住まい手の想いを元に安全・快適な住まいをつくるプロ

日下洋介

くさかようすけ

株式会社Eee works一級建築士事務所(イーワークス)

[ 枚方市 ]

職種

コラム

 公開日: 2018-02-08 

『木造住宅の寒さ対策』寒さを解消して健康に暮らせる住まいへ

木造住宅は暖かくなるのか。


前回に続き、木造住宅と寒さについて探ってみたいと思います。
まずは木造住宅を暖かくする方法。



新築の場合と、既存建物を暖かくする方法は、基本的には、同じです。
前回コラムで登場した『断熱』をしっかり。そして『気密』をキッチリ。
これが、全ての基本になります。

高価な商材を1つつけたら、『即OK』と言うことはありません。
地道に『断熱』層を作り、漏れのない『気密』層を作る。 これに尽きます。

『断熱』『気密』は地道に積み上げる


では、
1、どうやって暖かくするのか。そして危険が回避できるのか。
2、そして、その費用は・・・?

まず、1の暖かくする方法ですが、前回コラムの『ダウンジャケットのジッパーを閉める』の住まい版です。
現状の住まいは、ダウンジャケットが外気温に対して『薄すぎる=断熱不足』
そして『ジッパーが壊れて閉まらない=気密が取れていない』
状態にあります。それを、厚く、熱が漏れないよう、ジッパーが閉まる様にします。

具体的には、住まいの外気に接する部分は、『屋根・壁・窓・床』大きく分けるとこの4つ。
その中で、一番薄いのは『窓』。窓とそのほかの面。冬場、それぞれに手を当てて『一番冷たい』場所は窓です。一番薄く冷気を通してきているためです。

断熱材の入っていない屋根や壁もベニア一枚と言うことはほとんどないでしょう。しかし、サッシに関しては、ガラス1枚ということは、よくあります。アルミサッシに一重ガラス。
単純に薄いから寒い。とも言えます。

使い続けたダウンジャケットで中のダウンが片寄って一部ダウンのない部分ができた状態。
この片寄って生地だけの部分がガラス。ダウンのある部分が壁。そんなイメージです。

住まいの暖かさは『窓』が重要




この窓を少しでも補強すべく、ガラスを1枚から2枚、3枚と増やし、そのガラスの間に温度を伝えにくいガスを充填したものがペアガラス。そして枠も重要。アルミは非常に熱を伝えやすいため、『樹脂』『木』
と熱を伝え難い枠に交換します。これで、弱い窓から『突き抜けてくる冷気』は随分と少なくなります。
まず、窓はこうして断熱化していきます。

次に屋根と壁と床。ここも補強は『断熱材を詰める』ことで改修していきます。
単純に断熱材の厚みと断熱性能は比例します。

ここで、重要なポイント
ダウンジャケットの『ジッパーを閉める』の部分です。これは住まいに置き換えると『気密の確保』にあたります。断熱材が途切れることなく連続すること、そしてそこに空気が出入りしないよう密閉すること。これが重要です。

いくら性能の高い高価なセーターも風の強い屋外では、その性能は発揮できません。
セーターで温めた空気が外に漏れない。外の冷気を取り込まない風を遮断する『気密』層が必要なんです。

そして、この気密施工の出来具合は『気密試験』で確認します。
見た目だけでは決して確認できない『気密性能』はこの試験で確認します。

この試験で確認した数値をもって『気密性能』が確保できたと言える様になり、
『屋根・壁・窓・床』の断熱材が機能する。様になります。

高断熱住宅のコストはハイブリットカーの考え方と同じ




ただ、これにはコストがかかります。
2つ目の壁です。

断熱化する工事コストは決して安くありません。
しかし、ここを超えなくては『暖かい住まい』は出来ません。

これは 『イニシャルコストXランニングコスト』 で考えると答えが出そうです。
寒い実家を仮に高断熱に改修したら。と言う切り口で考えてみます。
キーワードは『住まいの燃費』です。
まず、住まいを一定温度に保つ暖房費(燃費)を 断熱改修の前後で計算します。

断熱性能が高い住まいは暖房費が安くなります。
逆に性能が低い場合は暖房費が高い。 
最初が高いか、後が高いか。と言う話です。
結局、最終的に同じだったとしたらどうしますか?

高断熱化の工事コスト+暖房費=無断熱住宅+暖房費
車に置き換えて考えてみます。

プリウスを筆頭に現在ハイブリッドカーは非常に一般的になりました。
車種によっては、ガソリン車とハイブリッド車どちらも選べる車種も
あります。

さて、どちらが売れるでしょうか?
車両本体価格は ハイブリッド車の方が高い。
見た目はほぼ同じ。
価格だけで選ぶなら安いガソリン車が売れて、
ハイブリッド車は売れません。

ところが、実際はハイブリッド車が非常に売れています。

購入を決めた方は、車両価格+ガソリン代で両者を比較したはずです。
乗る年数✖️燃費✖️ガソリン代で計算して『あっ○年後にハイブリッド車の方がお得!』と言うことで決められたことでしょう。

イニシャル+ランニング=トータルコストの考え方です。

これは住まいの、断熱性能と、暖房(冷房)のコストの話と全く同じです。
住まいの燃費も計算によってほぼ正確に求めることが可能で、これからは、住まいも、燃費で選ぶ時代です。
しかも、この高断熱住宅やハイブリッド車は化石燃料を使う量が少なく、地球環境にも優しい。 得して、ECO。なかなか良くないですか?

暖かい住まいは健康寿命が長くなる




そして、これも大きな恩恵です。
話を最初の『木造の寒い実家』に戻しますが、高断熱化できた『木造の実家』は、まず『寒い浴室』が解消されます。『断熱』と『気密』が確保された住まいは、前回コラムの様な住まいの中での急激な温度変化がなくなり、結果、『ヒートショック』の危険性は大幅に下がります。
結果として健康寿命が延びます。健康寿命とは介護の必要ない健康で過ごせる期間のことで、言い換えれば自分の好きなことが健康な体でできる時間です。
また、寒さがなくなることで今までは冬は使われることのなかった『開かずの間』がなくなり、隅々まで住まいが使え、帰省する家族も楽に快適に対応できそうです。

帰省する家族の『実家に行くと風邪をひく』も解消されそうです。
そしたら、お孫さんも『じいちゃんの家寒くない』と言ってくれるかもしれません。 

そんな健康寿命がのびて『孫が戻ってくる実家』如何でしょうか。
この価値は『priceless』です。

この記事を書いたプロ

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一級建築士 日下洋介

大阪府枚方市大垣内町1-1-10-22 [地図]
TEL:072-808-8616

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