コラム

2011-04-12

 尋常性乾癬の症状と治療法について ①②③

尋常性乾癬 ①

私自身が尋常性乾癬でした

 この皮膚病はホントに大変だったのですが、恩師、山本巌先生に教えていただいた漢方処方の
 3年間の治療によって、私の尋常性乾癬は、ほぼ完治して10年になります。

 おかげで身をもって乾癬について
 その原因、西洋医学治療や病態生理そして漢方薬治療を研究、実践できました。

 皮膚病の中でも乾癬は、現在の医学では、生涯続く(治らない)ものとして、対症療法が主体です。


尋常性乾癬の皮膚症状

 ・尋常性乾癬は、境界の鮮明な大小様々な紅斑を多数作ります。

 ・紅斑の上に「銀白色」の鱗屑(りんせつ)ができます。

 ・尋常性乾癬の大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を作ることもあります。

 ・乾癬の発赤は乾燥し、水疱は持っていません。

 ・乾癬の発疹は、全身のどこにでも出ますが、髪際部、肘、膝、腰まわりなどのこすれる場所に出やすい。

 ・乾癬のかゆみは約50%の患者さんにみられます

 皮膚病の乾癬は、人にうつる心配はなく、内臓を侵すこともありません。

西洋医学は対症療法

 尋常性乾癬の外用治療     副腎皮質ホルモン、V.Dなど。

 尋常性乾癬の光線薬物治療     ソラレンとブラックライト併用によるPUVA治療。

 また、この数年は、どんどん強いクスリを投与する傾向があって恐い気がします。

乾癬の種類

 乾癬は、発疹の広がり方によって様々な種類に分けています。

 ・乾癬性紅皮症
    発赤や紅斑が全身に広がっていくもの。続発性紅皮症ともいわれます。

 ・関節症性乾癬
    手足の関節が腫脹するなどの関節障害を伴うもの。

 ・膿庖性乾癬
    無菌性の膿疱を併発し高熱とともに全身症状の伴うもの。

 ・滴状乾癬

 ・爪乾癬

乾癬の原因

 欧米人では昔から、乾癬は圧倒的に多く、皮膚病の入院患者の30%ほどを占めます。
 
 日本では、30年前にはほとんどいなかった尋常性乾癬の人が
 近年、急激に増加した理由は、食生活の欧米化に関係すると考えられます。

 すなわち、肉食、ファーストフードを主とする油物、お菓子、
 自動販売機の砂糖たっぷりの飲み物、甘い果物などです。

 尋常性乾癬は、これらの摂取過剰による栄養の処理しきれない代謝産物を
 皮膚から排出している皮膚病、と私は思います。  皮膚も排泄器官の一つなのですから。
 
 たとえば、都会で処理しきれなくなってしまったたゴミを、
 無断で近隣の県に捨ててしまっているようなものです。
 
 乾癬の治療には漢方治療や局所治療だけでなく、
 肉類などのタンパク質、脂質、甘いものや、果物の摂取を制限することが大切です。

 乾癬は、紅斑の上に表皮細胞の増殖、角化異常などが特徴として見られる皮膚疾患です。
 
 通常、2~4週間の皮膚のターンオーバータイムが、
 乾癬では3~4日に短縮し、角層が大量に出来て白い粉がふきます。

 尋常性乾癬では、表皮から、過剰に合成して落屑として捨てなければならない病態になっていて、
 そのためターンオーバーを亢進させているのかもしれません。

 次回は尋常性乾癬の病態生理や漢方処方について記します。

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 漢 方 誠 芳 園 薬 局
〒545-0014 大阪市阿倍野区西田辺町1-12-14
     TEL; 06-6480-8525
E-mail;info@kanpouseihouen.com
http://www.seihouen.ne.jp

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尋常性乾癬 ②  ~漢方の優れた治療効果~

文明や医学の進歩とともに、皮肉なことに病気も複雑化し難治化しています。
皮膚病の尋常性乾癬についても、いまや子供の乾癬まで出現し、患者数は激増し、
乾癬の症状も冬場が主だったのが1年中になり、複雑化し難治性になっています。

そのために、おすすめする漢方もエキス製剤から煎じ薬にかわっていますが、
乾癬治療の効果の正否は漢方処方の選択も重要になります。

某大学医学部付属病院皮膚科では乾癬の漢方治療を大規模におこないました。

昭和53年から57年までに受診した乾癬患者のうち、長い病歴を有し、
種々の西洋医学的治療に抵抗した難治性紅皮症症例33例に漢方治療を行いました。
      (うち尋常性乾癬29例、乾癬性紅皮症2例、関節症性乾癬2例)

これまでの西洋医学的治療(主にステロイド外用療法)を続行しながら、
漢方エキス製剤の内服治療を(約3年)追加し経過を観察しました。

尋常性乾癬の一時的な皮疹の改善にとらわれず、慎重に長期間に効果判定をされ、
著効16例(49%)、有効10例(30%)、無効7例(21%)、悪化0で有効率79%
という従来の治療では考えられないくらいの、非常に優れた乾癬治療効果を認めて発表されました。

このときの大学病院で使用された尋常性乾癬の漢方処方の選択は、すべて山本巌先生のレクチャーによるものだそうです。

従来の西洋医学でも、日本漢方、中国漢方でもほとんど効果のなかった乾癬が
なぜ山本巌先生の漢方処方でこれほどの治療効果があったのでしょうか。

結論から言いますと、そこには西洋医学と漢方医学の融合があったからです。

西洋医学のすぐれた診断学、病態生理を主とし、漢方医学のすぐれた治療学と病態認識を主とする。

この合理性があってこそ「山本巌の漢方」はあらゆる難病の人を治したのですが、
この合理性ゆえに「山本巌の漢方医学」は西洋・漢方どちらの医学からも反主流派でした。

そして今でも一部の人だけがその恩恵を受けているようです。
医学界にとっても、多くの患者さんにとっても、これほどの損失はないと考えます。

「山本巌の漢方医学」は
   ①病に対する正しい認識
   ②患者の病態を出来る限り正確に把握する。
   ③その病態に最も適応した方剤を与える。   ということです。

不思議な事に、西洋医学でも漢方医学でも、このあたりまえのこと実際の臨床では、なされていない。

乾癬の臨床的特長は、
紅斑とその上に厚い鱗屑をもった乾燥性・落屑性の肥厚した皮疹であり尋常性乾癬は慢性の増殖性炎症ともとらえられます。

乾癬の病理組織的像は、
不全角化を伴う角質増殖、真皮乳頭の延長とその部分の毛細血管の拡張、
真皮上層の血管周囲に炎症性細胞の浸潤、走化性の亢進による角層下部の無菌性微小膿瘍などです。

したがって乾癬の病態は慢性増殖性炎症ですが、
現在では尋常性乾癬の真皮における炎症性の変化は
表皮におけるターンオーバーの異常亢進によって起こされるとされます。

すなわち尋常性乾癬の真皮乳頭の毛細血管の拡張・迂曲・捲縮
そして滲出性炎症・多核白血球の浸潤などの真皮の炎症性変化は
表皮内変化に対する二次的な反応と考えられています。

そこで乾癬の表皮細胞の形成増加・分化促進・たんぱく体合成・物質代謝の変化を
漢方医学でいうオ血であるとした臨床的仮説により漢方治療をします。

乾癬の慢性増殖炎症を、オ血を基礎とした熱証と判断して次のように方剤を組みます。

乾癬の炎症による充血と紅斑に対しては、清熱降火薬を主とします。

膿疱性乾癬など化膿性の炎症に対しては抗化膿性炎症の清熱解毒薬の配合も必要です。

乾癬の炎症が慢性化すると清熱涼血薬も必要になります。

乾癬の増殖性の炎症には駆オ血薬を加えます。

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 尋常性乾癬 ③
 はじめに述べましたように私自身が尋常性乾癬だったのですが、
 恩師、山本巌先生に教えていただいた漢方薬処方の治療によって、
 さしもの尋常性乾癬も、ほぼ完治して10年になります。

 でもそれまでは大変でした。私の場合は かゆみがたまらないくらい強く、
 見た目も悪いため、旅行にいっても着がえや入浴の時は気がねしていました。
 
 ステロイド軟膏をぬっても、また副腎皮質ホルモンを服用しても、
 一旦おさまっても尋常性乾癬は結局治りそうにありませんでした。
 
 私の乾癬は、春から夏に向かって好転しましたが、秋から冬に向かって悪化しますので
 冬は本当にキライでした。 次のような漢方薬を次々と服用してもパッとしません。 

◇黄連解毒湯
 ◇消風散
 ◇温清飲
 ◇越婢加朮湯
 ◇十味敗毒湯
 ◇荊芥連翹湯
 ◇竜胆瀉肝湯
 ◇桂枝茯苓丸
 ◇大黄牡丹皮湯

 今にして思うと、漢方エキスの常用量では量が少なかったのでしょう。
 山本巌先生に教えていただいた尋常性乾癬の漢方処方は竜胆瀉肝湯と駆オ血剤を合わせたような処方でした。
 
 それも充分な成分量が必要ということなので、煎じ薬にしたのです。

 やはり煎じ薬は漢方エキスより濃いですから。
 
 尋常性乾癬の煎じ薬の治療効果はてきめんで、はじめて「これはいける!」という手ごたえがありました。
 
      私はプロですから、ここで自分の身体で尋常性乾癬の治療効果を実験します。
      
      左足にはステロイドをつけて、右足にはステロイドをつけません。

      その後、漢方を服用すると、ステロイドを付けていなかった右足の部分では
      デコボコしていたのが10日ほどでなめらかで平坦になりました。

      ステロイドを付けていた左足の治療効果はゆっくりでした。
      (ステロイドは、一旦は、症状を速やかに抑えますが、根本的な治す力まで抑えてしまうようです)

 当店でも毎日のように乾癬の方々のお世話をさせていただいていますが
 最近は20年前と比べると、乾癬の方は非常に増えているだけでなく、症状もひどくなっています。
 乾癬は昔は冬だけの人がほとんどでしたが今は1年中の人の方が多いです。

 よく聞かれるのが
 「どれくらい飲めば尋常性乾癬に効果が見えますか?」と言うご質問ですが、
早い人もいれば、時間のかかる人もいます。

 冬と夏とでは効果の見え方は異なりますし、生活養生を出来る人と出来ない人とでは
 ずいぶん異なりますので効果判定として、まず丸一年はみていただけるとありがたいです。 

 いずれにしても現時点では、尋常性乾癬には漢方治療がより良いと思います。。

煎じ薬の作り方は簡単です。
   ラーメンをつくる手鍋などに コップ3杯の水を入れ、ティーパック(煎じ薬1日分)を入れ
   沸騰あと中火にして7~10分で出来上がりです。1日分を2回か3回に分けて飲みます。 簡単ですよ。

申し訳ないのですが、味はたいへん飲みにくいです。 すぐに慣れますが、、、

煎じ薬だけの人もいますが、ほとんどの人は併用薬をお勧めしています。
1ヵ月分の予算は 24000円 から 31000円です。 煎じ薬だけですと 19500円です。

乾癬が完治した人もいます。 というと皆さんビックリしはりますが本当です。
乾癬が完治した人もいますが、8割程度の改善の人の方が多いです。

乾癬は、とくに寒い冬の季節は、比較的経過が悪くなることもありますが、
春になって暖かくなるとスッとよくなることも多いものです。

それでも6ヶ月以内で約77%ですが、西洋医学の常識から見ると、信じられないくらい優秀だと思います。

経験上、ここから一歩さがって2歩進むというような感じで、
乾癬の症状も、波がありながらも良くなっていきます。

できれば、始めから、効果判定を一年間でみて、効果を確認できれば
二~三年は漢方薬を飲もう、と決心していただければと思います。


乾癬の病態生理を知って、その病態生理に合う生薬を組合わせ、
個々の体質や状態に合わせて処方を組み立て、さらにエキスではなく、
煎じ薬を服用していただいてるからこその効果だと思います。

ステロイドやD3を使っていない人や食養生を守る人ほど効果は早いようです。

でもステロイドなどは急にやめるとリバウンドが恐いことがあるので
暫くは併用して、良くなってから少しずつへらすようにしています。

漢方薬の二次的効果として、慢性肝炎が良くなった、疲れにくくなった、
血液検査で色んな数値がよくなったなどの漢方ならではの声をいただき、嬉しいです。

客観的に効果判定をするためにも、患部の写真をとっておいても良いかと存じます。

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