コラム

2015-07-21

歴史あるゴルフのキャディーで、最高のスキルアップ!

キャディーとは

ゴルフにおけるキャディー (caddie) とは、プレーヤーのバッグやクラブを運んだり、プレーヤーにコース情報や助言を与えたり、またプレーヤーの士気を鼓舞する役割も果たします。ゴルフ規則では、「規則にしたがってプレーヤーを助ける人」と定義されています。

欧米のキャディーは、通常ゴルフ場の従業員ではなく、独立した自営業者の類であり、ゴルフクラブなどから特段の報酬は受けていません。一部のゴルフ場では、ゴルフ場の責任でキャディーを用意していますが、ゴルフ場からキャディーへ報酬が支払われることはほとんどありません。プレーヤーとキャディーとの契約となり、プレーヤーから直接キャディーにフィー(賃金)が支払われます。
セント・アンドルーズのキャディー
特にヨーロッパでは、ほとんどのゴルフクラブがキャディーを用意しておらず、また乗り物のゴルフカートもありませんので、アマチュアのゴルファーは自分でバッグを運ぶのが普通となっています。

日本では、競技プロゴルファーと帯同する、ヨーロッパと同様に独立自営であるプロキャディーとは別に、ゴルフ場で一般のゴルファーのために働くキャディーをハウスキャディーと呼んでいます。
ハウスキャディーは、各ゴルフ場が正規、非正規問わず直接雇用する場合が多いのですが、現在ではキャディー業務の請負業者が、契約ゴルフ場へキャディーを派遣している場合も多くなっています。

キャディーになるためには、ある程度ゴルフに関する知識が求められますが、一般のゴルフ場などでは、ゴルフの経験を問わず、学生や主婦などがハウスキャディーとして従事しています。

プロゴルファーと契約してそのプロ選手の専属として働くプロキャディーとなるためには、ゴルフに関する専門的な知識や技能も必要となります。プロキャディーとなるための必要な資格は特にありません。しかしプロキャディーとなるためには、かなりの実力者として認められる必要があります。
ゴルフが好きである事はもちろんですが、重いゴルフバッグを抱えてコースを回るのは、かなり肉体的にもハードな業務です。健康で体力に自信のある人に適正があります。
プロキャディーとハウスキャディー
ハウスキャディーもプロキャディーも、キャディバックを運び、ボールの行方を見て、コースのアドバイスをするという意味では同一の業務ですが、契約プロゴルファー1人の勝利のために共闘するプロキャディーと、お客様としてゴルファー4人を接客するハウスキャディーとでは全く違う職種といえます。

キャディーの歴史

キャディーの歴史は古く、約450年も遡ります。日本では、武田信玄と上杉謙信が川中島で戦っていた戦国時代の頃です。
キャディー(Caddie)の語源は、通説ではフランス語の“Cadet”がスコットランドで転訛(発音が訛って変わること)したものと言われています。

1561年、世界で初めての女性ゴルファーとして知られるスコットランド女王のメアリー・スチュアートがフランスから12年ぶりに帰国したときに、フランス貴族の若い子弟(Cadet)を多数小姓または近習として連れてきたのが、その後次第にスコットランドで使い走り(メッセンジャー)や運搬人(ポーター)という意味に使われ、それがついにゴルフでクラブを運ぶ者の専用語になったということです。
昔のキャディー
“caddie” ないし“cadie” と綴るキャディーが初めて英語に現れたのは1634年と言われ、18世紀のスコットランドでは、誰であれ、荷物を運ぶために雇われた者を「キャディー」と称するようになっていました。

次にキャディーという用語がゴルフ規則に載ったのは1775年で、次のように書かれていました。
「もしボールが、相手またはキャディーによって止められた場合は、相手はそのホールを失う。またもしボールが自分のキャディーに当たったときは、そのプレーヤーがそのホールを失う」
当時はすべてマッチプレーで行われていました。現在同様、プレーヤーとそのキャディーを一体と見なす精神は、すでにこの時には定められていたということです。

日本のキャディー事情の変遷

1901年にイギリス人グルームさんによって神戸ゴルフ倶楽部がつくられたところから日本のゴルフが始まりましたが、キャディーに関しては、欧米とは全く別の日本のゴルフ文化と言えるでしょう。

その神戸ゴルフ倶楽部ではオープン当時から、「玉ひろい」と呼ばれていた六甲山麓の村の少年たちが日本のハウスキャディーの始まりです。
日本の子供キャディー
それ以後、次々にゴルフ場が建設されていき、上流階級の社交的スポーツとして受け入れられるとともに、各ゴルフ場の近隣村の子供や女性によるキャディーが増えていきました。
第2次大戦後、ゴルフブームでゴルフが広まるとともに、キャディーのニーズが増し、各ゴルフ場で100人以上のキャディーを雇用するようになっていきました。そのような状況ですからキャディーの質が問われることもなく、当時は対応が横柄なキャディーも多かったと聞きます。

その状況は、バブル経済の終焉、そして同時に生まれた4、5人乗りゴルフカートの登場とともに一変します。
バブルの終焉とともにゴルフ人口が急激に減少し、それまで人でごったがえしていたゴルフ場が閑散となり、ゴルフ場では集客のためにプレーフィーの大幅下落を招いていきます。また4人、5人乗りゴルフカートの登場により、キャディーを必要とせずにセルフプレーでプレーできるようになりました。キャディーは経費削減の矢面にさらされました。
あっという間に全国的にセルフプレーのゴルフ場が増えていきました。

それでもゴルフというゲームが持つ特性上、企業による利用が減少したとはいえ、取引先コンペや接待プレーなどでのキャディーへの要望は少なからずあります。
ですから、多くのゴルフ場では完全にキャディー付きをなくすということはできず、キャディー付きとセルフのどちらでも選べる選択制とするようになりました。

(ハウス)キャディーは、最高難度の接客業務

ゴルフ場としてもハウスキャディー制を維持していく以上、キャディーに対して、今まで以上の接客レベルが要求されるようになりました。
それが「おもてなしの心」です。

良いキャディーは、ゴルフ・コースの難関や障害を承知しており、最善の戦略を立てることができます。こうした知識の中には、コースの長さ、ピンの位置、クラブの選択などすべてが含まれます。これらのアドバイスに加え、クラブの受け渡し、ゴルフカートの移動、ボールの行方を見るなどという従来の接客業務に加え、「おもてなしの心」が要求されるようになりました。

お客様との適切な会話、お客様のボールを常時キレイに拭く、常にお客様のゴルフ道具を美しく保つこと、そしてその他それぞれのお客様の要望に応える「おもてなしの心」が必要となりました。

お客様がキャディーに対して求めているものは、必ずしも皆同じではなく、また状況によっても変わってくるものなので、常にアンテナを張り巡らせていなければなりません。
それぞれのお客様の要求に答えていきながら、全員がプレーに集中できる良い環境を作り出していくことが大切であり、それが求められている「おもてなしの心」となるのです。

キャディーは、これらの業務を同時に4人までのお客様を18ホール約6時間に渡って遂行していきます。

このような接客業は他にあるでしょうか?
「体力」はもちろん、周囲への「観察力」と瞬時に見極める「状況把握力」、他にめいわくを掛けないように「規律性」を重視し、適切なプレーペースをつくるためにお客様を導いていく「主体性」や「実行力」、そしてあらゆる世代や違う環境の人たちを長時間に渡って楽しませるという「コミュニケーション力」、これらの能力を全て兼ね備えた業務がキャディー業務と考えています。

「キャディー」業務は学生にとって最高の社会経験

日本全国には、ゴルフ部や研修生の他にもゴルフに縁のない一般学生も含め、「学生アルバイトキャディー」が数多くいます。
学生にとってみれば、これ以上とない社会体験であることに間違いありません。

キャディーをしていると、学生のあいだに、あらゆる企業の代表者や重役と接する機会を数多く持つことができます。それまでの近い年齢同士の「横の関係」から世代を越えた「縦の関係」の第一歩を踏むことになります。それもいきなり社会の中で重い責務を持った方々とコミュニケーションを取っていくことになるのです。
そしてこれらの方々が自分に何を期待しているのか、何を求めているのかを感じて、それを実行していく能力を身に付けるわけです。

たしかに学生がキャディーとしてお客様に受け入れられるのは容易ではありません。
学生とはいえ、ベテランキャディーと同額のキャディーフィーをお客様は支払っているのです。そのためにもプロとして、経験の別なく同様のサービスが求められて当然です。
学生キャディー
最初は単なる“高給アルバイト”としてゴルフ場に飛び込んできます。
研修中、様々なことを短期間で詰め込まれるうちに「やっぱ、ムリ!」と言って辞めていく学生は数多くいます。その中でキャディーを「楽しい!」と感じてくれる学生は、そのほとんどが卒業まで業務を全うしてくれます。

学生は限られた時間の中で、これらのスキルを身に付けていくことになります。当然、スキルの中でも得手不得手が出てきます。そうすると、キャディーは自分自身で素直に短所を認め公表し、より長所を伸ばす努力をするようになります。そうすることによってお客様に喜ばれるということが、日々の経験により理解できるからです。けっして背伸びはしません。
「分からないことは分からない」と言い、「自分に出来ることを精一杯実行する」ということを自然に学んでいくのです。

学生を卒業して社会に入ったとき、こうした数多くのコミュニケーション体験も含め、すでにキャディー業務を通じて、これらのスキルや考え方が備わっていると考えると“社会人即戦力”といっても過言ではありません。

ゴルファーの皆様、ぜひキャディーを応援してください。
初心者ゴルファーの方もぜひキャディー付きでのプレーから始めてください。必ずプレーに集中し楽しめるようなパートナーとなります。

日本のゴルフ文化となった「キャディー」という存在が、これからの日本ゴルフの発展、そして日本社会の発展に寄与できる存在となることを願っています。

ゴルフ規則で定められたキャディーとは

規則に従ってプレーヤーを助ける人をいい、「助ける」にはプレー中にプレーヤーのクラブを運んだりクラブを扱ったりすることを含む。
1人のキャディーが複数のプレーヤーによって雇われている場合、そのキャディーを共用しているプレーヤーの球(またはそのプレーヤーのパートナーの球)が関連しているときは常にそのプレーヤーのキャディーと見なされ、そのキャディーの持ち運んでいる携帯品はすべてそのプレーヤーの携帯品とみなされる。ただし、そのキャディーがそのキャディーを共用している他のプレーヤー(または他のプレーヤーのパートナー)の特定の指示にしたがって行動していたときは、例外として、指示を与えたプレーヤーのキャディーとして扱われる。

■参考文献
「偉大なるゴルフ」摂津茂和著:ベースボールマガジンン社
*******************************
Facebookにおいて具体的なマナーやルールの事例を写真付きで毎日更新中!
ぜひご覧ください。
「今からでも遅くないゴルフマナー&ルール」
*******************************
ディボット・スティック専用サイトはこちら
アマゾン・ショップはこちら
*******************************
新有馬開発株式会社/有馬カンツリー倶楽部
〒669-1334 兵庫県三田市中内神南山841
TEL:079-565-2111 FAX:079-565-2121
URL:http://www.arimacc.jp/
*******************************

この記事を書いたプロ

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部) [ホームページ]

マナー講師 谷光高

兵庫県三田市中内神南山841 [地図]
TEL:079-565-2111

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

9

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
セミナー・イベント
DIVOT STICK
現在、全15色

■■ボールマーク修復具&ティー『ディボット・スティック』■■2013年10月、ゴルフマナーの基本「ボールマーク修復」のための新しい修復ツールとして「ディボット・ス...

有馬カンツリー倶楽部
18と10

弊社が運営する「有馬カンツリー倶楽部」をご紹介させていただきます。◆立地と交通:好立地で至便性抜群➀中国自動車道・六甲北有料道路の神戸三田ICから3km(約...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
谷 光高(たに・みつたか)さん

ゴルフマナーの向上へ、3本柱を掲げて活動(1/3)

 兵庫県三田市の「有馬カンツリー倶楽部」は、1960年に創設された歴史あるゴルフ場です。大阪や神戸からのアクセスも便利で、広い打ちっ放し練習場やていねいな接客も評価され、ゴルフ誌の「人気急上昇コースランキング」では近畿エリアで3位に選ばれる...

谷光高プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

ゴルフマナーの向上に3本の柱で取り組みます

会社名 : 新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)
住所 : 兵庫県三田市中内神南山841 [地図]
TEL : 079-565-2111

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

079-565-2111

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

谷光高(たにみつたか)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

もっと多くの人が参加し、ゴルフマナーやルールを知ることが大事と思った!

初めて、ゴルフマナーやルールを知る機会となり、とても良か...

K.A
  • 20代/男性 
  • 参考になった数(1

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
ボールマークをキレイに直せますか?
イメージ

 グリーンフォークが苦手でして・・・ ボールマークの修復に必要なツールとして長年に渡って君臨してきたグリ...

[ みんなのゴルフコースを大切にするマナー ]

スロープレーの罠にはまっていませんか?
イメージ

「こんなに急いでプレーしているのに、“遅い!”って言われた!」「走っても前の組に追いつかない・・・下手だか...

[ プレー時間を守るゴルフマナー ]

なぜゴルフには、シャツの裾を入れる「タック・イン」規定があるの?
イメージ

 「タック・イン」とは? 1894年のUSGA(全米ゴルフ協会)の設立以降、アメリカ全土にゴルフが広まるにつれ、...

[ ゴルフの服装マナー ]

女子プロゴルファーが試合中に人命救助!
イメージ

ロサンゼルスタイムズにも掲載された実話です。 月曜日の予選会に参加していたメアリープロ 1988年5月16日月...

[ ゴルフの歴史やエピソード ]

グリーン上に残るゴルフシューズの傷跡から見えるもの
イメージ

 今、あなたが最も改正して欲しいルールは? 20年ほど前、アメリカのゴルフ雑誌が約5000人の読者を対象に次の...

[ 社会人に役立てて欲しい「ゴルフの効用」 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ