コラム

 公開日: 2015-11-13  最終更新日: 2016-07-28

自転車操業 ⑪(自転車操業になる場合とその防止策)

今回は自転車操業になる場合には
どんな場合があるか?について考えましょう。



この場合

A)コントロール可能な場合

B)コントロール不可能な場合

に分かれます。




まず全体を網羅します。



A)コントロール可能な場合

 ①事業が急速に拡大した

  1)売上が急増した場合

  2)投資を急拡大した場合




 ②経費過剰による赤字の場合



 ③無駄な固定資産の購入



 ④売掛金と買掛金のサイトの問題



 ⑤在庫の問題



 ⑥借入金過多の場合



B)コントロール不可能な場合



 ①売上の急減による赤字の場合




 ②売掛先の倒産、或いは手形の不渡り

  による未回収の場合



以上のケースについて、以下一つずつ説明して行きます。




A)のコントロールが可能な場合



 ①の事業が急速に拡大した場合の内、



1)は前回説明しました黒字倒産にあたる場合です。
  つまり売上が急速に 拡大すると運転資金が

  必要になり、その資金手当てがつかなくなって

  資金繰りが苦しくなる場合です。



 ⇒これはあらかじめ資金管理をきちっとして、

   いったい幾らまでの売上拡大なら現状で

   資金手当て出来るか?の予定を立てて

   おけば防止できます。



2)は投資を急拡大した場合です。土地・建物・

  機械・設備の購入、或いは他への出資等、

  投資を急拡大した場合です。



 ⇒これもあらかじめ資金管理をして、いくらまでの

  投資なら資金手当てが出来るか?

  の綿密な計画を立てて実行すれば防げるケースです。

  

ただ、1)のケースと違うのはこの場合は投資に対する
リターンが本当に可能なのか?

投資の成果はあくまで予測であり、実際予測が外れる
場合が多々あると言う事です。

  

逆に言えばここが経営者の真価が問われるところです。
会社の運命がこれによって変わる事となります。




ですから防止策としては、無理な投資をせずに銀行取引を
含めた会社の体力の範囲での投資に留める事が出来るか
と言う事になります。

 

この投資失敗による倒産は実に多いです。

  

また一発倒産にならなくても、その前に自転車操業になって
しまってそれをずっと引きずって行くケースも多いですね。




 ②の経費過剰による赤字

  

 実際恒常的に自転車操業になっているところはこれが多いです。

 赤字体質の会社は結局無駄が多くて、コストカットが出来ていません。

 

  またコストカットと言ってもどこを残してどこをカット
  するのか?
  ここが難しいところですが、ここは専門家の意見を
  聞きながら、きちっとした利益管理と資金管理をすれ
  ば防止できるケースでです。



 ③無駄な固定資産の購入

    ①2)で挙げた投資によって固定資産を購入した場合と
      違ってこちらは将来の収益に影響しない全く無駄な
      資産購入になります。

      目的のない土地購入、本社建物の購入、無駄な
      車両、無駄な備品の購入等が挙げられます。

      これらの購入によってキャッシュフローは一気に
      悪くなり、自転車操業になる原因となります。

      ただしこれも、社長が経営の目的意識しっかり
      持っていれば防げるものです。

      既に買ってしまった場合は早急に売却しなければ
      なりません。

   


  

  ④売掛金と買掛金のサイトの問題

   

   これは売掛金の回収までのサイトより買掛金の支払う
   までのサイトが短い場合です。

   支払に苦しくなり自転車操業になる原因のひとつに
   なります。

   これは先方との交渉の問題が出てきますが、サイトの
   長さを調整させる事により防止出来ます。




  ⑤在庫の問題



   在庫が月商の1.5か月以上あると問題です。
   これは余分な在庫を廃棄したり在庫回転率を
   上げる工夫をする事によって防止出来ます。



  ⑥借入金過多の場合

   借入金は月商の3か月以上あると問題です。
   さらに6か月以上あると危険です。

   借入金返済の原資は税引き後利益ですから、
   まずは利益を出すことを考える事です。
   最悪の場合はリスケを行って、経営改善計画を
   立てて計画的に返済して行くことになります。



  B)コントロールが不可能な場合

 

  ①売上急減による赤字

   2007年~2008年のリーマンショックの時、これで倒産した
   会社が沢山あります。

   売上が半分になったり、売上が1/3になったりして
   バタバタと倒産しました。



   危機に貧した時、大企業は国が援助してくれますが
   中小企業は援助してくれません。



   中小企業にいきなり、このような事態が起こると
   通常は防ぎきれません。




   しかし、生き残った会社もあるのです。

   それは財務が圧倒的に強い会社です。

   

   財務が圧倒的に強いとは? 

   例えば以下のような会社です。



   ①自己資本比率が50%~80%

   ②手元資金が月商の6か月~12か月ある。

   ③売上高経常利益率(経常利益/売上高)が
    10%~20%ある。

   ④総資本経常利益率(経常利益/総資本)が
    10%以上ある。

   ⑤銀行取引を複数行と普段から円滑に行っている。




   このような会社にするには並大抵ではありません。

   業種・業態によっては不可能かも知れません。

   

   

   ですからここを目指して経営する事は大変意義が
   あります。

   またここまで来れば、会社はちょっとやそっとでは
   潰れない会社なります。



   逆に言えば、これ以下の水準の中小企業は、
   ちょっと利益が出たからと言って「利益を減らす
   節税対策」をしている場合でないのです。

   

   もちろん個々の事情があり、ケースバイケース
   ですが・・・・・



  

  

  ②売掛先の倒産、手形の不渡り




    これも起きてしまってはコントロール不能です。



    しかし、1)予め与信管理をしっかりすること。

           

         2)このような事態になっても会社が倒産しない

          上記のような財務の強い会社にすること。



     を行う事によりあらかじめ防止できます。






  

  以上、9つのケースについて

  A)コントロール出来る場合と

  B)コントロール出来ない場合に



  分けて述べてきました。




  しかしながらB)のコントロールが出来ない場合で
  あっても、会社の管理体制を整備したり財務体質を
  強固にする事によって防止する事は可能なのです。



  その為には普段からの「正しい方向性を持った経営の
  在り方」と言うものが必要になって来ます。



  以上の事から、自転車操業と言うのは、全て正しい経営・
  正しい財務の知 識・方法を持ってすれば、予め防止でき
  るのです。

  

  そして上記の事から、社長なら誰でも・・

 

  会社を長期に渡って存続しようと思えば・・・・




 「正しい経営・財務の知識が必要」 になって来るのです。

この記事を書いたプロ

有限会社エーエスシー [ホームページ]

経営コンサルタント 遠藤信行

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