コラム

2012-07-13

消える年金




先日、在京のテレビ局で、キー局と言うのでしょうか、有名なテレビ局の方から、お電話を頂きました。

それは、投資顧問会社AIJの元社長が、詐欺罪か何かで、起訴されるとのことで、以前にこのコラムでAIJと年金基金の問題について書いていた私に、「今後どうなると思いますか?」というようなご質問でした。

今後どうなる、の主語がこの社長なら、「こんな社長なんか起訴しようが、死刑にしようが、どうにもならないですよ。」などと、過激な対応をしてしまいました・・・ご担当者様、すみませんでした。

でも主語が、「年金基金」であったなら、もしくは「年金の将来性」などであったなら、大変なことになりますよ、とお答えしました。
一般的には、それほど重大事とは受け取られていないようですが、まあ、現実に起こっていないのでマスコミ受けはしないようですが、・・・。


この事件は、社長のクビを締めようが、頭を叩こうが解決しないのです。そんなことは、本当にどうでもいいことなのです。


そんなことより、もっと大きな問題が残っています。
年金基金は、原資がないのに、受給者に年金を払い続けなければならないということです。

プールしてある原資がないので、基金加入企業から毎月、掛金の上乗せという形で支払われているのです。
毎月各社から集めたお金を右から左へ回しているだけなのです。

実際とは異なりますが、考え方としてごく単純な計算をしますと、ある月に退職した人が、年金で120万円もらえるとします。

そうすると毎月10万円をもらえるわけです(実際には2か月に一度20万円となりますが・・・)。
この人のために、基金加入企業は合計で毎月10万円の負担増になるわけです。


本業の仕入れや運転資金で必要な、戻って来そうなお金ではなく、まったく自社に帰ってこない掛金を払い続けなければならないのです。

それが法の規定です。

その結果、どうなるのでしょう?

現在残っている基金を構成しているのは、そのほとんどが中小・零細企業です。しかも、赤字の企業が多いのです。

赤字企業は、毎月何とかやりくりして生き延びているのです。
そこへ、基金の掛金が増えたら、どうなるのでしょうか?

掛金の払えない企業は、次々と脱落(倒産)していきます。

前にも書きましたが、基金は支払うべき年金総額が決まっています。しかも、死亡する人より退職する人の方が多いので、毎月増えています。

それを負担する企業が1社減れば、残りの企業でその分を負担するのです。そして次々と耐えられなくなって、最後には基金も倒産します。

年金は、たぶん、まったくもらえないことになります。

そして、最初のテレビ局へのお答えになります。
大変なことになりますよ・・・。

年金を貰えない老人と、仕事どころか会社がなくなってしまった若い人の行き先はどこでしょう?


でも大丈夫・・・。

厚生年金基金は、「国の特別の監督規制を受ける」(基金HPより抜粋)ので、その不始末は、国の責任である。

だから税金をもって補填する。という段取りで、多くの年金受給者を助ける一方、基金にかかわった役人である放蕩息子を無罪放免するような気がします。

なに?年金のお金がたりない?
そうだなぁ・・・消費税でも上げとくか?
埋蔵金?そんな面倒なことは止めよう、消費税を上げよう!!


消えた年金は、解決したのですか?
旧・社会保険庁の官僚とAIJの浅川社長とどちらが悪いのですか?

また、ここで年金が消えようとしています。


歳を取ったら年金で暮らせる・・・などとは幻想だったのでしょうか?
嘘だったのでしょうか?


もっと書きたいことはありますが、紙面の都合もありますので、私の個人的な、まったく個人的な意見を付け加えます。

一部の人たちの年金を守るため、まったく関係のない人のお金(税金)をつぎ込まないでもらいたい。

お金がない以上、給付はない。当然の帰結です。
基金加入員には、年金は支給できないか、あってもわずかです。

そういう結論にせざるを得ないでしょう。
基金の失敗は、その加入員が負うべきです。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
このコラムは、当事務所にお問い合わせのあった案件について、多少のアレンジをして「つれづれなるままに」ご紹介するものです。皆様方の参考になればと思っています。

充分注意はしておりますが、思わぬ勘違い、書き間違い、記憶違いなどがあるかも知れません。お気づきになりましたらご一報頂ければ幸いです。
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