コラム

 公開日: 2015-12-03  最終更新日: 2016-05-04

自転車操業 ⑭(社長の右腕を育てる)

経理の話をした続きで

社長の右腕の話をします。



会社が成長して従業員が50人~100人になったら

経理を社長一人では把握しきれなくなります。



その際は社長の右腕が必要になります。



有名なところではホンダの本田宗一郎さんの右腕の

藤沢武夫さん。



藤沢さんは元会社社長ですが、ある時に本田宗一郎

さんと出会い意気投合し、社長の右腕として営業から

経理まで一切を任されたホンダの大番頭です。



またパナソニックの創業者松下幸之助さんの右腕の

高橋荒太郎さん。



高橋さんも元は別会社で財務経理をされていましたが、

その会社が松下電器に吸収されたのを機に、

松下幸之助さんの右腕となり、松下の事業部制や

松下経理大学等の経理養成の仕組みを全て立てられた

幸之助さんの正真正銘の右腕。




松下が戦後GHQの財閥指定を受けて、

事業を再開出来なかった時、100回以上も上京しGHQと

掛け合って結局財閥指定解除に持ち込んだ強者です。

幸之助さんが唯一、一目おかれる方だとの事です。



このようなお二人の右腕はあまりにも有名ですが、

これ以外にも成長した会社には必ず社長の優れた

右腕がおられます。



例えば京セラの創業者稲盛和夫さんにも右腕となる

斉藤経理部長と言う方がおられたと、稲盛さんはその

著作である「実学」と言う本で書かれております。



「実学」によると斉藤経理部長は京セラ創業後8年目に、

ある大企業から京セラに転職されたとの事です。




しかし入社後は稲盛さんとは経理の事で意見が合わずに

しょっちゅう激論となり、それが数年続いたそうです。




しかし数年後、斉藤経理部長は稲盛さんの考え方に

初めて理解を示し、ここに京セラ独自の会計学が生まれる

素地が出来たとの事です。



この逸話は大変面白いですね。



自分の意のままにならない経理部長と数年にも渡って

粘り強く激論を繰り返し、最終的には御自身の経営理論で

説き伏せる稲盛さんの器の大きさに驚きを感じてしまいます。



そもそも稲盛さんは元々技術畑で経理には素人でした。




しかし、斉藤経理部長と言う経理の専門家と出会って、

日々激論を交わし、稲盛さん独自の経営理論と

斉藤経理部長の会計理論とが融合し、京セラ独自の

経営会計システム(=アメーバ経営)が出来上がったのです。



そしてその結果、今日の財務に強固・磐石な京セラが

形成されたと言う事なんです。



社長の右腕の経理部長は謂わば社長の参謀です。



会社が成長しようと思えば、社長にとっては必ずここに

優れた人材が必要になってきます。



例えばここに逆の人材がいた例では・・・




元ライブドアの創業者のホリエモンは、良いNO2に恵ま
れませんでした。




いや頭が良い優れた№2がいたのですが、運悪くその方が

悪い方に頭が良かったのです。

もちろんあの事件を指示したのがホリエモンであるのか?




№2の提案をホリエモンが無条件に受け入れたのか?




真実は私の知るところではありません。




しかしどちらにせよ、№2を選ぶのも№1の仕事ですし、

最終的に会社の方針を決定するのは社長ですから、

悪いのはホリエモンだと言う事なのですが。



このように経理部長である№2に誰を抜擢するか?

によって会社のその後が変わって来るのです。



ですから社長の№2である右腕はとても大事です。



しかし、ここに有能な人材を得るのは容易ではありません。

特に中小企業に来てくれる、右腕になるような人材は

そう簡単には得ることは出来ないでしょう。






中小企業が有能な経理の人材を得る方法は次の2つしか
ありません。



①大企業・中堅企業からヘッドハンティングする。

②自前で育てる。




このどちらかです。




①が何故大企業・中堅企業か?と言うと、
有能な経理の人材は普通はそこにしかいないからです。



それは経理の活躍出来る範囲とやはり給料が違うからです。



ですから、このレベルの人材をヘッドハンティングしようと
すればそれなりの待遇が必要です。



最低でも1000万~2000万は必要でしょう。



或いはそこまで即戦力とは行かなくても若手で伸びしろの
ある人材を得ると言う手段もあります。

基本+ある程度の経験を持った若手を育てるのです。

30代半ば~40位で。但しその場合でも700万~800万は必要でしょう。



②ヘッドハンティングできなければ、自前で育てるしかありません。



でも育てる為にはまず、社長が経理に詳しくなければなりません。



その上で外部の専門家の指導を受けたり、

研修に出して能力を上げてもらうしかありません。




勉強熱心で向上心があり、また人間的にも素晴らしい人材で

ないと務まらないでしょう。



このどちらの選択も簡単なようで実際は大変難しいと

言えます。



しかし、ここは必ずクリアしなければなりません。

クリアしなければ、会社はそこがアキレス腱となって将来躓く基となるでしょう。



実際そのような会社は世の中にごまんとあります。



また、①と②どちらを選ぶにしても結局は社長自身が

経理・財務をある程度のところは理解しておかなかれば
なりません。



でないとその人が良いか、悪いかの判断も出来ない

のですから・・



例外としてホンダの本田宗一郎さん、パナソニックの
松下幸之助さんのような運命の出会いがあるか?



ですが・・・

これは宝くじに当たるようなものです。



でも本田さんも松下さんも初期の頃はそのような人材が
いませんでした。

恐らく稲盛さんも同じだと思います。



それまでは自前の人材でされておられたのだと思います。



因みに松下幸之助さんの場合は、奥さんのむめのさんが
経理をされていたと言うのは有名な話ですね。



しかしいずれにしても、まず社長ご自身が経理財務に

明るくならなければならないでしょう。



何故なら経理の最終責任は社長にあるのですから・・・・。

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