コラム

2015-11-13

自転車操業 ⑪(自転車操業になる場合とその防止策)

今回は自転車操業になる場合には
どんな場合があるか?について考えましょう。



この場合

A)コントロール可能な場合

B)コントロール不可能な場合

に分かれます。




まず全体を網羅します。



A)コントロール可能な場合

 ①事業が急速に拡大した

  1)売上が急増した場合

  2)投資を急拡大した場合




 ②経費過剰による赤字の場合



 ③無駄な固定資産の購入



 ④売掛金と買掛金のサイトの問題



 ⑤在庫の問題



 ⑥借入金過多の場合



B)コントロール不可能な場合



 ①売上の急減による赤字の場合




 ②売掛先の倒産、或いは手形の不渡り

  による未回収の場合



以上のケースについて、以下一つずつ説明して行きます。




A)のコントロールが可能な場合



 ①の事業が急速に拡大した場合の内、



1)は前回説明しました黒字倒産にあたる場合です。
  つまり売上が急速に 拡大すると運転資金が

  必要になり、その資金手当てがつかなくなって

  資金繰りが苦しくなる場合です。



 ⇒これはあらかじめ資金管理をきちっとして、

   いったい幾らまでの売上拡大なら現状で

   資金手当て出来るか?の予定を立てて

   おけば防止できます。



2)は投資を急拡大した場合です。土地・建物・

  機械・設備の購入、或いは他への出資等、

  投資を急拡大した場合です。



 ⇒これもあらかじめ資金管理をして、いくらまでの

  投資なら資金手当てが出来るか?

  の綿密な計画を立てて実行すれば防げるケースです。

  

ただ、1)のケースと違うのはこの場合は投資に対する
リターンが本当に可能なのか?

投資の成果はあくまで予測であり、実際予測が外れる
場合が多々あると言う事です。

  

逆に言えばここが経営者の真価が問われるところです。
会社の運命がこれによって変わる事となります。




ですから防止策としては、無理な投資をせずに銀行取引を
含めた会社の体力の範囲での投資に留める事が出来るか
と言う事になります。

 

この投資失敗による倒産は実に多いです。

  

また一発倒産にならなくても、その前に自転車操業になって
しまってそれをずっと引きずって行くケースも多いですね。




 ②の経費過剰による赤字

  

 実際恒常的に自転車操業になっているところはこれが多いです。

 赤字体質の会社は結局無駄が多くて、コストカットが出来ていません。

 

  またコストカットと言ってもどこを残してどこをカット
  するのか?
  ここが難しいところですが、ここは専門家の意見を
  聞きながら、きちっとした利益管理と資金管理をすれ
  ば防止できるケースでです。



 ③無駄な固定資産の購入

    ①2)で挙げた投資によって固定資産を購入した場合と
      違ってこちらは将来の収益に影響しない全く無駄な
      資産購入になります。

      目的のない土地購入、本社建物の購入、無駄な
      車両、無駄な備品の購入等が挙げられます。

      これらの購入によってキャッシュフローは一気に
      悪くなり、自転車操業になる原因となります。

      ただしこれも、社長が経営の目的意識しっかり
      持っていれば防げるものです。

      既に買ってしまった場合は早急に売却しなければ
      なりません。

   


  

  ④売掛金と買掛金のサイトの問題

   

   これは売掛金の回収までのサイトより買掛金の支払う
   までのサイトが短い場合です。

   支払に苦しくなり自転車操業になる原因のひとつに
   なります。

   これは先方との交渉の問題が出てきますが、サイトの
   長さを調整させる事により防止出来ます。




  ⑤在庫の問題



   在庫が月商の1.5か月以上あると問題です。
   これは余分な在庫を廃棄したり在庫回転率を
   上げる工夫をする事によって防止出来ます。



  ⑥借入金過多の場合

   借入金は月商の3か月以上あると問題です。
   さらに6か月以上あると危険です。

   借入金返済の原資は税引き後利益ですから、
   まずは利益を出すことを考える事です。
   最悪の場合はリスケを行って、経営改善計画を
   立てて計画的に返済して行くことになります。



  B)コントロールが不可能な場合

 

  ①売上急減による赤字

   2007年~2008年のリーマンショックの時、これで倒産した
   会社が沢山あります。

   売上が半分になったり、売上が1/3になったりして
   バタバタと倒産しました。



   危機に貧した時、大企業は国が援助してくれますが
   中小企業は援助してくれません。



   中小企業にいきなり、このような事態が起こると
   通常は防ぎきれません。




   しかし、生き残った会社もあるのです。

   それは財務が圧倒的に強い会社です。

   

   財務が圧倒的に強いとは? 

   例えば以下のような会社です。



   ①自己資本比率が50%~80%

   ②手元資金が月商の6か月~12か月ある。

   ③売上高経常利益率(経常利益/売上高)が
    10%~20%ある。

   ④総資本経常利益率(経常利益/総資本)が
    10%以上ある。

   ⑤銀行取引を複数行と普段から円滑に行っている。




   このような会社にするには並大抵ではありません。

   業種・業態によっては不可能かも知れません。

   

   

   ですからここを目指して経営する事は大変意義が
   あります。

   またここまで来れば、会社はちょっとやそっとでは
   潰れない会社なります。



   逆に言えば、これ以下の水準の中小企業は、
   ちょっと利益が出たからと言って「利益を減らす
   節税対策」をしている場合でないのです。

   

   もちろん個々の事情があり、ケースバイケース
   ですが・・・・・



  

  

  ②売掛先の倒産、手形の不渡り




    これも起きてしまってはコントロール不能です。



    しかし、1)予め与信管理をしっかりすること。

           

         2)このような事態になっても会社が倒産しない

          上記のような財務の強い会社にすること。



     を行う事によりあらかじめ防止できます。






  

  以上、9つのケースについて

  A)コントロール出来る場合と

  B)コントロール出来ない場合に



  分けて述べてきました。




  しかしながらB)のコントロールが出来ない場合で
  あっても、会社の管理体制を整備したり財務体質を
  強固にする事によって防止する事は可能なのです。



  その為には普段からの「正しい方向性を持った経営の
  在り方」と言うものが必要になって来ます。



  以上の事から、自転車操業と言うのは、全て正しい経営・
  正しい財務の知 識・方法を持ってすれば、予め防止でき
  るのです。

  

  そして上記の事から、社長なら誰でも・・

 

  会社を長期に渡って存続しようと思えば・・・・




 「正しい経営・財務の知識が必要」 になって来るのです。

この記事を書いたプロ

有限会社エーエスシー [ホームページ]

経営コンサルタント 遠藤信行

大阪府大阪市淀川区西中島6丁目2-3 チサン第7新大阪420号 [地図]
TEL:06-6885-1563

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
メディア出演・掲載
日本一明るい経済新聞

日本一明るい経済新聞 2015. 9.30に掲載されました。

 
このプロの紹介記事
遠藤 信行さん(えんどう・のぶゆき)さん

従業員30人以下の中小企業の経営改善をサポートします(1/3)

 日本の会社の99.7%は中小企業です。そこで働く人は全雇用者の約7割を占め、まさにわが国の経済や産業活動を支える柱になっています。でも大企業に比べ、賃金や労働条件などで不満を抱えている人が多いのも現実です。そんな中小企業の経営改善をサポー...

遠藤信行プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

中小企業が「お金に強い会社に変わる」

会社名 : 有限会社エーエスシー
住所 : 大阪府大阪市淀川区西中島6丁目2-3 チサン第7新大阪420号 [地図]
TEL : 06-6885-1563

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-6885-1563

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤信行(えんどうのぶゆき)

有限会社エーエスシー

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
資金繰りが悪い理由

中小企業には、資金繰りが厳しい会社が多くあります。 会社は資金が詰まれば、継続する事が出来ません。 その...

[ 資金繰り ]

経営者のための決算書の読み方講座~入門編~
イメージ

こんにちは。財務コンサルタントの遠藤信行です。明日は久しぶりに新大阪でセミナーを開催いたします。...

[ セミナー&講演 ]

自転車操業 ⑩(運転資金と黒字倒産)

「売上げが上がれば上がるほど資金繰りが苦しくなる場合」って、どんな場合があるか?ですが、例えば...

[ 自転車操業 ]

自転車操業 ⑨(B/Sを見る究極のポイント)

前回、B/Sは難しいと言いました。B/Sの分析ポイントは沢山あるからです。沢山ありすぎて、どれが...

[ 自転車操業 ]

自転車操業 ⑧(B/Sがわかれば経営がわかる)

ここまででいかがですか?社長の顧問税理士さん、どんなアドバイスされてますか?えっ・・・...

[ 自転車操業 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ