コラム

 公開日: 2015-07-27 

自身の強みと弱みを把握することで交渉が成立する確率は高まる

事前の入念な分析が大切

交渉で武器となるものは何でしょうか。また、蹴られて痛いすねの部分は何であるかを分析しておく必要があります。

そのためには、交渉の当事者の長所と短所を詳細に分析します。

「SWOT分析」も有効です。SWOT分析は、S=強み、W=弱み、O=機会、T=脅威の頭文字をとっている分析方法です。

自社の長所を最大限に生かしながら、相手の短所を攻める計画を立て、自分の短所を守るための代替案を用意します。

相手の短所を攻めるとともに、相手の短所を救済するような複数の代替案も用意します。

代替案が多ければ多いほど、交渉を速く妥協に導くことができ、Win-Win交渉が成立する確率は高くなります。

では、次のコーナーで、私がアテンダントの救難訓練所の教官、またその育成教官をしていた頃の体験を例にあげてご説明しましょう。

自社の商品に惚れ込む

訓練所では、あらゆる事故を想定して徹底的に訓練します。例えば、地上で事故が起きた場合、シュートを滑って機外へ脱出します。

B-747型機の場合、アッパーデッキ(2階席)のシュートを膨張させ滑って脱出するのですが、ほとんどの訓練生は、足がすくんで動けなくなります。
なぜならそこは、ビルの3階の高さに相当するからです。私は、教官として、厳しく指導しました。

「自分で滑れなくて、お客さまに『腰を下ろして!滑って!脱出して!』と言えるのですか」と。すると、訓練生は恐る恐る腰を下ろし、滑りはじめます。
滑り終えたほとんどの訓練生が泣いていました。

「こんなことで泣いていてどうするの!そんな気弱なことでは、いざというときにお客さまを救えないわよ!」とさらに私は喝を入れます。

すると訓練生は、「申し訳ありません、頑張ります」と涙を拭きながら言ってくれるのです。そこで私も一言、「実は私も訓練生のときに泣いたのよ」と告白します。

「怖いのは分かるけれど、私たちができないことをお客さまには、すすめられないわよね。保安要員なんだから、お客さまの命を守っているという強い自覚を持ちましょう!そうすると、二度と泣かなくなるから」

訓練生の表情がきゅっと引き締まり、プロとしての自覚を持つのが目に見えて分かります。厳しい状況を実際に体感してみることは大切です。

自分の仕事を愛し、誇りを持つこと…営業ならば、自社の商品に惚れ込むことが大切です。自社の商品に惚れ込んでこそ、はじめてお客さまにその良さをおすすめすることができるのです。あなた自身が、商品の一番のファンであることが重要です。

お客さまに言われる前に察知してアプローチする

JALでは基本的なオペレーションマニュアルはありましたが、「このようなお客さまにはこうしましょう」という個別対応マニュアルは存在しませんでした。なぜなら、お客さまの要求は一人ひとり違うからです。

おもてなしはすべて、「職場内教育訓練 (OJT)」で学びます。例えば、「お客さまがお休みのときには起こさないようにそっと毛布をかけましょう」など。これは、すなわち、言われる前に察知して、こちらからアプローチするということです。その場その場のお客さまの要求に応対するのです。

また、アテンダント間で「赤ちゃん連れの女性客」「ハンディキャプのある人」「80才の男性」「妊婦」などの役になりロールプレイで練習をします。これらはあくまでも業務を遂行する上で必要となる最低限のマニュアルですので、基本業務を体得する上では重要です。

創意工夫をして自分だけのマニュアル作成を

しかし、実際のフライトでは、お客さまにはそれぞれお名前があり、感情があり、要望も異なります。

実際にさまざまなお客さまや状況に接し、経験を重ねることで臨機応変な応対ができるようになってきます。要求される前に相手の要望を察し、能動的な仕事へと変換できるようになるのです。

自分なりの創意工夫が求められますが、営業もまったく同じです。「当たって砕けろ」の精神でお客さまの懐に入り、お客さまの声を傾聴します。

そして困っている実情や必要とされていることを聞き出した上で、個別に対処できるように自分だけのマニュアルを作成することをおすすめします。
あなたという個性がお客さまに受け入れられ、幅広く奥の深い交渉が可能になるのです。
それらを継続することで、お客さまは必ずあなたから商品を買いたいと思ってくれるようになるでしょう。

この記事を書いたプロ

株式会社 K.BLOOM [ホームページ]

経営コンサルタント 葛西久仁子

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