コラム

 公開日: 2017-05-07 

大和ライフネクストのマンション管理適正化・再生推進事業報告の内容 その2


 大和ライフネクストの事業報告内容の2回目です。
 今回の熊本地震は、4月14日21時26分のマグニチュード6.5の前震と、28時間後の4月16日1時25分のマグニチュード7.3の本震の2つの大きな地震でした。
 地震保険法の第3条第4項には、「72時間以内に生じた二以上の地震等は、一括して1回の地震等とみなす。ただし、被災地域が全く重複しない場合は、この限りでない。」と規定されていますので、2つの大きな地震が発生しましたが、熊本地震は地震保険上では1回の地震とみなされました。今回の地震でこれが適用されたことが特徴の一つとして、報告書には挙げられています。そして報告書では、この2回の大きな地震で「全損」の認定を受けたマンションについて、問題提起を行っています。
 建物が全損になったマンションが、費用の問題と解体業者不足のためにやむを得ず公費解体を選択しても、現在は順番待ち状態で、実際の解体までには相当期間がかかるのが現状のようです。この解体までの期間に生じるリスクの保険について問題提起をしています。解体までは建物自体は残っていますので、余震などで外壁タイル等が落下することが大いに考えられます。もし落下して通行人等の第三者に被害を与えてしまった場合、保険で補償されるのかどうかという問題があるというのです。
 地震保険法の第2条第2項に「地震保険契約」の要件の一つとして「居住の用に供する建物又は生活用動産のみを保険の目的とすること。」とあります。つまり、居住者がいなくなった建物は保険対象外となる可能性があるという事です。また、人が住んでいても、全損判定を受けた建物は新たに地震保険に加入することはできません。ですから報告書では、全損の建物が無保険のままで放置されることにならないように、損害保険会社に対応を求めています。この件について損害保険会社に照会したところ、次のような回答があったとのことです。
 ≪質問≫「全損」の認定を受けて地震保険契約が終了しても、セットで加入している火災保険契約は同時に終了しないのか。
 ≪回答≫主契約が継続していれば賠償責任保険での補償は受けられる。ただし、地震による被害に起因する事故の場合は免責になる(保険金が支払われないこと)。
 ≪質問≫建物は「全損」の認定を受けているが、退去せずに居住している住戸のためにエレベーターのメンテナンス契約を継続するなどして、管理組合はその居住を認めている状態にある(退去の勧告などはしていない)が、この状態で、もし建物の外壁が落下して居住者や第三者に損害を与えた場合には、管理組合の加入する火災保険の補償の対象となるのか。
 ≪回答≫主契約が継続していれば、賠償責任保険の補償対象になる。ただし、この場合も外壁の落下が、震災以降に発生した地震(72時間以上経過後の余震)に起因する場合は、すでに地震保険は終了していることから免責となる。なお、居住者がいなくなった建物は保険対象の用途変更の通知が必要となり、実態によっては火災保険の解約となる場合もある。つまり、居住する人がいなくなった建物は「マンション保険:住宅火災保険」の対象とはならず、その建築物の倒壊などのリスクについては個別保険会社と引受について協議し、もし引き受ける会社があれば契約できる(ただしその場合相当の保険料が必要となる)。

主な業務内容はこちら
主な業務実績はこちら
ギャラリーはこちら

この記事を書いたプロ

マンション管理士事務所JU [ホームページ]

マンション管理士 小堀將三

大阪府大阪市中央区南船場4丁目10番5号 南船場SOHOビル702 柏原事務所(自宅兼) 大阪府柏原市旭ヶ丘1丁目6番39号 072-915-3765 [地図]
TEL:06-7878-8334

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
業務内容
イメージ

約12年~15年ごとに大規模修繕工事を実施することが推奨されていますが、専門知識を必要とする為に実際行うとなりますと多大な時間と労力が必要であり、理事会の役...

業務実績
イメージ

大阪府河内長野市 NHマンション 全部委託管理 2000年築 54戸 団地複合用途型2棟住宅棟 支援業務:顧問業務大阪府柏原市 TMマンション 全部委託管...

 
このプロの紹介記事
小堀將三(こぼり・しょうぞう)さん

充実した住環境と十分な管理体制づくりをお手伝い(1/3)

 年齢も職業も様々な人々が一つ屋根の下に暮らすマンションでは、適切な管理とルール作りが不可欠。そのために住民で管理組合が組織され、執行機関として理事会が置かれます。でも、ちょっとした修繕や共用部の清掃などについてならともかく、大規模修繕工事...

小堀將三プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

丁寧さと徹底した情報公開で、組合主体のマンション管理を支援

事務所名 : マンション管理士事務所JU
住所 : 大阪府大阪市中央区南船場4丁目10番5号 南船場SOHOビル702 [地図]
柏原事務所(自宅兼) 大阪府柏原市旭ヶ丘1丁目6番39号 072-915-3765
TEL : 06-7878-8334

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-7878-8334

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

小堀將三(こぼりしょうぞう)

マンション管理士事務所JU

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
管理組合様への朗報です!
イメージ

 昨年の9月に、日管連が実施する「マンション管理適正化診断サービス」において最高のS評価を得たマンション...

[ 管理組合 ]

管理不全マンションは増加するばかり
イメージ

毎日新聞の配信ニュースによりますと、毎日新聞が9月に、都道府県や人口20万人以上の市区など計178自治体に...

[ 管理組合 ]

火災保険の保険料が半額になる可能性も
イメージ

一昨日大手損害保険会社の動向を記事にしましたが、日新火災の「マンション共用部分用火災保険」についてもマン...

[ 保険 ]

2017年度税制改正大綱(タワーマンションの固定資税)
イメージ

12月8日に、2017年度税制改正大綱が与党から発表されました。この税制改正大綱は通常国会に法案が提出さ...

[ 税金関連 ]

国土交通省が民泊の許容又は禁止の規約案を公表
イメージ

先週11日に国土交通省から、特区民泊の円滑な普及を図るため、(1)マンション管理組合等への情報提供、(2...

[ 民泊 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ