コラム

2013-03-05

10年で年金がもらえる。



長らくご無沙汰をしてしまいました。

先日、建設業者の方々に来て頂き、「社会保険に加入しなければならない企業は、どんな企業か?」というような内容で、お話しをさせて頂きました。


国土交通省は、建設業界の社保未加入の率が高いので、今後は元請が下請の社員についてまでも監督して加入させなさい、という指導になってきています。


社会保険の加入については、法人経営は例外なく加入すべき義務がありますが、個人経営は雇用している人が5人以上であれば、加入しなければなりません。つまり4人の事業所は加入させなくてもいいということです。

では、この4人なり5人とはどういう人たちなのか、です。
年金事務所などの見解では、「常態として雇用されている」という言葉で表現されています。


微妙な言葉です。
建設業は、他の業種と異なり、その現場のみの「請負」のような労働形態もあります。次の現場での雇用が保証されていない人もいます。

そんな人たちも「常態として雇用されている」のか?なかなか判断に迷うような例がありそうです。

国土交通省と厚生労働省とでは、統一された基準があるのでしょうか? 国土交通省で加入すべきと判断されたが、厚生労働省の判断では加入しなくてもよい、ということにはならないのでしょうか?


それは今後の課題として、今日の話題は、年金制度の改正です。

なんと、そのセミナーの質疑応答の場で、最も関心を持たれたのは年金制度でした。


集まって頂いた経営者の方は、ほとんどが個人経営の方でした。

成り行き上、人を雇用した時にはどのような法律があるのか、という社会保険制度の概略も説明し、「年金も10年掛けたら貰えるようになった…。」と話したので、質疑応答に入って、最も関心を持たれたのは、年金制度の改正でした。

給料から保険料を天引きされているサラリーマンの方には、何の関係もないのでしょうが、建設業を自営している人たちにとっては、重大な関心事だったようです。

彼らも、若いときはサラリーマンで、勤めていた何年かは納めていたのではないかと思います。ところが経営側になるとなかなか納められずに、未納期間があるようです。

折角なら、このサラリーマン時代の納付を生かしたいと思ったようです。

また、今まで掛けてなかったが、これから10年、いやサラリーマンが5年くらいあるから、あと5年くらいなら払えるのでは…と思われたのか?



今回の改正(平成24年8月)では、大きく2本の柱が出来ました。
そしてどちらも「10年」というキーワードで表すことができます。

ごく簡単に説明をいたします。

(1) 一つ目の柱は、未納期間のうち10年間分の保険料を納付できるということ(後納制度)。

(2) もう一つの柱は、今まで25年間の保険料納付が必要だったのが、10年間の納付で受給権が得られるようになったこと(平成27年10月以降)。


最初の後納制度は、今まで時効があって2年間に限られていた後納(過去の未納分を納めること)が、10年間に延長されたということです。

これによって、例えば45歳の人が、今まで未納であっても、過去の10年間分(35歳から)を納めることが出来るようになったのです。

その結果この人は、これから60歳までの15年間もきちんと納めれば、合計25年になって、受給権が得られるというわけです。


二つ目の柱の「10年分の納付で受給権が得られる」というのは、この例で説明すると、今までは45歳の人が60歳まで納めても15年しかないので受給権は得られなかったところ、今から納めれば55歳で10年の納付になるので、受給権が得られるということになったのです。

とは言うものの、55歳から払わなくてもいいと言うわけではありません。60歳までは払わなくてはいけませんが…。

また、55歳から年金を貰えるという訳でもありません。支給開始は原則65歳からです。

ついでに、満額を貰える訳でもありません。国民年金は、20歳から60歳までの40年間納めて満額の支給です。


ですから、今までの25年が必要な時でも、25年納付なら40分の25しか貰えなかった訳です。32年納付なら40分の32、24年納付ならゼロ(年金としては)だったのです。

つまり、10年ならまったく貰えなかったところ、今度の改正で、貰えるようにはなった、しかし金額は40分の10ですよ。ということです。
ですから、さっきの45歳の人は、これから60歳まで払えば、15年納付になって、40分の15は貰えますよ。
もしくは、もう5年待って(未納?)、50歳から10年間払えば、最低限のものはもらえるようになったということです。



わかりにくくてすみません。

上の(1)と(2)は、次のような関係です。

今までずっと未納だった人が、これから10年分を納めることが出来(1)、これを納めることによって、いきなり受給権を得る(2)ことになります。


過去の保険料には、利息のようなものがつきます。当時より少し多く払う必要があります。
雑な計算ですが、年間およそ18万円くらいになりそうです。10年分払うとすると約180万円くらいでしょうか。


これによって増える年金額、または新たにもらえるようになる年金額は、一年につき19,656円くらいだそうです。
10年分納めると年額で196,560円くらい増えます。

それを10年(65歳から75歳まで)もらえば、196万円ですから、元が取れる計算です。

さあどうします?


詳しくは、日本年金機構のホームページへ
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=6221



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充分注意はしておりますが、思わぬ勘違い、書き間違い、記憶違いなどがあるかも知れません。お気づきになりましたらご一報頂ければ幸いです。

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