原島敏郎

はらしまとしろう

有限会社 原島マネジメント研究所

[ 大阪市北区 ]

コラム

2015-05-31

合併会社でチームをまとめる

合併で一つになれないチーム

 私のクライアントさんの話です。3社合併でできた新しい会社で、彼は6県をカバーするある支店で1県を担当するエリアマネジャーをしています。部下は9名。新会社の方針でできるだけ3社均等人数で組織を作るということで、3名ずつが同じ出身会社でした。そこで違う出身会社の部下同士の情報交流に課題をもっていました。
 マネジャーの自分より年下の部下たちはあまり出身会社にこだわらず、目標に向かって協力的に取り組んでくれているが、自分より年上の部下たちの連携ができていない。3社の出身会社から年上の部下が1名ずついる。マネジャーと同じ会社出身者はもとから気心がよく知れているので協力的に動いてくれるが、後の2名の年上の部下はマネジャーと当り障りのない会話はするが腹を割って話はしない。また課の方針に真剣に取り組んでいるように見えないし、互いに他の会社出身者には協力的ではない。

チームビルディング・ミーティングの実施

 そこで「お互いが理解しあえるように、今までの担当先とそこでうまくいった活動体験をみんなで共有しあいましょう」と呼びかけた。「チームビルディング・ミーティング」と名付け、進め方とルールを決めた。①全員が15分程度で発表する。②一人の人の発表の後に、質問がある人は遠慮なくする。③発表者のいいところ、強みと思うところ、大切にしていると思うところなどを全員が一人ずつ述べる。④その際、会社によって“取り組み方”、“大切にしているコト(価値観)”が違うので、決して相手を批判したり否定したりしない。⑤批判する気持ちを持たず、学ぶところを探す姿勢を持つ。という5つを徹底してスタートした。
 マネジャー自分も含めて10名いるので、1人15分の発表のあとに質疑応答して1人ずつコメントしていくので、1人あたり40分から45分かかった。出身会社関係なしに若手から順番に発表。午後の時間を使って2日間にわけて実施したそうです。
 若手から順番に発表してもらったのも仕掛けがあります。若手が成功体験を話しても、周りが決して批判しない。たとえ少しでも批判的なコメントがあるとマネジャーが注意して「肯定的な表現でお願いします」「強みに焦点を当ててください」という。発表者に対するマネジャーのコメントは、強みにフォーカスしている。するとみんなの表現がドンドン肯定的表現になっていく。
 1日目が終わってから雑談していると、2日目に発表するベテラン3名は「成功体験などない」、「自慢話ととられるのがいや」という気持ちになっていることを感じた。年上の部下3名に「是非、若手のために体験を教えてあげてほしい」とお願いをしたら、みんな「わかりました」といってくれ、翌日素晴らしい体験を披露してくれたそうです。全員が紹介し終わると、チーム全体の雰囲気が和んでいるように感じたそうです。

毎月のチームビルディング・ミーティング

 マネジャーは、これは続ける必要があると思い、月初めの会議の一部に「チームビルディング・ミーティング」を行った。過去の成功体験はもうすでに紹介しているので、そこでは「先月に行った主だった活動」を全員発表することにした。そこでも批判はしない、肯定的な視点で認め合うことを徹底した。数か月後のミーティングで、ベテラン社員の一人が「家内が調子悪くて、先月は病院に連れて行ったり、看病していたりしていたので、予定通りの活動が出来なかった。回復するのにもう少しかかるようなので、今月の行動予定はいつもより少な目ですが、計画は達成します」と発言していた。
 数日後、その社員が遅くまでチームの活動状況を集計していると、日頃会話をまったく交わさず、あまりいい関係ではないもう一人のベテラン社員が声をかけた。「あんた、奥さん調子悪いんやろ。俺代わりにやっとくから、はよ帰り」。声をかけられたベテラン社員は、声を詰まらせ「えっ。ええんか?ありがとう」といって、彼に仕事を任せて帰って行った。若手社員たちは、初め何が起こったのかとびっくりしたような顔をしていたが、状況がわかるとみんな嬉しそうに二人の会話を見ていた。それからは、ベテラン社員同士は徐々にお互い情報交換も協力もするようになったそうです。
 そのマネジャーは毎月の「チームビルディング・ミーティング」を継続していました。毎年4月に定期異動があってメンバーが少し変わるので、4月には必ず「お互いが理解しあえるように、今までの担当先とそこでうまくいった活動体験をみんなで共有しあう」ことを続けていることでチームはしっかりまとまっているようです。

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