コラム

 公開日: 2013-05-23  最終更新日: 2015-04-05

給料ではモチベーションは上がらない

いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。


これまで、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨てた
逆発想の人事制度の3つのポイントをお伝えしました。

1.等級制度をなくす

2.評価と給与を分離する

3.キャリア開発制度を中心に据える


前回は、逆発想の人事制度の1つ目のポイントの「等級制度」に
ついて扱いました。

今回は、2つ目のポイントである「評価と給与の分離」について
お伝えしていきます。


人事制度理論の歴史を簡単に言うと、

  いかにして納得性の高い処遇(特に給与)を実現するか

を追求してきたと言えます。


そして、納得性の高い処遇を実現するためには
社員を“正しく”点数化する必要があり、

“正しい”点数化を実現するために
「職能」や「職務」「コンピテンシー」「役割」「責任」「成果」
などのざまざまな評価基準が生まれてきました。

人事制度の大前提には、
処遇(給与)というインセンティブによって社員のモチベーションが
上がり、パフォーマンスも向上するという考え方があります。


しかし、それが「幻想」であることは、お伝えしてきた通りです。


大きな理由は、

(1)人を評価することの限界、(2)金銭的報酬の限界、です。


1番目の「人を評価することの限界」については
前回でもお伝えしたので割愛しますが、

誤解のないように付け加えると、

人を評価して点数化することは不可能ですが、
かといって「社員を評価しなくても良い」ということではありません。

人が成長するためには、
他者からの評価を真摯に受け止めることが必要不可欠です。

社員の「成長」を目的とした評価は必要ですが、
「給与」を決めるために評価を行なうことが問題なのです。

これについては、次回にも扱います。


2番目の「金銭的報酬の限界」は、3つのポイントがあります。

1つ目のポイントは、
金銭的報酬で社員のモチベーションを上げようとすると、
お金が仕事の目的になってしまうことです。

仕事の目的というのは、
「仕事を通じて人の役に立つ」「仕事を通じて自己成長する」と
いうことです。

この本来の目的に沿えば、より高い目標にチャレンジすることは
当然のことです。

そうでなければ、自己を成長させることも、人に貢献することも
出来ないからです。

しかし、評価結果が金銭的報酬に連動した瞬間、
多くの社員は「お金」が働く目的になってしまいます。

少しでも評価結果の「見栄え」を良くして、
より多くの金銭的報酬を得ようとします。

つまり、低い目標を設定することで目標達成率を高く見せたり、
新しいことや難しいことにチャレンジするのではなく、
無難に業務をこなそうとします。

これは会社にとってマイナスであるだけでなく、
社員自身の人生にとってもマイナスです。

短期的には楽かも知れませんが、
長期的に見ると「使えない」人材になってしまうので、
生きがいにあふれる職業人生を歩むことができなくなってしまいます。


2つ目のポイントは、
金銭的報酬にはアルコールや薬物などの依存症に似た性質があり、
より強い刺激がなければ禁断症状(ここでは給与への不満)が
起こってしまうことです。

例えば、月給20万円の社員が昇給して21万円になったとしても、
その喜びが持続するのはせいぜい2~3か月です。

すぐに月給21万円が「当たり前」となってしまいます。

金銭的報酬で社員のモチベーション(私から言わせれば本当の
モチベーションではありませんが)を上げ続けようとすることは
不可能なのです。


3つ目のポイントは2つ目の延長ですが、
金銭的報酬で社員のモチベーションを維持しようとすると、
企業業績とは関係なく人件費が膨張するということです。

かつての高度経済成長期であれば話は別ですが、
現在は現状を維持するだけでも大変な時代ですから、
金銭的報酬でモチベーションを維持するのは困難と言ってよいでしょう。


では、どうすれば良いのか?答えは簡単です。


金銭的報酬でモチベーションを上げるという幻想を捨て、
評価と金銭的報酬(給与)を切り離せば良いのです。

評価と給与を分離するという設計コンセプトは、
これまでの人事制度の歴史から見ると逆の発想です。

しかし、時代が大きく変わろうとする中で、
今までの常識を捨て去る勇気を持つことが大切だと、私は思います。


いよいよ、評価と給与が分離した人事制度の概要をお伝えしていきますが、
今回はかなり長くなりましたので、次回以降で提案していきます。


        生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔

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