コラム

 公開日: 2013-10-18  最終更新日: 2014-07-11

男女間トラブル事件簿その1~別れ話のもつれによるトラブル事例

 交際相手との男女交際の解消にあたり、深刻なトラブルが生じてご相談に来られる事件は少なくありません。
 こういったトラブル事例は、大きくは以下のように類型化できるでしょう。

ストーカー・暴力型

 相手が別離を受け入れられず、交際の継続やヨリを戻すことの要求や、謝罪の強要、逆恨みによる復讐心によるつきまとい、大量のメールの送信、常軌を逸した頻繁な電話、嫌がらせや脅迫的言動をしたりするケースです。

 また、別れ話を持ち出すとパートナーから暴力を振るわれるため、恐怖心からなかなか別れられないとか、実際に殴られて怪我をさせられたという事案もあります。

金銭トラブル型

 別れること自体は了解しているものの、相手方が、交際のために支出した費用の返還や、同居時期に負担していた生活費の精算、精神的苦痛に対する慰謝料などの名目で金銭要求をしてくるケースです。
 このような事案の多くは、金銭支払請求についての法的根拠が乏しいため、支払を断固拒否するべきです。

 一方で、交際中に、交際相手から多額の金銭を、借用書をきちんと差し入れるなどして、借用ではないと言い逃れできないような形で借り入れた人が、別れるにあたっても返済できずにトラブルとなるケースも多く見受けられます。

婚約破棄型

 交際中に、結婚の約束をしたはずなのに、それが反故にされたということで揉めるケースです。
 法律的には、婚約は、当事者間で結婚について真摯な合意をすれば成立すると解されますが、実務的には、本人同士で単に「結婚しようね」と話し合っていたというだけでは足りず、結納や結婚式の予約、そこまでいかずとも両家で正式に結婚についての挨拶をしたなどの一定の社会的行為が伴わなければ、正式な「婚約」として法的保護の対象として認められる(具体的には、婚約の破棄に関しての損害賠償請求が認められる)には至らないという傾向にあります。

 また、婚約破棄系の類似パターンとして、「相手が『自分は独身だ』と言うので、それを信じて、長期間交際してきたのに、実は配偶者がいた(既婚者だった)」という事案もあります。
 この場合、出会い系サイトで出会ったケースと、いわゆる「合コン」で出会ったケース、それなりにフォーマルなお見合いパーティーで出会ったケースなどで、評価が相当変わります。

妊娠、中絶型

 交際中に、双方が想定していない妊娠をしてしまったことを契機に、子どもを産む産まない、交際の解消や結婚をするかどうか、慰謝料や養育費等の金銭の支払等々で、紛争化するケースです。
 紛争の内容や解決までの道のりはケースバイケースですが、いずれにしましても、そのような想定外の妊娠となった場合、男性側は、女性側との間で、真摯な話し合い、中絶手術をする場合は、その費用その他医療費についての相当程度の支払、その他精神的苦痛や経済的負担の不利益を軽減するような措置の実行を、出産する場合には、認知や養育費の支払についての責任ある対応等を十分になすべきでしょう。



 以上のような男女間トラブルは、どうしても、「つきあっていた相手との間の個人的な問題」として、ご本人が抱え込んでしまいがちです。
 そうこうしている内に状況が悪化したり、看過できない被害が発生したりしてしまいます。

 トラブルが深刻な段階になったと思われたら、我慢したり、独力で解決しようとするのではなく、まず何よりそのような深刻な関係・環境から早く脱出することです。
 交際関係にある(あった)男女間という閉ざされた空間や人間関係においては、非常識な価値観や無茶苦茶な言い分が大手を振ってまかり通っています。
 そこから一歩踏み出して、第三者や社会の価値観や常識を自分の中に入れましょう。
 そして、その問題を日の当たるところにさらし、健全な常識やしかるべき法律が適用される局面に持ち込めば、解決は自ずと見えてきます。

 まずは、私たち弁護士や、場合によっては行政窓口、警察等に相談し、必要な救済や保護を求める。
 この最初の一歩を踏み出してください。
                                                        弁護士 中村正彦

この記事を書いたプロ

弁護士法人 松尾・中村・上 法律事務所 [[[ホームページ http://www.mnk-law.jp/ ]]]

弁護士 上将倫

大阪府大阪市中央区北浜2-5-13 北浜平和ビル4階 [地図]
TEL:06-6222-5701

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

6

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
上 将倫(かみ まさのり)さん

依頼者にしっかりと向き合う。それが私たちの基本理念です(1/3)

 大阪市営地下鉄堺筋線北浜駅を西に数分。北浜平和ビル4階にある松尾・中村・上法律事務所は、その名の通り弁護士3人の共同事務所。今回、インタビューを受けたのは、上将倫(かみ まさのり)さん。関西学院大法学部在学中から、弁護士を目指し、卒業の翌...

上将倫プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

依頼者にしっかりと向き合い、依頼者と一緒に最良の解決を目指す

事務所名 : 弁護士法人 松尾・中村・上 法律事務所
住所 : 大阪府大阪市中央区北浜2-5-13 [地図]
北浜平和ビル4階
TEL : 06-6222-5701

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-6222-5701

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

上将倫(かみまさのり)

弁護士法人 松尾・中村・上 法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
男女間トラブル事件簿その16~婚姻関係破綻後の不貞行為

 配偶者の不貞行為の相手方(浮気相手)に対して、他方配偶者が、慰謝料を請求できることについては、判例・実務上...

[ 男女間トラブル事件簿 ]

男女間トラブル事件簿その15~「リベンジポルノ」

 最近では、「リベンジポルノ」という言葉が当たり前のように使われていますが、この問題は、SNSの普及に伴い、デ...

[ 男女間トラブル事件簿 ]

離婚事件簿その16~財産分与 ― 子供名義の預貯金は誰のもの?

 子供の進学等に備えて「子供名義」で預貯金をもっておられるご家庭は少なくない。 この子供名義の預貯金、子...

[ 離婚事件簿 ]

男女間トラブル事件簿その14~セクハラに対して会社はどのように対処すべきか-最高裁判決を受けて

 平成27年2月26日最高裁判決  「夫婦間はもう何年もセックスレスやねん。」,「でも俺の性欲は年々増すねん。...

[ 男女間トラブル事件簿 ]

男女間トラブル事件簿その13~独身だと信じていた交際相手が既婚者だった!慰謝料を支払うのは誰か?

 「お見合いパーティーで知り合った彼と結婚を前提に付き合っていたのですが、ある日、突然、彼の妻だという女性...

[ 男女間トラブル事件簿 ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ