コラム

2015-07-17

オープン質問とクローズ質問の有効な使い方

「オープン質問」とは?

前回のコラムでは、「傾聴」をテーマにご説明しました。今回は、「訊く」こと…訊き出すことについて解説します。

お客さまの潜在要求を訊き出すのに有効なのが、「オープン質問」と「クローズド質問」という質問の投げ方です。

まず、「オープン質問」についてご説明しましょう。
オープン質問は、5W3H (WHENいつ・WHEREどこで・WHOだれに・WHAT何を・WHYなぜ・HOWどのように・HOW  MANYいくつ・HOW  MUCHいくらで)で始まります。

例えば、「あなたの好きな色は何色ですか?」という質問に対して、「赤」「青」「緑」「黒」など、答えはいく通りもあります。
お客さまは答えを引き出すために考えることで、自分でも気づかなかったことに気づくことがあるのです。行き詰った場合でも、新しい視点を持つ機会になることがあります。

オープン質問で満足を得た男性の話(例)

ここで例をあげてみましょう。ある日、ホームセンターに中年の男性がきました。
店員に「のこぎりをください」と伝えます。店員は「何にお使いですか」と尋ねました。この質問がオープン質問です。

男性は「一緒に1mの板も買って、20cmの幅で、板を5枚に切るのです」と言いました。店員は「それでは、板の売り場で20cmの板を5枚購入すればどうですか。それならばのこぎりを買う必要はありませんよ」と提案しました。

男性は「なるほど」と納得し、余計な出費を教えてくれた店員の親切を気に入って、「次も何かあればあなたに頼みにくるよ」と言って、満足げに板の売り場へ歩いていきました。

この事例は、店員が「何にお使いですか=WHAT」と訊かなければ、成立しなかったやりとりです。
お客さまは満足し、このお店と店員を気に入りました。

結果的にオープン質問が顧客にも店側にも、ハッピーな解決方法で終わり成功したと言えます。

営業担当者の事例

オープン質問は、お客さま自身に何が問題で本当は何が必要なのかを考えていただくきっかけになります。お客さまの要望を深く聴き取るために、とても有効な方法と言えるでしょう。

営業であれば、4W2H+WHYで訊き出すことをお勧めします。

ただし、あまり質問が多くなるとお客さまは尋問されているように受け止めるため、傾聴対質問=6対4の割合で行いましょう。質問を少なくするために、あえて5Wではなく4Wにしましたがプラスαも含めて、そのあたりは、クライアントに合わせて臨機応変に対応してください。

4W2H+WHYの例を紹介

例をあげて説明しましょう。たとえば、あるホテルにイベント会社の営業が企画を提案したいとします。

・ WHO(誰が? 誰に?)+なぜ(WHY)その人なのか
Q「どんなお客さまの集客を考えていらっしゃいますか?=年齢、性別、国内外など」
A「海外から、特にヨーロッパのお客さまをもっと取り込みたいと思っている」

・ WHAT(何を? 何が?)+なぜ(WHY)それなのか
Q「ヨーロッパのお客さまというのは、なぜですか」
A「アジアのお客さまは増えたが、ヨーロッパが少ない。来年の開業5周年記念の一貫として強化したい」

・ WHEN(いつ? いつまでに?)+なぜ(WHY)そのタイミングなのか
Q「企画のご提案はどの時期がよろしいですか?」
A「来年の開業記念までに、準備があるから今年の夏までに」

・ WHERE(どこで? どこに?)+なぜ(WHY)そこなのか
Q「ホテルのどの施設も、どのように企画させていただいてもよろしいでしょうか?」
A「レストランやバー、チャペル等を含めて提案してもらいたい」

・ HOW TO(どうやって?)+なぜ(WHY)そのやり方なのか
この部分は、ここでは質問するのではなく、営業サイトが提案する部分ですね。宿泊プランなどについても提案範囲か、確認の必要はあるでしょう。

・ HOW MUCH(いくらで? 予算は?)+なぜ(WHY)その金額なのか
ここは、質問をしても大抵は、「見積もりを出してくれ」と言われることが多いでしょう。ただし、価格にギャップがありすぎるのは困るので値交渉は必要です。

「お見積もりは作成させていただきますが、そのためにもだいたいのご予算をお聞かせください」と概ねの予算を確認しましょう。

もし先方が、経費削減等の理由で「予算が低い」とおっしゃったなら、予算を抑える方向性の提案をする必要があります。

予算を抑える複数の案をご提案すると喜ばれるでしょう。

「クローズド質問」とは?

では「クローズド質問」について説明します。オープン質問が、相手から幾とおりもの答えを引き出すのに対し、クローズド質問は、相手に「イエス」か「ノー」で答えてもらうものです。主に、事実関係の解明や、お客さまの意見を明らかにするために用いられます。

例えば「あなたは赤色が好きですか?」という質問に対して、答えは「イエス」か「ノー」のどちらかです。あくまで「私」が主体であるため、すぐに答えは出ますが、自分が持っている認識の範囲や視野の中での情報でしか判断ができません。

曖昧なメッセージを、クローズド質問3つ、オープン質問3つで明らかにしていきましょう。

「ホームにマスクをした男が立っています。その男めがけて、物凄い形相をした男が、突進してきました」

クローズド質問を3つ。
「突進してくる男は、凶器を持っていますか?」→ノー
「ホームの男は、突進してくる男と顔見知りですか?」 →イエス
「ホームには、電車が入ってきていますか?」→ノー

次にオープン質問を3つ。
「ホームの男はどんなマスクをしていますか」→顔全体を覆う鉄のマスクです
「それは、何をやっているのですか?」→野球をしています

わかりましたか?
実はホームベースのキャッチャーに向かって、ランナーが全速力で向かってきているのです。

クローズド質問では、全貌がまったくわかりませんし、予測するのも困難です。
オープン質問をすることで、「どこで誰が何をしているか」という基本となる情報が得られるのです。

オープン質問でお客さまのご要望を掘り起し、クローズド質問で確認を取る、状況に応じて質問の仕方を使い分けることが交渉を有利に進めるコツです。

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