コラム

 公開日: 2014-09-09  最終更新日: 2016-05-11

ゴルフと「ジーンズ」

ゴルフ世界から嫌われている「ジーンズ」

日本だけでなく、世界中の多くのゴルフ場や競技規定のドレスコード(服装規定)で「ジーンズ」が禁止されています。ゴルフウェアだけでなく、ゴルフ場への入退場時の服装についても同様に禁止されています。もちろん規定ですので、遵守することは当然です。

他のスポーツにおいても「ジーンズ」をはいてプレーするといった競技はまずないでしょう。
しかし、最近ゴルフウェアとしてデニム素材を使ったストレッチパンツや綿素材のジーンズ風パンツなどが、エドウィンゴルフやマンシングウェアなどの有名ブランドから数多く販売されています。
こうなると、どこまでが禁止の「ジーンズ」かどうかの区切りが分からなくなっているのが現状です。
ジーンズ
私はゴルフ場関係の人間ですが、「ジーンズ=ファッション」「ジーンズ=街着」というイメージを持つ世代の一人として、「ジーンズ」だけがダメな理由が分からず、説明もできずに困っていました。

「世界中でこれだけ禁止されているのだから、何か特別な理由があるのではないか」と思い、禁止の理由を調べようとしましたが、「ダメなものはダメ」、「ジーンズはどこまでいっても正装にはならない」という答えばかり。
とりあえずジーンズの歴史を調べてみることにしました。

「ジーンズ」の誕生

誰もが一着はもっている「ジーンズ」。今では、アメリカ大統領や政治家まで愛用しています。
ジーンズの歴史はアメリカの歴史とともに展開してきました。
ジーンズのデニム素材はフランスで生まれ、イギリスで織物技術が発展し、アメリカでジーンズの原型が完成しました。
ゴールドラッシュ
労働着としてのジーンズの誕生は1870年代のカリフォルニア・ゴールドラッシュにまでさかのぼります。
当時のズボンは作業中にすぐに切れてしまっていたので、労働者は上部なズボンを欲しがっていました。
そこで、1973年に生地商人だった「リーバイス」の創業者リーバイ・ストラウスが、白い綿帆布にリヴェットを打った丈夫なズボンを開発して大人気となり、ジーンズの歴史が始まりました。その後、素材にデニムが使用されるようになっていきました。

1900年代に入ると、当時流行していたカウボーイ映画の影響を受けて、それまでは労働着としてとらえられてきたデニムのズボンがファッションの一つとして定着していきます。そして1920年頃、「ジーンズ」と呼ばれるようになりました。
リーバイス社の製品が世界に広まるのは1950年頃のことです。

労働着からファッションアイテムへ

第二次大戦後、ジーンズは労働着としてよりも、マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンといった映画スターの影響などにより、現在のような一つのファッションアイテムとして認識されるようになります。
ジェームズディーン
1960年代後半、ビートニクの影響やベトナム反戦運動・公民権運動などの社会運動を背景としたヒッピームーブメントがアメリカから起こります。彼らのヒッピーファッションには、「自由・反抗」の象徴ともなったジーンズが採り入れられました。
60年代から70年代のヒッピー、パンクなどのムーブメントを通して、デニム素材(ジーンズ)はアンチファッションのシンボルとなります。日本でも、70年代には学生運動やヒッピーファッションが流行し、女性も好んでジーンズを愛用、若者文化の象徴になりました。

しかしこのような流れの中でも、カルバンクラインを始めとして時代を表現しようとするファッションデザイナーに着実に影響を与えます。これまでのジーンズは労働着、反社会的なメッセージが強かったのですが、これに対して、デザイナーのジーンズは、美しさ、シルエットをいかにきれいに見せるかという点で「デザイン」されていたのです。ジーンズは、70年代後半から80年代半ばにかけてファッションデザイナーによって、急速に取り入れられていきます。

ジーンズには、反体制の象徴、自由の象徴的なイメージ、誰もが持っていて大量消費的なイメージ、「色落ち」「汚れ」などヴィンテージを好むイメージ。その他ハイファッションの中にもすでに取り込まれ、ファッション性の強いアイテムとしての様相も持ち合わせている特異なアイテムとなりました。

このような様々な側面を持つジーンズは、ラフでカジュアルなパンツとして、地位のある人々から嫌悪されてきたため、世界中のゴルフ場で禁止されてきたのかもしれません。アメリカのあるゴルフ場のドレスコードでは「ジーンズ」ではなく「ブルーデニム」と限定して禁止していました。「ブルーデニム」、「ブルージーンズ」に対する反ゴルフイメージは、特に強いのかもしれません。

これからのゴルフ界でも「ジーンズ排除」を完遂できる?

ジーンズの歴史を見ると、ゴルフの歴史と相反する部分が多く、禁止されてきたことは理解できます。
しかし、これからも「ジーンズ禁止」は続くのでしょうか?

紺ブレやジャケットのズボンとしてジーンズをはく人が数多くいます。ゴルフというスポーツがカジュアル化してきた今、ゴルフ場はこのルールをこれからも変わらずに徹底していくことはできるのでしょうか?
ジーパンでプレー
ゴルフの精神において、定められたルール、ドレスコードの遵守は当然のことではありますが、今の時代において、ある特定のゴルフ場を除いては、この「ジーンズ完全排除」のルールを完遂することは非常に困難なことだと思います。
調べれば調べるほど、その思いを強くしました。世代間のギャップがあまりにも大きすぎるのです。

「ゴルフ場が毅然とした態度をとり、規定は守るものとして応対すればよい」と書かれている本も数多くありますが、多くのゴルフ場の現状を見ると少々無理な話です。

ゴルフ場だけでなく、ゴルフウェアのメーカー、プロゴルファー、アマチュアゴルファーの各々が心くばりをして柔軟に歩み寄る必要があるのではないでしょうか。

デニム素材、またはジーンズ風のゴルフウェアが販売されている現在、「ジーンズ=ファッション」と思っている若い人に「ジーンズは何十年以上も前には作業着だったから」とか「1960年代から70年代にかけて、反体制をイメージしていたから」という理由だけで、禁止することはできないように思います。

だからといって、チェーンをジャラジャラつけた「破れ」「汚れ」のダメージ・ブルージーンズをはいてくる若年ゴルファーがいると、世代間で分かりあえることはありません。
ジーンズ
ゴルフウェアブランドの皆様には、できるだけブルージーンズ、ダメージジーンズのイメージにつながるような製品の販売は遠慮してほしいと願います。

そして、ゴルフ場などでも柔軟に対応できるように、『様々な価値観を持つ同好の友人に対する最低限の身だしなみとして、「色落ち」「破れ」の激しいデニムパンツは不可(特にブルージーンズはご遠慮ください)』などという規定変更は考えられるところではないでしょうか。

せっかく3世代が同じフィールドで楽しめるゴルフです。
世代間のギャップを取り除いて、みんなが楽しめるように工夫していきましょう。

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