コラム

 公開日: 2012-01-16  最終更新日: 2012-10-16

エアー断震(免震)は建築基準法で必要な大臣認定を取得していません。

最近このサイトに、「エア免震」を意味するキーワードで検索される方が増えています。
国交省と大阪府にコンプライアンスの確認を行ったところ、下記の回答が得られました。
---------------------------------------------------------------------
●国土交通省
住宅局建築指導課 03-5253-8513
・建築基準法 第68条の26(構造方法等の認定申請)に定める大臣認定をとっていない
場合、建築基準法違反

●大阪府
建築確認グループ 06-6210-9724
・本省指導課の判断に同じで、建築基準法違反
・指導が入った場合、法的な安全性が確認できていないため、合法な内容に変更するよう
指導する
・大阪府下の物件(府の管轄ではないが)で指導が入り、確認の内容通りに基礎を固定
or大臣認定をとるよう指導した例がいくつかあるとのこと

----------------------------------------------------------------------
建築基準法では、上部構造部と基礎を固定することが定められています。上部構造部と
基礎を固定せずに建築出来るのは、大臣認定を取った免震装置だけで、それ以外は全て
違反建築となると云うのが結論です。

既に全国で数十棟の実績があるとも聞いていますが、これら全てが違反建築であることを
意味しています。エアー断震(免震)メーカーが大臣認定を取得したと公表しない限り、事実を詐称
して、確認申請が下りたとしても、建築は許されません。

勿論、長期優良住宅等の助成金や、フラット35と云った優遇利子制度も活用出来ません。

【断震と云う名称について】
断震と云う言葉は開発者坂本氏の造語で、免震と云う言葉は中国人が聞くと、非常に印象が悪いので断震と云う言葉を用いるのだ。と云う事でした。
日本では、建築基準法に断震と云う言葉の定義が無く、エアー断震の装置そのものを客観的にみると、疑う余地無く免震装置の範疇に入ります。
免震装置である以上大臣認定を取得しなければ、利用出来ないのは当然なのですが、法令を無視する企業姿勢は事故が発生した場合、ユーザーにも同じ姿勢で臨む表れだと考えています。

-------------------------------------------------------------------------
【3月9日追記】
昨日毎日放送でエアー断震についての放映があり、今まで以上に関心が高まっていますので
追記いたします。
以前電話確認による、省庁の見解を掲載しましたが、2月24日にメールでも回答頂いております
ので、加えて掲載します。

******************************************
 国土交通行政近畿ブロックモニター運営事務局です。
 貴殿より2月17日に提出のあった随時意見について、担当部署より以下のとおり回答が
ありましたので、ご連絡いたします。
(回答全文)
 国土交通行政インターネットモニターホームページへアクセスいただきまして、ありがとう
ございます。「随時意見書 エア断震の違法性について」の提出ありがとうございました。 
 そちらの装置を用いた建築物については、特殊な構造であることから、大臣認定の取得が
必要です。また、その旨今後とも適切に指導して参ります。
 今後とも「国土交通行政インターネットモニター」をどうぞよろしくお願いします。
******************************************

私は、国土交通省より委託を受けて、国土交通行政を外部から監視するインターネットモニター
もしています。
以前NPO法人「森の極」と云う団体から、エアー断震の勉強会があると聞きました。
木造住宅に適した免震装置は、IAU型免震装置一社しかありません。
免震装置の適正な発展を考えるなら、一社独占は不健全と考え期待を持って参加しました。
http://www.yashironokiwami.com/newsreportof%20airdanshinbenkyokai.html
しかし、エアー断震開発者本人が、「大臣認定を取得する気は無い。既成事実を積み重ねて、
告示免震条項を有名無実にする」と宣言され、実行されていることに落胆して会場を去りました。

大臣認定を取得しない理由はただ一点、経済的理由です。免震装置の大臣認定取得は億単位の
費用が必要です。個人が賄える金額ではありません。国交省のお役所体質が、ユニークな発想を
排除してしまっている結果ですが、だからと云って安全検証をしなくて良い訳がありません。
重箱の隅をつつくような、極端に偏芯荷重を設定してみたり、免震装置に極端な負荷を掛けてみたり、過剰とも思える悪条件で安全性を検証してこその大臣認定であり、安心して使用出来るのです。
浮いたと喜んでいるだけなら今の装置で充分ですが、単調な正弦波だけで、震度7に耐えた実証にはなりません。地震波は縦横上下あらゆる角度から不規則に襲います。

私はエアー断震の性能を否定するものではありません。建築基準法を順守しない姿勢に反感を覚えるのです。
安全を検証せず、既成事実を拡大して行くことは、消費者をモルモットにしていることに他なりません。
【過去の関連コラム】
http://mbp-osaka.com/oado/column/2166/

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