コラム

2015-08-15

道路面よりも敷地地盤が高い場合に有効な掘り込み式ガレージ

よく郊外の住宅街で見かける「掘り込み式ガレージ」について考えてみます。
掘り込み式ガレージとは、、、
道路に立って敷地を見た時に、敷地地盤面の方が高くて
その地面の中に埋め込まれたガレージのことを指します。

1 敷地の高低差をうまく活用する方法

道路面よりも敷地地盤が高い場合、敷地の特徴をうまく活用する方法として
「掘り込みガレージ」があります。道路から見て斜面地で高くなっていても、
ヨウ壁があって高くなっていても、掘り込みガレージを造ることができます。
たとえば、床から天井までの高さが2m20㎝。コンクリートの厚みが20~30㎝くらい。
シャッターを付ける場合は、それを巻き込むシャッターボックスの高さも
検討しておく必要があります。今までの経験ではガレージ上部の利用方法にもよりますが、
道路と敷地の高低差は3m弱くらいあるのが理想ですが、
道路と敷地の高低差が2mくらいあれば、工夫しだいで
掘り込みガレージは可能だと思ってください。

2 掘り込みガレージのメリット・デメリット

メリット
・掘り込みガレージの上を庭として利用すれば、土地を有効に活用できます。
・構造強度が確保されていれば、建物をのせることも可能です。
・車庫は屋根付きになります。シャッターを付けるとビルトインガレージです。
デメリット
・外階段を上がらないと建物に入れません。重い買い物や洗車をするなどのたびに
 階段の上り下りをすることになります。
・もう一台車庫を増やしたい。と思っても容易に増やすことができません。
・雨が降った後など地中に水が含まれた場合、コンクリートの壁から
 水がにじみ出てきたり、常に湿気ていたりする可能性があります。

3 掘り込みガレージ付きの宅地をこれから買われる方が確認しておきたいこと。

・新しく造成された宅地が掘り込みガレージ付きの場合。
都市計画法に基づく開発許可と検査済証や宅地造成法に基づく許可と検査済
(代表的な許可を2つ紹介。他にもあります。)など、許可を取っていることを確認ください。
合わせて、掘り込みガレージの構造強度について、木造2階建て程度の
荷重を想定しているケースも多いので確認して下さい。
質問は、宅地販売店や開発業者さんにしてください。
・既存の掘り込みガレージのある宅地の購入をお考えの方。
コンクリートの劣化の状況や、漏水や湿気を見ると共に、
構造強度や許認可関係についても確認が必要です。
ご自身で判断が付かない時は、建築の専門家にご相談されることをおススメします。

4 掘り込みガレージの建ぺい率の扱い。

ちょっと専門的になりますが、建築の法規制を通して掘り込みガレージを見てみます。
①宅地を造成した時に掘り込みガレージを造り、敷地内の構造物として扱う場合。
②建築物の扱いになり、地下階になる場合。
③建築物の扱いになり、地上階になる場合。
この3通りが考えられます。

①は、ヨウ壁や外階段と同様に敷地の構造物ですから、構造上の安全を確保しながらも
建築物ではないので、階数や建築面積に算入されないと思います。
②は、建築物で地下階になる場合です。まず、平均地盤を計算し
地下階になるか地上階になるかを検討します。建築面積に算入されないほか、
壁面後退(敷地境界から外壁までの有効あき寸法)が決められた区域では、
地上階の壁面が関係してきます。地区計画や建築協定などで
2階建てまでしか建てられない地域では、地下車庫地上2階建ての住宅を
考えていたのに、平均地盤の算定で地下車庫が地上階になると、3階建てになるので
計画のまま建たないことになってしまいます。
③地上階の扱いになる場合は、②で書いた制限が出てくるほか、
3階建ての扱いになると建築基準法の規制が多くなりますので、
2階建ての時とは思いもよらないところで費用が発生しますので、
計画に時間をかけて進められた方が良いでしょう。

このように、行政により法律の解釈の仕方が少しずつ違いますし、
条例などで更に詳しく基準を決めている場合もあります。
建築の専門知識のある方に相談され、建築場所の建築審査の
担当窓口と事前に協議してもらいましょう。

5 掘り込みガレージを更に発展させた新しい発想。

最後に掘り込みガレージを更に発展させた考え方を紹介します。
地下車庫部分と地上の住宅部分を積極的に一体化する「地下車庫付き住宅」です。
たとえば、地下部分の車庫から室内階段を上がって行き来したり、
玄関も地下部分(道路面高さ)に設けて、ホームエレベーターを設置するなど、
暮らし方に幅が出てきます。地下車庫に併設してホビールームなどを
考える方も出てくるでしょう。また、ヨウ壁や掘り込みガレージを宅地造成で工事した上で、
住宅部分の基礎工事をする場合と違い、
地下ガレージ部分が、建築の基礎を兼ねるので造成工事のコストダウンを図ることもできます。


○×のように決まった答えはありませんが、敷地の形状や法規制、
住まわれる方のライフスタイル、建設コストなど、いろいろな条件を考慮しながら
一番ベストな選択が求められます。

この記事を書いたプロ

grow design(グロウデザイン) [ホームページ]

一級建築士 若井義治

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