コラム

 公開日: 2016-03-08  最終更新日: 2016-03-09

ベトナムの習慣を大事にする


日本人が忘れてはいけない重要な日


本日は3月8日です。ベトナムでは一年の中で重要な日の一つですが、いったい何の日だと思いますか?
テトは終わったし、特に祝日でもないですし、でも日本人がベトナム人と一緒に仕事をしていくうえで大切にしなければならない、特に経営管理者としては忘れてはいけない日なのです。

実は、「国際婦人デー」です。 ん、?? いったい何それ?というのが日本人の一般的な感覚です。私もベトナムに赴任した当初はそうでした。ベトナムは女性が非常にしっかりしていて、働き者であることはご存知の方も多いと思いますが、同時に女性を大事にする文化、習慣を持っています。この「国際婦人デー」はもともとは1904年にアメリカでの女性参政権デモが行われたことを記念しているのですが、だんだんと政治的な側面は薄れ、女性を尊重する日としてベトナムでは定着しています。

ところが、ベトナムではもう一日女性の日があります。10月20日が「ベトナム女性の日」です。これはベトナム共産党が定めた記念日だったのですが、ドイモイ政策以降だんだんと女性に感謝する日として定着してきました。

この3月8日と10月20日は、特に外資系企業(だけではなく、各家庭でもですが・・)では、良好な職場風土づくりには忘れてはならないということをカレンダーに印をしておくべき日です。この日には、日ごろの女性の働きに感謝し、上司が女性の部下に花束をプレゼントするという習慣が定着しています。もちろん、日本人はベトナムでは外国人ですので、この日を忘れていて何もしなくても、特に大きな問題が起こるということはありません。しかし、こういった日を捉えて感謝の心を伝えることで、ベトナム人社員(女性だけではなく、ベトナム人男性も見ています)にとって、ボスに対する信頼感がぐっと増します。「この日本人のボスは、ベトナム人とベトナム人の習慣、文化をリスペクトしてくれている」と見られるか、「この日本人ボスは仕事ばっかりで、日本しか見えていない、我々を単なる労働力として扱っている」と見られるかで、組織文化の醸成面で雲泥の差が出ます。

ベトナム人は花が大好き


花が嫌いな人はあまりいないと思います。誰でも花をいただくと心が和みますね。日本人も花が好きですが、ベトナム人は日本人以上に花が大好きです。ベトナムの街角には花屋がたくさんあるだけでなく、ハノイやホーチミンなど大都市では、あらゆる道路で、花を売る行商人が自転車やバイクで花束を積んで売っています。私が住んでいたアパートのすぐ近くにフラワー卸市場があったのですが、夜半すぎから花を卸す農家がバイクに山ほど花を積んで市場に持ってきます。そこへ市内の花屋や行商が明け方までに買い込んでいきます。その花屋や行商は、フラワーアレンジメントや花束にして、いわゆる付加価値をつけて小売りを行いますので、すぐに現金商売ができるため多くの人が花を販売しています。

女性の日は、花屋や行商にとっては稼ぎ時になります。あらゆる職場で花束のプレゼントがおこなわれるため、とてつもない量の花が販売されます。当然需要と供給の関係で、女性の日は一気に値段が跳ね上がります。それでも、日本でだいたい4000円ぐらいの花束が、ベトナムでは1000円~1500円ぐらいで手に入りますし、花屋を回って値切るのも楽しみの一つです。

女性の日には、職場の朝会後に職場の女性の皆さんにということで花束を渡す(別に花束でなくても良いのですが)ことが多く、単に「いつも女性の皆さんの働きに感謝します」という一言で良いのです。それだけで、職場の女性社員は一日中ものすごく機嫌よく働いてくれます。社長であれば女性社員の皆さん全員にということで十分ですが、部門の上司が日本人で、その上司から花束を貰うと嬉しくて仕方ないというのがありありで、花瓶は調達してくるわ、写真は撮りまくってすぐにフェイスブックにアップするわ、花束を事務机のど真ん中に飾ってニコニコしています。一方、別の部門で上司が出張か何かで花束がなかったときには、クレームこそしませんが何となく残念そうな表情を浮かべているのを見ると、かわいそうな感じを覚えますし、ある面子供っぽいところがあるのですが、私はこういった感覚を持っているベトナム人が大好きです。

女性に感謝にする日が年に2回もあり、ベトナムではそれだけ女性が尊重されていますし、実際女性なしでは成り立たない社会であるといっても過言ではないということを痛切に感じます。翻って考えれば、日本では女性に感謝する記念日というのはないですね。ホワイトデーはバレンタインデーのお返しという意味付けもありますし、そもそも日本以外のバレンタインデーは一般的には愛の日として、むしろ男性が女性にプレゼントをする習慣が普通です。ベトナムでは女性の日以外にも、バレンタインデーに加え、誕生日にも花束をプレゼントするのが当然と考えられています。私自身の誕生日でも職場の部下は自分のことのように喜んでくれますし、部下から花束をくれるので少し気恥ずかしい感じがします。花に感謝の気持ちを込めてプレゼントする機会が恵まれているベトナム人は、むしろ日本人より幸福なのかも知れません。

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