コラム

 公開日: 2014-03-27  最終更新日: 2014-05-23

「人間関係・対人関係の悩み!まずは自分を知ること」その3

「人間関係・対人関係の悩み!まずは自分を知ること」その3

前回・前々回と2回に渡って「エゴグラムテスト」のご紹介とその読み方について簡単に述べてきました、その中で交流分析では人は誰でも「3つの私(自我状態)」(親の私・大人の私・子供の私)を持っているとも説明しました。

今回はこの「3つの私」がどの様に働く時「対人関係」がスムーズに行われ、どの様に働くと「対人関係」が悩み多きものになってしまうのかを考えてみたいと思います。

交流分析の創始者E・バーンは「対人関係」とは人と人の間で交わされるやりとり(交流)であると考え、個々人が自分と他者とのやりとりを分析することで「対人関係」の傾向を理解し、悩み多き関係からの脱却に役立てようと考えました。E・バーンはこのやりとりにはそれぞれに特徴的な3つの基本パターンがあると述べています。
それは…

1.相補的やりとり
2.交差的やりとり
3.隠されたやりとり     の3つです。

まず相補的やりとりについて考えてみましょう。
相補的やりとりとは、一つの自我状態から発信されたメッセージ(刺激)が発信側の予測する相手の自我状態から予測した反応が返ってくる状態です。これは「コミュニケーションがスムーズで、健全な人間関係の自然な秩序にしたがっている」状態でE・バーンはコミュニケーションの第一の法則と言いました。

具体的には、以下の様な感じです。
 
「部下」→「課長、時計を忘れてしまったので、時間を教えてもらえませんか?」
「上司」→「今ちょうど2時だよ、時計が無いのは大変だね、また遠慮なく聞いてくれ」

これは「部下」のA(大人の私)から発信されたメッセージが、「上司の」Aから反応が帰ってきたやりとりです。

「息子」→「今から宿題をやるよ」  息子のAから母親のPに発信したメッセージ
「母親」→「頑張ってね」      母親のP(親の私)から息子のAに帰ってきた反応




簡単な例ですがこの様に相補的なやりとりが行われると、二人の間のコミュニケーションはスムーズに進行します。相補的やりとりが行われることと、その対話そのものが生産的であることは必ずしもイコールではありませんが、少なくとも二人の間に気まずい空気が流れる事は無いでしょう。

続いて交差的やりとりについて見てみましょう。

「部下」→「課長、時計を忘れてしまったので、時間を教えてもらえませんか?」
「上司」→「仕事に時計を忘れるなんて、君は社会人失格だ!!」

これは部下のAから上司のAに向かって発信したメッセージに対して、上司のPから部下のCに向かって反応が返ってきた例です。

「夫」→「もう少し綺麗に掃除をしてくれたら気持ちいいのに!」
「妻」→「だったらあなたが掃除すればいいじゃないの!!」

これは夫のCから妻のPへ向かって発信したメッセージに対して、妻のCから夫のPに向かって反応が返っています。


    部下      上司            夫       妻

この様に発信側の期待する自我状態とは異なった自我状態から予測しない反応が返ってくると、そのやりとりは交差し、混乱したり失望したり相手を非難する気持ちが起こったりしてコミュニケーションは中断してしまします。

隠されたやりとりについては、少し長くなるので次回に書きたいと思います。

さてこの相補的やりとりと交差的やりとりは、皆さんも日常の中で思い当たる所があるのではないでしょうか、我々が「対人関係」の中でいやな思いをしたり関係がギクシャクしたりしてしまうのは、主に交差的やりとりが行われた時でしょう。

「対人関係」において大切なことは相手から発信された言葉や行動が、相手のどの自我状態から自分のどの自我状態に向けて発せられたのかを理解し相補的な反応を返すこと、平たく言えば相手の発した言葉を相手の立場に立って受け止め、相手が予測可能な反応を返すこと、そしてメッセージを発する側は、相手のどの自我状態に向けて発信すれば自分の想いを受け止めてもらえるのかを考えて言葉を発することでしょうか。

しかし言葉で書くと簡単そうですが、実際の「対人関係」の中でこれを瞬時に行うことはとても難しい事です。前々回のコラムに書いたように、エゴグラムテストの高得点の自我状態がやりとりの中では真っ先に反応してしまうので、それ以外の自我状態に向けられたメッセージに対しては交差的な反応を返してしまいがちです。また互いの関係が近いほど相手は自分を受け入れてくれるという予測(甘え)が働き、言葉足らずになってしまい結果として予測しない反応にさらされるのです。

まずは自分自身の「対人関係」の傾向を正確に理解し、また相手が自分にとって大切な相手であればあるほど相手の傾向を受け入れて、思いやりを持った反応を返すことを心掛けてみましょう。

この記事を書いたプロ

西尾心理療法指導室 [ホームページ]

心理カウンセラー 西尾浩良

大阪府大阪市淀川区西中島6-5-3 サムティフェイム新大阪806 [地図]
TEL:06-6390-3001

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

4

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
商品・サービス
イメージ

「西尾心理療法指導室」では初めての方の為に「初回無料相談」を行っています。自分の症状は心理療法で良くなるのか?どの様な指導をするのか?料金はいくら位なのか...

 
このプロの紹介記事
西尾浩良(にしお ひろよし)さん

心理療法によってストレスを受けにくい性格に改善します(1/3)

 「心のケア」や「メンタルヘルス」に社会的な関心が高まり、職場や教育現場など社会の取り組みも活発化しているのに、「うつ」に悩む人が後を絶たちません。西尾心理療法指導室の院長、西尾浩良さんは「この指導室は、ストレスと向き合い、ストレスを受けに...

西尾浩良プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

ストレスを感じにくい性格をめざす心理カウンセリングの実践

会社名 : 西尾心理療法指導室
住所 : 大阪府大阪市淀川区西中島6-5-3 サムティフェイム新大阪806 [地図]
TEL : 06-6390-3001

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-6390-3001

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

西尾浩良(にしおひろよし)

西尾心理療法指導室

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
その体調不良ストレスが原因かも 心が体に不調をもたらす仕組み

専門家による情報サイト「JIJICO」(ジジコ)に記事が掲載されました。頭痛がする、胃が痛む、急にお腹が痛く...

ストレスの慢性化で発症するパニック障害 その症状と治療方法は?

専門家による情報サイト「JIJICO」(ジジコ)に記事が掲載されました。近年、精神疾患に対する世間一般の理解...

精神疾患とホルモンの関係 必要なホルモンの減少でうつ病になることも

専門家による情報サイト「JIJICO」(ジジコ)に記事が掲載されました。うつ病や不安障害などの精神疾患の罹患...

日常生活でのストレスが命を奪うことも 「キラーストレス」とは?

専門家による情報サイト「JIJICO」(ジジコ)に記事が掲載されました。近年、うつ病や自律神経失調症などの「...

ウソは禁物 採用試験の性格診断テストに仕込まれているワナ

専門家による情報サイト「JIJICO」(ジジコ)に記事が掲載されました。近年、企業が採用試験の初期にネット...

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ