コラム

 公開日: 2017-09-21 

ベトナム人技能実習生を活かす経営


外国人技能実習生の数が増えています。現在、約21万人の外国人技能実習生が日本で働いています。特別永住者を含めて外国人居住者が約100万人なので、長期滞在している外国人の中ではかなりの比率まで上がってきています。その21万人のうち、中国人が約40%でベトナム人が34%です。年間約5万人の新規の実習生が入国してきますが、2016年度にはベトナム人は2万1千人、中国人が1万8千人となり、現在日本に滞在しているベトナム人の比率が急速に増えています。おそらく2年以内にベトナム人がトップに立つものと思われます。

実習を受け入れる中小企業にとっては、ベトナム人なしでは経営ができないぐらいにまでになっているところが多くなってきています。先般、経営診断で訪問したある金型製作の中小企業では、社員17名のうち、既にベトナム人が半数を超えるまでになっており、製造現場で技能実習生を活用しているだけではなく、ベトナム人留学生を社員として採用し、総務や技術部門でも中核となって働いておられました。

外国人技能実習生の本来の理念とのギャップ


技能実習制度は、我が国で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として創設された制度です。

技能実習法には、技能実習制度が、このような国際協力という制度の趣旨・目的に反して、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保等として使われることのないよう、基本理念として、技能実習は、①技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと、②労働力の需給の調整の手段として行われてはならないことが定められています。

受け入れ機関である企業にとっては、充分この理念を理解したうえで実習生を採用されるべきところですが、労働力の需給調整の手段ではなくても、そもそも日本では人を採用するのが困難という実態があり、低コストで実習生を労働力として使える魅力には代えられず、どんどん活用する企業が増えているのです。つまり、本来の主旨とはかけ離れた実態があるわけで、昨今の実習生の待遇に関する問題が頻発し、しかもその問題が原因の一つとなって、年間3000名もの行方不明者を発生させている問題がクローズアップされるようになりました。

厚労省の労働基準局が行った外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成28年の監督指導、送検等の状況が公表されていました。特に、労働基準関係法令違反は、監督指導した5,672事業場のうち4,004事業場、全体の70.6%で認められたという事実は、制度そのものが揺らぎかねない深刻な問題を露呈してます。労働基準法を超える労働時間の設定や割増賃金の不払い、そして労働安全衛生法に違反する職場の安全基準批判などが摘発されています。

技能実習生の活用と企業の成長発展の相乗効果


実習生を低コスト労働力としか考えておらず、法令に違反している受け入れ機関が多いのは由々しき問題ですが、一方で技能実習生をうまく活用して企業の成長発展につなげておられる企業も増えています。基本的には技能実習生の期間は3年です(改正された新制度では優良受け入れ機関に対しては最長5年まで可能)。じっくり腰を落ち着けて実習生を育成し、技能を高めて帰国する頃には、コスト面ではなく、企業が付加価値を創造するにとってはなくてはならない存在になっているのです。当然、新しい実習生を受け入れているのですが、せっかく高い技能を身につけた人材を手放したくないと悲痛な叫びをされている企業経営者を多く見ます。「実習生自身が誰か良い日本人を見つけて結婚してくれれば、そのまま日本に居住できるので正社員として採用するのに・・・」と、冗談ともいえないような話をお聞きします。

また、実習を終えた研修生の帰国後も大変心配なようで、なかなか日本で身につけた技能を活かせる企業がベトナムには少ないと、不本意な仕事についている元実習生が多いと悩まれています。いっそのこと実習生を活かすために、思い切ってベトナムで事業を興そうかと相談される経営者も最近は増えてきました。また、CADが扱えるようになって、設計を任せていた実習生に対し、帰国後設計業務を委託するようなことも真剣に検討されていました。この兆候は技能実習制度が両国の産業発展のために非常に良いことです。さらに両国の経済連携が発展する一つの事例になってくれればと思います。

ベトナム人技能実習生のマネジメント


受け入れ機関である企業はいろいろと苦労されてきました。ベトナム人は実習生として送り出される前に、ある程度日本語の勉強や日本について学んできます。しかし、物の考え方は日本人とは根本的に違います。同じアジア人ですから顔つきは似ていますが、仕事に関する考え方も、物事の善悪の判断も、個人と会社組織との関係に関する考え方も全然違います。ところが、中小企業の経営者の多くは、日本人社員と同じような態度で接する場合が多いようです。ベトナム人にとってのカルチャーギャップは相当なものです。ベトナム人は一般的に非常に真面目な人が多いのは、受け入れた企業の方は一様におっしゃいます。しかし、何でこんな基本的なことを何度言っても理解できないのかと怒鳴りつける人も多いのです。ベトナム人のマネジメントで絶対に押さえておくべきことがいくつかあります。でも、経営者はほとんどわかっていない場合が多いのです。ベトナム人自身は、遠く家族から離れて単身で日本で孤独と戦いながら実習にきています。異文化のギャップを知らない日本人に囲まれ、頭ごなしに怒られる毎日が続くと、メンタル面で問題を起こす実習生もいるのです。最悪のケースとして犯罪に走ったり、突如行方不明になってしまうこともあります。

ベトナム人をいかに使うかというのではなく、いかにうまく接して能力を最大限に引き出すか、そのためにはベトナム人の発想や考え方を知ることが大事です。むしろ日本人の発想や考え方が外国人から見ていかに特殊かということを知ることが出発点になるのではないかと思うのです。

ベトナム人を受け入れる中で、いろいろとお困りの経営者の皆さん。ベトナム人を育てるにはどうすれば良いのか、是非一度ご相談ください。実習生に対するOFFーJTによる育成も提案させていただくことも可能です。そして、育て上げたベトナム人材を企業の成長発展に活かしていくために、どのような海外展開が可能なのか無料でご相談に応じます。皆さまの経営発展のためのパートナーとして一緒に考える機会をいただければ幸いです。

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