コラム

 公開日: 2018-02-03 

ここだけは押さえておきたい労務監査の内容とは?

労務監査とは、企業が労働諸法令に適した経営を行っているか、社会保険労務士が監査を行うことです。労務監査の結果を見て、職場環境を継続的に改善していくことで、労務トラブルを未然に防ぐことが可能です。労務監査の内容は多岐にわたりますが、労使協定や就業規則、労務管理、労働時間に注目すると比較的わかりやすいでしょう。この記事では、労務監査の主な内容について解説します。

労務監査が重大な労務トラブルを未然に防ぐ

労務監査とは、企業が労働諸法令に適した経営を行っているか、社会保険労務士が監査を行うことです。この労務監査を行うことで、法令の違反状態をなくし、クリーンな職場環境をつくることができます。近年、人材不足が声高に叫ばれており、就労環境を重視する労働者が増えてきました。

労務監査の現場に出てみると、経営者が適正だと思っていても、実際は法令に違反している、こういう事例が後を絶ちません。こうした状態を放置しておくと、従業員から訴訟を起こされるなど、思わぬトラブルに発展する恐れもあります。労務監査は、転ばぬ先の杖。社会保険労務士の専門知識を活用し、トラブルを未然に防ぎましょう。

もし、違反状態が継続し、それが労働基準監督署の知るところとなれば、重大事に発展します。労働基準監督署は、警察と同様、逮捕権も持っているからです。労働基準監督署は、最初違反状態には、是正勧告を出します。

その際、迅速に対応し、違反状態を解消することが求められます。期日までに従わない場合や悪質なケースでは、書類送検となることも考えられます。もし、書類送検となってしまえば、信用は失墜し、最悪の場合、事業が継続できない可能性もあります。違法状態を継続することは、これほどまでに危険なことなのです。

労務監査で問題となりやすい内容

さて、社会保険労務士が行う労務監査では、どのような内容を見ていくのでしょうか。ここでは、一例を挙げて説明していきましょう。一般的に違反状態が継続しやすいのが「労使協定の有無」です。
残業を従業員にさせるためには、労使協定が必要ですが、そのことを知らない経営者もいます。労使協定がない状態で、残業させた場合、労働基準法違反となるため、注意しましょう。また、労使協定においては、締結の方法も問われます。

労働組合または労働者の過半数代表と締結する必要がありますが、そうではない人物に代表をさせている偽装も見受けられます。こうした悪質なケースは、労働基準監督署の指導の標的になりやすいので、すぐに改めるようにしましょう。

「就業規則の有無」も問題に発展しやすい項目です。就業規則は、常時10人以上の従業員を使用する使用者が労働基準法により、所轄の労働基準監督署長に届け出る必要がある書類です。ここで、注意したいのが「常時10人以上」という人数のことです。

正規従業員だけでなく、たとえ非正規従業員であっても、フルタイムに近い働き方をしている場合は、「常時」にカウントされる可能性があります。「常時か否か」は、雇用形態にかかわらず、実態を見るので、自分たちで判断するのは危険です。

常時10人以上の従業員を使用しているのにもかかわらず、就業規則を作成していない場合はすぐに作成して届け出るようにしましょう。

厚生労働省などがモデル就業規則を公表していますが、鵜呑みにせず、自社に合ったものを作るようにしましょう。

とりあえず就業規則を作る中小企業も多いですが、作成漏れや文言のミスなどがアダとなって、思わぬトラブルに発展する恐れもあります。

労務監査によって適法な職場環境をつくる

それから「労務管理が正確に行われているか」も労務監査の重要なチェックポイントです。

労務管理は、従業員の健康な暮らしを守るために必要不可欠なものです。無理な仕事をさせていないかチェックすることや、法定の健康診断を受けさせることなどが含まれます。企業は、従業員の心身の状態を把握することが必要であることをしっかりと覚えておく必要があります。

そして、最後に、最も問題となりやすいのが「労働時間の管理」です。日本にはさまざまな労務問題がありますが、労働時間の管理が適正に行われていないことが、原因のひとつです。過労死問題では、労働時間を過少申告させていた事実などが判明し、世間を騒がせています。
労働時間は、中小企業の場合、タイムカードで管理するのが一般的でしょう。労務監査では、タイムカードなどの労働管理ツールをしっかりと活用しているかどうか、残業時間が労使協定で締結した時間数の範囲内であるかどうかなどを調べます。

前述したとおり、労務監査は、あるべき適法な職場の状態を作りだし、気持ちよく従業員が働ける環境をつくることです。労務監査を賢く利用することによって、労働基準監督署に指導されない職場環境を作り出し、従業員のモチベーションをアップさせ、収益の向上に取り組みましょう。

この記事を書いたプロ

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社会保険労務士 鈴木圭史

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