コラム

 公開日: 2015-07-16 

交渉の場においても傾聴すれば心の扉が開く

「聴く(きく)」 と「 訊く(きく)」の違いとは?

交渉のシーンでは、お客さまとの信頼関係を築くのは必須です。そのために大切なこととして、以前のコラムで「お客さまの状況を知り、正しい情報を入手し、自社の思いを理解してもらう」こととお書きしました。

そして、そのために必要なスキルが4つあることをご紹介しました。以下の4つです。
1.観察する、2.聴く(きく)、 3.訊く(きく)、 4.伝える。
2.
今回は、「聴く(きく) / 訊く(きく)」について解説したいと思います。

「聴く(きく)」 と「訊く(きく)」では、どう違うのでしょうか?

「聴く」は、お客さまの表面に表れていることに耳を傾けることを言います。
「訊く」は、お客さまが心の中に潜在的に思っていることを、質問して訊ねることを言います。

通常、人は自分の話を親身になって聴いてくれる人は味方だと思い、心を許すようになります。そうすると、安心感が生まれ本心が表われ、問題解決の糸口が手に取るように見えてくるのです。

会話は「話し手」と「聴き手」によって成立します。しかし、人は自分が「話す」意識が強く、人の話を「聴く」ことに、価値を置かない傾向があります。あなたも、思い当たるところはありませんか?

交渉においては、お客さまが本当に望んでいることや、今、まさに困っている状況を把握するために、お客さまの声に耳を傾けることが重要です。それを「傾聴」と言います。
お客さまの話に集中し、一度聴いた話でも何度でもよく聴き、相手の反応につぶさに応対できる能力を身につけましょう。

話しすぎず、「聴く」ことに徹する

一般的な会話では、「聴く」と「話す」の割合は、8対2がよいと言われます。

しかし、交渉する際は、こちらの言い分を聴いてもらいたいという思いから、お客さまの様子も気にせず、お客さまの話をさえぎってまで、一方的に話し続けている人が多いのも事実です。

書類を見たり、別の作業をしたり、挙句の果てはお客さまの変化にまったく気づかないまま、次に何を話そうかと思案している人もいるほどです。

お客さまは自分の話を聴かれていないと感じると、焦りや不安、孤立感を覚えます。

お客さまが話しているときこそ、聴き手として最大限の能力を発揮

一方、話を十分に聴いてもらっていると感じると、自分の頭の中を整理することができ、お客さま自身の問題や要望が明らかになってきます。

「ここに、こんなシステムが欲しかった」「こんな負担を軽減させたい」…など、話していく中で、明らかになっていくことは意外と多いものです。

その段階で「聴く→訊く」という行為にステップが進んでいます。

また、話を聴いてほしいと思っている人の中には、判断や答えを求めず、「ただ、純粋に話を聴いてほしい」という人もいることを知っておきましょう。
そのような相手には、こちらが聴く姿勢があるとはっきり示すことが大切です。それは、相手を受け入れることになるからです。

お客さまの話を聴かず、自分が9割話してしまうと、お客さまは逃げてしまいます。お客さまにはお客さまの言い分があり、要望があります。話したい思いがあるのです。

その要望の中に、交渉によって解決すべき要素が凝縮されています。お客さまが話しているときこそ、聴き手として最大限の能力を発揮しなければなりません。

しっかりと傾聴していれば、その後の交渉を有利に進められる

まずは、傾聴して、お客さまと自分の間に心の架け橋をかけましょう。
お客さまに、「自分のことを親身になって考えてくれている」と感じてもらえれば、お客さまは自らの心の扉を開いてくれます。
お客さまが一生懸命に話している内容を聴き取って整理すれば、お客さまの真意を分かることにもつながります。

そのため、その後の交渉を有利に進めることが可能になるので、とても重要な要素だと言えるのではないでしょうか。

お客さまから信頼されれば、あなたが勧める「物」は「あなた」と同価値になり、お客さまはきっと契約してくれます。
回収業務でも、クレーム応対でも十分に応用ができます。

交渉は、お客さまの現状を、丁寧に傾聴することから始まると言っても過言ではありません。
そしてその先にあるのが、もっとお客さまの心の声を引き出すことです。

しかし、傾聴がなければそこには、たどり着けません。お客さまの心の扉を開き、その後、潜在要求を訊き出すスキルを学びましょう。

この記事を書いたプロ

株式会社 K.BLOOM [ホームページ]

経営コンサルタント 葛西久仁子

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