コラム

2016-07-19

債務免除益という言葉を知っていますか?

債務免除益という経済用語があります。これは債権放棄の反対の言葉にあたります。債権者(銀行など)から借入金や未払金等の債権を放棄してもらうと、債務者は借金を免除されますね。この免除された金額のことを債務免除益と呼びます。



債務免除というのは会社の借入金をなくしてもらうこと

会社経営をしていると、無借金で経営している会社はほとんどありません。もちろん無借金経営というのは言葉は憧れではありますが、現実の話になるとやはり難しいのが現状だと思われます。

また、金融機関からの借入金はなかったとしても、社長自らの財産をを投入しているケースも多く見受けられます。これは、役員借入金と呼ばれるものです。

役員からでも銀行からでも借入金が多くなると、自己資本比率(会社が自前で用意したお金)が下がり金融機関から評価が下がってしまいます。(多少金融機関によっては変わってはきています)

その借入金がなくなれば、当然決算書はよくなります。じゃあ、債権放棄してもらえれば万々歳か?というと物事はそんな単純なものではありません。

債務免除はありがたいが…

債務免除を受けると、会社の財務体質は当然良くなります。しかし、会社には経理処理というものがあるので、この支払わなくてよくなった債務を何かに仕分けなければなりません。

普通に考えた場合、この免除してもらった金額は利益になるわけです。本来支払う必要のあった債務なのでそれを免除した金額はそのまま利益計上することになりますね。利益が出ればそこには法人税がかかるのです。

つまりこれが債務免除益をしてもらった際の注意事項ということになります。

「債権放棄」や「損切り」をしてもらい「よかった!よかった! これで借金がなくなった!」と喜んでだけいれば、後で多額の法人税を支払わなければならないということを知っておいて下さい。

具体的な金額で説明いたしましょう。利益が出ていない年に仮に社長が会社に3000万円の貸付をしていて、そのうちの1000万円を債務免除したとします。

そうすると、この1000万円は会社は返さなくてよくなりますので、会社から見れば利益とみなされます。例え本業では利益が出ていなかったとしても、特別利益のような形で1000万円の利益になり、この利益に対して法人税が課税されるということになります。

仮に実効税率で法人税が約30%かかれば、300万円の法人税支払いになりますので、このことに注意しなければなりません。

団体信用生命保険に入っている方は要注意!

金融機関から会社への融資をしてもらう際、団体信用生命に加入するよう求められることがあると思います。団体信用生命保険と聞くと、住宅ローンを思い出しますが、仕組みは同じですね。

もし経営者が亡くなられた際に、この団体信用生命保険によって融資分の金額が保険金として金融機関に支払いをされ、借金は返済されます。その金額が仮に5000万円でもし経営者に万一のことがあれば、5000万円が返済されます。

しかし、会社の経理はこの5000万円を債務免除益とみなします。つまり5000万円の利益に対して法人税をかけますので、これが30%の場合1500万円の法人税を支払わなければなりません!

団体信用生命保険に入っているから大丈夫と思われている経営者の方は多いですが。この債務免除益のことまで寛上げている方は一体どれだけいるでしょうか?

この会社の経営者に万一のことがあれば、本当に後継者は順調な事業承継をすることができるでしょうか?

自分のことに当てはめた場合、心配になるケースもあると思います。そんな相談に応えるべく私はFPとしてアドバイスを行っています。どうぞご遠慮なくご相談ください。

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