コラム

 公開日: 2010-03-08 

踏み切れないのは何故か


実際に間取り相談依頼のあった、クライアントの話し。
15坪敷地に家を建てたいとの事。家族四人で住めれば良いが、車庫付でLDKは出来るだけ 広くとの要望だった。うむ・・・3階建てしかないなぁ・・・
狭小地住宅はアイデア満載にして挑戦的な住宅を造らないとクライアントの満足度が低いので、 依頼があった時からフンドシを締めなおして(面白半分で)日頃したいと思いながら出来なかった アイデアを盛り込んで、面談に行ったのは9月の事。

プランを見た瞬間の印象が芳しくない。あんまりピンと来ない様子。色々と趣旨を説明しているうちに、 寝室が無駄だと言い出す。ご主人の意向は寝る場所はカプセルホテルの様な感じで全然構わないから、 もっと収納部分を広く取りたいと云う。

    面白い発想をする人だ^^

リビングは奥様は気に入っておられたが、ご主人は一度座ってしまえばそこから動かないので、座った位置で全てのモノが手の届く処にあるのが理想だとの事。
「だったら、LDKももっと狭くして、その分収納にすれば如何でしょう?」
という事で、二週間ほどして第二案目を抱えて打ち合わせに行って来ました。
寝室にはカプセルベッドを4台並べて(重ねて)リビングもそれぞれの座る位置まで想定して 収納を造って・・・
それでもまだピンと来てない様子。

まだ圧倒的に収納スペースが足らないのだそうだ。家に置いてある荷物の内訳を聞いてみると 半分は家財道具だが半分は自営業の為の事務書類の入ったダンボールの山だそうだ。 資料として何時必要になるか判らず捨てるに捨てられないとのこと。 そしてもっと過激な事をのたまう。食事も立って食べても全然平気。
キッチンテーブルも必要ないと言い出す。倉庫の中に水廻りを持ってきた感じをイメージしているようだ。

「奥様はそれでいいんですか?」と聞くと「絶対反対!リビングは広く、カプセルホテルはもってのほか」 要するに家族の意見が全然纏まっていない。もっと話しを聞いていく内に、プラン作りを10年前から やっていて堂々巡りをしているのが判ってきた。じっとお二人を観察していて、このご夫妻は類稀なる バランス感覚の持ち主だという事が判って来た。
片方が広くと云えば、片方は狭く。収納スペースを広く取りたいけど予算は○○円以内(出来ない!!) 寝室も個室が欲しい奥さんに対し旦那さんはカプセルベッドで充分。 極論すれば新居で夢一杯の奥さんに対し、意識する・しないに関わらず現状でも満足している旦那さん (ダンボールに囲まれての生活らしい)こう云った対極が絶妙なバランス感覚となって、現状を打破 できないでいる。

ご夫婦の間での意見の相違は良くある話しです。でもこれが自分ひとりだけの場合でも結構似たような 事をしているのです。現状を打破したいと願う自分と、現状のままでいたい自分が混在するのです。 あれもしたい、これもしたいと積極的な自分がいる反面、そんなことをしてもし失敗すれば今までの苦労が 水の泡になる。そこまで行かなくても現状より悪くなる可能性ある。とブレーキを掛ける自分が存在するのです。
メリットとデメリット対比させるまでは良いのですが、そこから結論を導き出せない人が結構いるのです。

この記事を書いたプロ

岡田一級建築士事務所 [ホームページ]

一級建築士 福味健治

大阪府大阪市阿倍野区天王寺町南2-15-17 グリーンハウス401 [地図]
TEL:06-6714-6693

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
費用等について
イメージ

【お問い合わせ方法】右側の「メールで問い合わせる」かhttps://mbp-osaka.com/oado/inquiry/personal/↑をクリックして下さい。【氏名はハンドルネームでも構いま...

日本住宅再生研究所
日本住宅再生研究所

●特定非営利活動法人 日本住宅再生研究所とは? (Japan House-reproduction Laboratory) {略称JHL} 高度成長期に粗製濫造された木造住宅が、一斉に物理的耐用...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
福味健治

思い入れを形にします(1/3)

 家を建てようと思い立った時、いきなり設計事務所を訪ねる人は少ないでしょう。建て売り住宅を見学したり、ハウスメーカーや工務店に相談したり……。そのあたりが第一歩になるのではないでしょうか。岡田一級建築士事務所の所長、福味健治さんは「設計事務...

福味健治プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

飽きが来ない、いつまでも大事にされる家を設計する

事務所名 : 岡田一級建築士事務所
住所 : 大阪府大阪市阿倍野区天王寺町南2-15-17 グリーンハウス401 [地図]
TEL : 06-6714-6693

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-6714-6693

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

福味健治(ふくみけんじ)

岡田一級建築士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

夢のマイホーム。完成するのが楽しみです

今年に入ってから仕事が一層忙しくなってなかなか時間が作れ...

K
  • 30代/女性 
  • 参考になった数(4

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
自己紹介動画【初めまして^^福味です】

はじめまして^^市井の建築家、福味 健治 です。これから動画配信も行って参ります。関連動画家を長...

[ 【カフェテラス】 ]

ヒアリより怖いアリがいます
イメージ

ヒアリが神戸港で発見されました。噛まれるとアレルギー性のショックを起こし、最悪死に至る事もあるそうです。人...

[ 【メンテナンス】 ]

スキップフロアは狭い敷地に有効な手段です

 ワンフロアで間取りが収まらない場合 普通に考えると一階には玄関・ホール・リビング・ダイニング・キッチン...

[ 【賢い家造り】 ]

二階リビングの住み心地
イメージ

 リビングは一階にないといけないの? ハウスメーカーの間取り集や建売住宅のチラシを眺めていますと、二階...

[ 【賢い家造り】 ]

予算が無い時ほど設計事務所の力が必要

 設計料が高いのに何故設計事務所に依頼するのか 建物を建てようと思えば、建設費以外にも様々な費用が必要で...

[ 【賢い家造り】 ]

コラム一覧を見る

求人情報
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ