コラム

 公開日: 2018-03-11 

整形外科クリニックにおける短時間通所リハビリテーション開設方法②

1.前回のおさらい
「要介護被保険者の維持期リハビリの介護保険への完全移行」は2018年度末まで延期されることになりました。運動器リハビリテーションの施設基準をもつ整形外科クリニックでは今から1年ぐらいの間で介護認定を受けている運動療法の患者さんが何人いるか確認して減収試算をしたうえで介護保険のリハビリ(通所リハビリ・訪問リハビリ)を開設する体制を整えるか、これまで通り、医療保険の運動器リハビリテーションを行うか意思決定する必要があります。今回は、診療所の短時間通所リハビリテーションの開設方法をお伝え致します。

2.みなし指定
健康保険法の保険医療機関・保険薬局(以下「保険医療機関等」といいます。)に指定された医療機関・薬局は、介護保険法による医療系サービスの事業者として、指定をされたものとみなされます。これを「みなし指定」といいます。みなし指定の対象となる医療系居宅・介護予防サービスは、次のとおりです。
<みなし指定となる介護サービス>
 (介護・予防)居宅療養管理指導     (介護・予防)訪問看護 
(介護・予防)訪問リハビリテーション (介護・予防)通所リハビリテーション 

3.みなし指定の通所リハビリテーション開設について
介護保険法が改正された平成21年4月以降に保険医療機関の指定を受けた病院・診療所については、特段の申し出のない限り、通所リハビリテーション事業所及び介護予防通所リハビリテーション事業所の指定を受けたものとみなされています。例えば、兵庫県では平成21年3月以前に県民局長による介護保険法上の事業者指定を受けた通所リハビリテーション事業所・介護予防通所リハビリテーション事業所については、当該指定は更新期間満了まで有効であり、更新の際に医療みなしに切り替えることとなります。
平成21年3月以前に保険医療機関の指定を受けた病院・診療所について新たに通所リハビリテーション事業所及び介護予防通所リハビリテーション事業所の指定を受けようとする場合は、知事にその旨届け出る必要があるので注意が必要です。また、事業所規模及び加算の算定を受けようとする場合は、あらかじめ管轄部署に届けなければならない。
みなし指定であってもサービス提供を行うにあたり、人員基準、設備基準、運営基準等を満たす必要があるので各都道府県の管轄部署に確認して頂く事をお勧め致します。 
通所リハビリテーションの開設自体は申請書類も少ないので人員基準など通所リハビリテーションの基準が満たせれば開設は可能です。

4.通所リハビリテーションの人員基準とは?
通所リハビリテーションは、医療系の介護サービスであり、医師の指示の下で行われます。
そのため、介護老人保健施設、病院、診療所のみが運営することが可能です。人員基準において規模によって医師や従事者の配置数の違いがあります。今回は診療所の人員基準に絞って解説致します。

5.診療所が開設する通所リハビリテーションの人員基準
① 医師の配置について
☆利用者の数が同時に10人を超える場合
専任の常勤医師が1名以上勤務していなければいけません。

☆利用者の数が同時に10人以下の場合
専任の医師が1名勤務していなければいけません。
また、利用者数は専任の医師1人に対して48人以下でなければいけません。

② 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員(以下:従事者)の配置について
☆リハビリ単位ごとに、利用者の数が10人以下の場合
サービス提供時間を通じて、専属で通所リハビリテーションに関わる従事者を1名以上確保しなければいけません。

☆リハビリ単位ごとに利用者の数が10名を超える場合
サービス提供時間を通じて、利用者の数を10で割った数の専属で通所リハビリテーションに関わる従事者 が必要になります。

さらに☆で求めた人員配置数の中でサービス提供時間に専属で通所リハビリテーションに関わる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士または、通所リハビリテーションもしくはこれに類するサービスに1年以上従事した経験を持つ看護師を、常勤換算法で0.1人以上確保されていなければいけません。また、利用者の数は専従する従業員1人に対して1単位10名以下とし、1 日2単位を限度としなければなりません。ただし、1~2時間の短時間のリハビリは、0.5単位とみなします。

6.通所リハビリテーションの人員基準を満たす際の注意点
通所リハビリテーションの人員基準では、上記のように細かい人員配置が決まっているので人員配置不足による人員基準違反が起こりやすいことが注意点です。また、1日の利用者数も留意しておきましょう。特に診療所では、医師の数により利用者数が決まっているため注意が必要です。人員基準を満たしていないことが発覚した場合には、事業者指定を取り消されてしまう恐れがあります。
各都道府県が独自に事業者へ提供している通所リハビリテーション運営チェックリストなどを活用して人員基準の違反を起こしていないかを確認頂くことをお勧め致します。次回は通所リハビリテーションを運営するための運営基準について解説させて頂きます。

この記事を書いたプロ

合同会社 MASパートナーズ [ホームページ]

経営コンサルタント 原聡彦

大阪府大阪市淀川区西宮原2丁目7番53号 Marutaビル5階 [地図]
TEL:06-6399-6488

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
メディア掲載情報
イメージ

2011年10月より全国の医薬品卸会社のユーザー医療機関に配布している医業情報ダイジェスト(月2回発刊)の連載記事を担当させて頂いております。私が担当している連載記...

 
このプロの紹介記事
原 聡彦(はら としひこ)さん

現場主義のコンサルティングをモットーにしています(1/3)

 医療機関専門のプロフェッショナル経営サポーター「MASパートナーズ」代表の原聡彦さんは、約16年間、神戸、大阪の2つの医療専門会計事務所での勤務を経て2009年10月に起業しました。「私自身が経営者になって、本当の意味でも経営者の孤独を実...

原聡彦プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

院長先生の経営パートナーとして財務と人事面から経営をサポート

会社名 : 合同会社 MASパートナーズ
住所 : 大阪府大阪市淀川区西宮原2丁目7番53号 Marutaビル5階 [地図]
TEL : 06-6399-6488

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-6399-6488

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

原聡彦(はらとしひこ)

合同会社 MASパートナーズ

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
新人スタッフ教育

新人スタッフを早期戦力化させるためにはどんな事をすればいい?」と院長先生や院長夫人からよく質問を頂きます。...

[ 院外事務長の視点 ]

クリニックの広報に役立つ院内新聞

(ご相談内容)開業3年目の整形外科クリニックの院長から「開業以来、4カ月の1度の頻度で院内新聞を発刊してい...

[ 院外事務長の視点 ]

なぜ、あのクリニックのスタッフは定着率が高いのか?

本日は、「なぜ、あのクリニックのスタッフは定着率が高いのか?」と題して、お伝えします。<相談内容>弊...

[ 院外事務長の視点 ]

魅力ある求人票づくりのポイントとは?  ホームページを活用して求人に成功しているクリニックの共通

クリニックの人事労務で避けては通れないのがスタッフの採用です。多くの院長はスタッフを採用すると「期待してい...

[ 院外事務長の視点 ]

整形外科クリニックにおける短時間通所リハビリテーション開設方法③

<前回のおさらい>前回は、みなし指定の通所リハビリテーション開設、通所リハビリテーションの人員基準、診通...

[ 院外事務長の視点 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ