コラム

 公開日: 2015-12-10 

「セントアンドリュースの聖人」から ゴルフコースの自然環境

ゴルフ作家 夏坂健さんの話が大好きです。
単なる昔話ではなく、現代においても変わることがない魅力がゴルフにはあるということを教えられ、さらにそれぞれの話に登場するゴルファーの魅力が存分に伝わってきて、読んでいて楽しくなります。

そして失礼ながら、品格と魅力ある登場人物と自分自身を比べた時に、「まだまだ未熟だなぁ」と痛感させられます。

そんな話を一つ・・・。

「セントアンドリュースの聖人」ロバート・フィンリー卿

1903年からセントアンドリュースのキャプテンに就任したロバート・フィンリー卿は「セントアンドリュースの聖人」と呼ばれた人。自然に対する畏敬といつくしみの心なくしてゴルファーとはいえないという思想の持ち主でした。
セントアンドリュース
「流れる雲、移りゆく四季折々の花と生き物たちの変わらぬ営み。壮大なる環境の中にあってゴルファーは大地の起伏と戯れ、偉大なるゲームから真の己れと対峙する機会を得て成長するのが正しい姿勢というもの。常に百歩譲るべきである」
名著『ゲームの精神』の中で、卿はこのように書いているそうです。

ラフにある「あざみのお花畑」にボールが入ったら、どうする?

ある日の午後、晩夏のラフ一面咲き乱れるスコットランドの国花シッスル(あざみ)に、フィンリー卿は陶然と見惚れていました。ラベンダーほどの華やぎはないものの、短い夏の短い期間にしか咲かない小さな花は、色彩に乏しいスコットランドの風景にとって貴重なやすらぎを与えてくれるものでした。
アザミ
と、そのとき可憐な花にお構いなし、靴とクラブで花びらを蹴り散らしながらボール探しに夢中になっている一人のゴルファーがやってきました。

「あったぞ!」
叫ぶと同時に、お花畑の真ん中で早くもボールを打とうとしていました。

「ちょっと待ちたまえ!」
卿は走り寄って言いました。

「君には咲いている花が見えないのか」
「見えるとも。こいつはゴルファーにとっていまいましい限りのシッスルの花だ」

「いつから咲いていると思う?」
「そんなこと、知るものか!」

「ならば教えよう。この地にシッスルが根を下ろしたのは、ざっと1万年前。きみはいつからここに来た?」
「ええと、1時間ほど前かな」

「だったら、ここはシッスルの土地だ。きみはスコアのために、わずか1年に1か月しか咲かない貴重な花たちを殺すつもりかね?」

沈黙したゴルファーは、うなだれて思案した末に尋ねた。
「どうしたらいいと思う?」
「私なら花のために喜んで1罰打を献上、アンプレヤブル宣言をして後方にドロップするがね」

彼は、卿の言葉に従ってボールを拾い上げた。
ケチなショットのために花は殺せないと悟ったゴルファーが、こうしてまた一人増えたということです。

芝生以外は、花も雑草にしか見えていなかった私・・・

以前コースメンテナンス作業をしていた私にとって、ラフに咲くタンポポやスミレの花は除草困難な雑草としか見ることができず、話同様にいまいましい思いしか持っていませんでした。
この話を読んで、あまりにも視野が狭くなっていた自分の愚かさに気づきました。
コースメンテナンス
そんな時に神戸ゴルフ倶楽部でプレーさせていただき、さらに大きなカルチャーショックを受けました。
神戸ゴルフ倶楽部は、原則として農薬を使用しないという草地管理を行っており、六甲山の持つ草地環境が今も残っています。フェアウェイ、ラフには芝生だけでなく、一面に様々な草花が繁殖しており、それらをまるごと刈り込んでいくという体でした。
今まで見てきた日本のゴルフコースのメンテナンスではありえない・・・
「これもゴルフコースなんだ・・・」

それ以来、少しコースのメンテナンスに対して気持ちが楽になりました。
芝生だけ、それも単一の品種だけを生かす不自然な環境を無理に無理を重ねて維持していくのではなく、草花をはじめ自然な環境を保全しながらコース・クオリティーを落とさないメンテナンスしていくということを目指していきたいと思うようになりました。
神戸ゴルフ倶楽部の花
また、目の前のボールの行方だけを見るスコア至上主義より、自然や景観を慈しみ、そして楽しむ余裕を持ってプレーしているゴルファーの方が格好いいと思うのですが、みなさんはどう思いますか?

■参考文献
「ゴルフへの恋文」夏坂健:新潮社

*******************************
Facebookにおいて具体的なマナーやルールの事例を写真付きで毎日更新中!
ぜひご覧ください。
「今からでも遅くないゴルフマナー&ルール」
*******************************
『なぜ、ゴルフ場でジーパンはNGなのか? ~もう迷わない。ゴルフ場での服装選び』
amazon 電子書籍本の販売ページはこちら(kindle版)
*******************************
ディボット・スティック専用サイトはこちら
アマゾン・ショップはこちら
*******************************
新有馬開発株式会社/有馬カンツリー倶楽部
〒669-1334 兵庫県三田市中内神南山841
TEL:079-565-2111 FAX:079-565-2121
URL:http://www.arimacc.jp/
*******************************

この記事を書いたプロ

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部) [ホームページ]

マナー講師 谷光高

兵庫県三田市中内神南山841 [地図]
TEL:079-565-2111

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

4

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
セミナー・イベント
DIVOT STICK
現在、全15色

■■ボールマーク修復具&ティー『ディボット・スティック』■■2013年10月、ゴルフマナーの基本「ボールマーク修復」のための新しい修復ツールとして「ディボット・ス...

有馬カンツリー倶楽部
18と10

弊社が運営する「有馬カンツリー倶楽部」をご紹介させていただきます。◆立地と交通:好立地で至便性抜群➀中国自動車道・六甲北有料道路の神戸三田ICから3km(約...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
谷 光高(たに・みつたか)さん

まずはゴルフの楽しさを体感してほしい(1/3)

 兵庫県三田市の「有馬カンツリー倶楽部」は、1960年創設の歴史あるゴルフ場です。大阪や神戸からも近く、行き届いたコース管理や充実した練習場、丁寧な接客が評価されてきました。専属プロ及び倶楽部理事として、一時代を築き上げた大迫たつ子プロを迎...

谷光高プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

マナー向上に取り組みながら初心者がゴルフ好きになるよう活動

会社名 : 新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)
住所 : 兵庫県三田市中内神南山841 [地図]
TEL : 079-565-2111

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

079-565-2111

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

谷光高(たにみつたか)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

知っていると思っていたのに、実は間違っていることが多かった!

マナーやルールは自分が知っていることとは大きく違い、間違...

T.T
  • 30代/男性 
  • 参考になった数(1

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
学生が「自分のスキルアップにゴルフが有用!」と考える理由。
イメージ

 大学のゴルフ授業は人気! 多くの大学の体育授業に「ゴルフ」が取り入れられています。それも施設が充実し...

[ 社会人に役立てて欲しい「ゴルフの効用」 ]

洗濯おけと洗濯物を保護するゴルフ規則
イメージ

 コース内に広げて干していた洗濯物 その昔、セント・アンドルーズの町の主婦や娘さんたちは、コースを横切る...

[ ゴルフの歴史やエピソード ]

ボールマークをキレイに直せますか?
イメージ

 グリーンフォークが苦手でして・・・ ボールマークの修復に必要なツールとして長年に渡って君臨してきたグリ...

[ みんなのゴルフコースを大切にするマナー ]

スロープレーの罠にはまっていませんか?
イメージ

「こんなに急いでプレーしているのに、“遅い!”って言われた!」「走っても前の組に追いつかない・・・下手だか...

[ プレー時間を守るゴルフマナー ]

グリーン上に残るゴルフシューズの傷跡から見えるもの
イメージ

 今、あなたが最も改正して欲しいルールは? 20年ほど前、アメリカのゴルフ雑誌が約5000人の読者を対象に次の...

[ 社会人に役立てて欲しい「ゴルフの効用」 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ