コラム

 公開日: 2016-01-16 

ゴルフクラブの「14本制限」にまつわる3つの説

今から100年以上前。
1900年代になると流行り始めたゴルフ道具を輸入していたアメリカでは、スポルディングやウィルソン、マクレガーといったスポーツ用品メーカーがゴルフ部門に参入し、大量かつ多種のゴルフクラブがつくられるようになりました。
パーシモン(柿)がウッドクラブのヘッドは、1899年にマクレガーが初めてつくったものからはじまります。
またクラブセットの販売は、スポルディング社の7本から成るアイアンセットを売り出した1926年が最初です。

「14本制限」がはじめて規則で定められたのは1939年

いつの世でもゴルファーは、ボールをまっすぐ遠くまで飛ばしたいし、林やブッシュのなかから見事なリカバリーショットを打ちたいと願っています。次々に襲われるトラブルに対して、プレーヤーはそのトラブル・ショットに相応しいクラブが欲しいと思っています。

当時は、特注品であれ、既製品であれ、必要だと思われるクラブをどんどん買い集め、ついには20本以上のゴルフクラブを樽一杯に詰め込んでキャディーに運ばせるゴルファーまで現れたそうです。
クラブ本数制限オーバー
現在、規則4-4に記載されているように、ラウンドで使えるゴルフクラブの本数が14本に制限されていることは、多くのゴルファーがご存じのことだと思います。
14本ルールが初めて規則として規定されたのは1939年のことです。

“The Clubs used by a player during a round shall not exceed fourteen, and the Clubs carried shall be restricted to that number.”

ところで、この「14」という本数はどのようにして決められたのでしょうか?
この本数制限が決まった経緯を調べてみました。
すると、一つではなく複数の説が存在していました。それぞれ紹介したいと思います。

① R&Aへキャディーの直訴要因説

1800年初頭まで本数には制限がなかった。1859年の全英アマに出場したジラードという選手が2台のリヤカーに樽を載せ、その中に55本のクラブを入れて試合に臨んだ。
リヤカー
驚いたのはキャディー。
第一に、運ぶのに骨が折れた。第二に、55本もあるのでクラブ選択に時間がかかった。
キャディーはゴルフ界のルールを決定するR&Aに直訴した。

早速、理事会が開かれ「クラブの本数は1ダース プラス パター1本の合計13本とする」ということで理事全員の一致を見たが一人が異論を述べた。
「ゴルファーは縁起を担ぐ。13という数字は不吉な数であり、一本増やして14本としたらどうだろう」
この意見に反対する者はいなかった。
このとき以来、ゴルフトーナメントは14本で争われることになった・・・という説。

ただし、当時の規則にはクラブ本数の規定は定められていません。

② 1936年カーティス・カップ原因説

全米ゴルフ協会(USGA)とR&Aの共催で隔年に行われている米英女子アマチーム対抗戦カーティス・カップ(Curtis Cup)。1936年はスコットランドのグレンイーグルズのキングスコースで行われた。
カーティスカップ
そこに参加したあるアメリカの女子プレーヤーは、大きなゴルフバッグに2ダース(23本)ものクラブを持ちこんでプレーした。
試合後のプレスインタビューに彼女は答えた。
「ええ、私23本のクラブをキャディーに持たせたわ。だって私このすべてのクラブが必要だったのよ。」

これを聞いたUSGAのゴルフ規則委員長ロバート・ハイスは、ただちにUSGA会長のジョン・ジャクソンに対し、「こんなことを許してはスロープレーを招くし、私用クラブの本数を制限すべきだ」と問題提起した。
ジャクソンは早速R&Aに相談したところ、英国の反応は一言、「その必要なし」だった。

USGAは翌年早々に規則委員会を開いて翌1938年から使用クラブの本数を14本以下と決定。その間もR&Aを説得し、ついに1939年にR&AとUSGAの同意のもとに統一ルールとして現行規則同様にクラブの本数は14本が限度となった・・・という説。

なぜ「14本」が出てきたのかは分かりません。

③ 球聖ボビー・ジョーンズの直感説

1934年と翌1935年、全英&全米アマを連続制覇したローソン・リトルは31本のクラブを使っていた。それに対しイギリス人キャディーが「重すぎる」とクレーム。
これが本数制限の起爆剤となって、1938年にUSGA、1939年にR&Aが「ゴルフの使用クラブは14本まで」と規定し、現在に至っている。

「なぜ14本?」については、ゴルフコース世界ランキングの首位に君臨し続けているアメリカ パインバレーゴルフクラブで1936年にウォーカー・カップが開催された。
ウォーカー・カップ(Walker Cup)は、R&AとUSGAが共催する男子アマチュアゴルフの英米対抗戦。その折、球聖ボビー・ジョーンズとイギリス代表のトニー・トーランスがクラブの本数制限について、駐車場のロールスロイス車中で会話を交わしていた。
パインバレーGCとジョーンズ
トーランスがジョーンズに「グランドスラムの時、何本使っていたか」と質問すると、答えは「16本」だった。同じジョーンズの問いに、トーランスは「12本以上は使ったことがない」。

ここでジョーンズは、「中間をとって14本が妥当だろう」と意見を述べた。この後トーランスは、R&Aルール委員長ロバート・ハリスにジョーンズのこの意見を伝え、これが規則へと発展したのである・・・という説。

以上、3つの説が出てきました。
①は年代が違いますが、②と③につきましては、同時期の説でもあり、男女の違いはあれ、米英対抗戦でのエピソードとなっています。
どちらが正解かはわかりませんが、本数制限に関しては当時のゴルフ界において、とても大きな問題となっていたようですね。

◆参考文献&サイト
http://www.obpen.com/eight_hundred/20110104_01.html
「世界ゴルフ見聞録」大塚和徳著:日本経済新聞出版社
「ゴルフの歴史」石川洽行著:(株)MCR

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