コラム

2012-03-06

もう少し厚生年金基金とAIJ問題について



再度、AIJ投資顧問関係の問題です。

依然として、この会社の問題が大きく取り上げられています。

この会社に限らずたいていの運用機関が、その資産を大きく減らしており、「厚生年金基金」の特徴である上乗せ給付はゼロ、代行部分も大きく不足していて、加入各社は、にっちもさっちも行かない状態なのです。

政府には、これを回避するための方策を出して欲しいのです。
現行法制で選択できる方法は、限られています。

抜本的な解決は、法制度を変えなければできません。


かつて、運用成績が悪く、年金原資を大きく割り込んでしまった基金は、代行部分を国に返上しました。

これはまだ、マシな部類なのです。国に代行部分を返上するには、不足部分を穴埋めしてからでないと返上できません。

ですから、ほどほど大手は、加盟している各社が、それぞれ不足分を負担して、穴埋めしてから返上しているのです。

ところが、中小零細で作っている基金は、この穴埋めの資金すら捻出できません。つまり、返上できずにジリ貧になっているのです。
毎年毎年不足額が増え続け、それでも約束した給付はしなければならない。その原資は、毎月の掛金です。各企業の掛金負担は、底が見えないのです。


それならば、基金を脱退すればいいのですが、これが簡単には脱退出来ないのです。

脱退するためには、次の二つの条件が必要です。

① 基金の不足分を一括して支払う(一括拠出金と言います)。
② 基金の代議委員会の承認が必要。

①の一括拠出金とは、現時点で不足している原資を、穴埋めして下さいという額です。

これは加入している人、一人当たりの金額を計算をして、その会社の社員数を掛けて算出します。

たとえば、簡単な数字で説明すれば、原資が1000万円足りないとして、加入員が1000人であれば、一人当たり1万円足りないわけです。15人の企業が脱退するときは、15万円が一括拠出金ということになります。
これが実際には、一人100万円以上になるそうです。

次に②の代議員会の承認ですが、現実は、代議員会の承認が取れない事態が相次いでいます。

代議員会としては、今後増え続ける負債を、数少ない企業で負担するよりも、1社でも多くの会社で負担してもらったほうが楽なので、脱退を認めないようです。


こんな厚生年金基金は必要ですか?

AIJの問題もここに帰結すると思いますが、今後、厚生年金基金の必要性を含め、根本的に改革しないと、足りなければ税金を取ればOKなどとする、智恵のない政策では解決しません。

このままでは、「脱退できない企業」が、「払えない企業年金給付」に押しつぶされて倒産し、掛金は払ったが、年金はもらえないという人が続出するということになりそうです。

かつて、「少ない掛金で多くの年金を」と思っていた人たちが、今回発覚したように社保庁OBの口先に乗せられて、将来が閉ざされてしまいました。

どんな場面でも登場する「社保庁OB」の尻ぬぐいは、お仲間だった厚生労働省がしてくれるでしょう。
さあ、お手並み拝見といきましょう。


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このコラムは、当事務所にお問い合わせのあった案件について、多少のアレンジをして「つれづれなるままに」ご紹介するものです。皆様方の参考になればと思っています。

充分注意はしておりますが、思わぬ勘違い、書き間違い、記憶違いなどがあるかも知れません。お気づきになりましたらご一報頂ければ幸いです。

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