計、会社の症状を悪化させるだけですから。





これだと、何もしない税理士さんの方が

よっぽど良いです。






要はある部分だけ見るのではなく、

経営全体を見てそのバランスで判断できるか?



なんですが、





専門家といえども中小企業の専門家でこれを出来る人は

なかなかいません。



これが出来るには中小企業の内部で実際に経営に関与

した人でないとなかなか出来ませんよ。





と言うところで、私は中小企業の内と外から会社を
見てきました。

会社内部で実際に資金繰りの経験もしてきました。




だから




財務コンサルの中でもこれがわかるのは

私の他、そんなにいないでしょう・・・




ちょっといい過ぎですかね(笑)








実際、世の中にはたくさん優秀なコンサルの方は

いらっしゃいます。

いらっしゃいますが・・・誰がどこまで本当に出来る

のか外からではわからないですよね。






大会社だと、内部に優秀な財務のプロがおられ

ますので外部者は必要ないのです。




でも中小企業では内部にそれをわかる人がいない。




まあ、本当に信頼できる財務のプロを雇うには

年棒1000万位は出さないと雇えません。




だから中小企業では外部に頼る。




まず身近にいるのが、税理士さんなんですが

税理士さんでこの資金までわかる人は極々

一部なのです。





社長のところの税理士さんがたまたま

その方だったらラッキーですね。





でもそのような税理士さんがいる社長は

私のブログを見てないと思います・・・。











はい、では時間です。次回ですね。

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