コラム

 公開日: 2017-03-21  最終更新日: 2017-09-13

海外展開したBtoB企業のブランド戦略




「ブランド戦略?そんなものいらんいらん!わしら中小企業は下請けでしか生きていかれへん。自分の社名やブランドつけても買ってくれる客なんておらんで・・・」、だいたい製造業の中小企業のオーナーはこうおっしゃいます。でも、会社には名前がありますよね?・・・「当たり前じゃ!」。。。商品もお客様に喜んでもらう自信を持って商品名をつけておられますよね?・・・・考えてみてください。その名前に込められているお客様や従業員、地域社会の住民からの「信頼」や「誇り」、「安心感」や「評判」、これら全て凝縮した目に見えない資産が「ブランド」と言えるのではないでしょうか。単に商品につけられる登録商標やロゴマークのことだけではありません。確かに商品を販売するための広告宣伝では商標やロゴマークを全面に押し出しますが、それは決してブランディングの全てではありません。いくら巨額投資をして誰もが知っているブランドを創り上げたとしても、そのブランドを守り育てるのは大変難しいことです。ブランド価値が高まっていきますと、社名や商標を見たり聞いたりしただけで商品に対する信頼感で販売促進策に対する効果が絶大なものになっていきます。しかし、ブランド価値を高めるためには、企業がブランディングにどれだけ費用をかけたかだけでは語れません。不祥事を起こしたり品質が低下したところは、一挙に悪評が広がってしまい、むしろ宣伝するほど嫌悪感を与えマイナス効果となってしまいます。昨今のサムソンや東芝などは、もう完全に顧客からダメだしされたブランドとして認識されてしまいました。

ブランディングは情報発信そのもの


これらはあくまでBtoC、消費者相手の事業をやっている企業にとっては確かにブランドは大事というのは理解できると思いますが、部品や原材料を扱っているBtoBの製造業などは関係ない世界の話と割り切っても良いのでしょうか。差別化できる技術と品質の良さ、柔軟な納期対応を含めた高度のサービスを提供しておれば、注文は貰える環境にあるからブランドなんか関係ない・・・確かにそれらの強みも、取引先から見れば一種の信頼されるブランドが形成されているともいえます。ただ、この強みである価値をさらに広くPRしていく、幅広くあらゆる関係者や今後の取引先になるかも知れない会社に知ってもらうことは非常に大事で、それこそがブランドコミュニケーション戦略に他なりません。ブランディング戦略なしに、ただただ毎日コツコツと真面目に今の取引先に喜んでもらうことだけでは非常に勿体ない話です。企業が成長発展していくには、コミュニケーション戦略は極めて重要です。既存取引先の状況が思わしくなくなり、受注が急減して慌てふためいて社長が受注を求めて駆けずりまわるのではなく、日ごろから自社の経営理念や何を目指して取り組んでいるのか事業ビジョンを社内外に発信し、強みや価値を知ってもらうことによって、価値観を共有するパートナーや新規顧客とのコミュニケーションが密になり、新たな事業機会に出会うチャンスが増えるのです。

今まではブランディングと言えば、製品ブランド開発やサービスブランド開発と同義語であり、個別商品の販売促進のための広告宣伝と一体となって進める効果が大きい側面があり、消費者を対象に行うBtoCビジネスでは多額のブランド投資が必要でした。しかし、現在ではSNSなどインタネットを利用したマーケティング戦略が幅広く認知され、ターゲット層にピンポイントで効果的にブランドの摺り込みを行うことがやりやすくなりました。

BtoBブランディングの留意点


しかし、BtoBのビジネスでのブランディングで留意するべき点があります。BtoCのように一般大衆向けにブランディング投資するのは無意味です。効果的にBtoBビジネスでブランド力を高めるには、BtoCとはステージを変える必要があるのです。明確に言えるのは、TVやラジオ、一般の新聞紙や週刊誌などのマスメディアにBtoB企業が企業宣伝を行う意味はあまりないということです。ターゲット層にリーチしないのかというのははっきりとは言えませんが、費用が巨額であるだけに、費用対効果では大変疑問です。むしろBtoBの場合は、ウェブサイトを充実させることが非常に重要です。製品の紹介だけでなく企業の考え方や顧客の声、資料請求から採用受付まで、ウェブサイトを軸にコミュニケーション戦略を推進することで、宣伝より非常に効果が高くなります。顧客を誘導するにはサイトのデザインや構成について十分な検討と投資が必要ですが、少なくともメディア宣伝よりは中小企業にフィットしたブランディングツールであると思います。

またいくらウェブサイトを作成しても、ほとんど訪問者がいないと全く意味がありません。充実したウェブサイトとSNSを組み合わせて、顧客を誘導して関係性を作り上げていくWEBマーケティング手法を実践するべきです。それらが有機的にブランド価値向上に結ぶつくには、「展示会マーケティング」と「コミュニティ口コミマーケティング」を融合させ、企業としての「経営理念の実践と社会貢献の活動」を広報する限定的なメディア活用やWEBに直結させることが一番効果的ではないかと思うのです。

社長や営業担当が既存顧客を回って注文取りに走っているだけでは競争に取り残されてしまいます。伸びるBtoBの中小企業は、どんどんWEBを使って情報発信を続けています。WEBを駆使することこそがブランド価値向上に直結し、新たな顧客開発に繋げているという時代の変化を敏感に感じるべきではないでしょうか。

ブランド価値向上の効果


ブランディングは顧客や地域社会など社外に向かって行うコミュニケーション戦略で、社外の人々に会社の姿を知ってもらい、信頼感を与えて事業拡大に効果があるだけではありません。これらはいわゆる「エクスターナルブランディング」です。

一方、もう一つ重要な視点が「インターナルブランディング」です。企業ブランディングの出発点は「経営理念」ですが、これは社外向けだけではありません。「何のためにわが社は存在するのか」「この会社はどういう姿を目指しているのか」これらの社員にとっての企業イメージは、働くモチベーションにおいて非常に重要です。エクスターナルブランディングでの効果は、事業拡大に直接影響します。加えて、インターナルブランディングは、社内への企業ブランドの浸透の度合いによって、組織文化の醸成に大きな影響を及ぼします。顧客へのコンタクトは社員を介して行われます。社員が共通の価値観を持ち、外に向かって誇れる企業体質を作り上げるためのブランディングがより重要です。いくら立派な理念を発信しようとも、誰もが知っている商標にまで育て上げても、社員が不満たらたらな態度で顧客に接していたら、かえって顧客離れを引き起こしてしまいます。ブランド価値が高い企業は、決してブランド宣伝に多くの投資をしたところは限りません。社名、商標を知っている人が多いからといっても、「信用」「信頼」は得られていることにはならないのです。

つまり、順番としてまず一番大事なのは、エクスターナルブランディングの前に「インターナルブランディング」を徹底することであろうと思います。社員が全員一丸となれば、顧客に自信を持って商品・サービスを薦めることができますし、何か難局にぶつかったとしても、強い組織力で全員で乗り越えていけるはずです。これには、大企業も中小企業の違いもありません。製造業とサービス業の違いもありません。BtoBとBtoCの違いもないのです。

ブランドとは社員全員の「誇りの証」 !

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