コラム

 公開日: 2013-10-09 

ニュータウンの再生

ニュータウン開発が昭和40年代初めから現代に至るまで続いています。初期のニュータウンは高齢化が進み今やゴーストタウンになっているところも多いと聞きます。同じ年齢層ばかりの街では高齢化も一気に進みます。既製の街と違い緩やかな世代交代が行われないのです。もう一つ先祖代々住み続けられて来た街ではないので、子世代が住み継ごうとはしません。子世代はまた親と同じように新しいニュータウンを目指します。日本がお手本にしたアメリカのニュータウンでも同じ現象が起こっており、その地域全体をリタイヤタウンにする計画もあるそうです。
ばらつきが無いのは、年齢層ばかりではありません。そこに建てられている建物も均質化しているのがニュータウンの特徴です。特に古いニュータウンは無国籍な大量生産に都合の良い建てられ方をした住宅が立ち並んでいます。それらも現在耐用年数を迎えようとしています。
ここで云う耐用年数とは経済的耐用年数です。物理的にはまだ耐えられるのに、人がもうその価値を認めない無価値な建物と云う意味の耐用年数です。

では何故、経済的に無価値なのかを考えてみましょう。

まず初めに、新しい世代の人が空家があるからと言って、成熟した高齢者の多い古いニュータウンに住めるでしょうか。子供の友達も近くにいない、子育て世代の共通の悩みや問題を共有出来る人が近所にいない。それだけで、結構大きなバリアとなります。見ず知らずの人が田舎の村中に突然引っ越す時と同じ様な抵抗がそこにはあります。
では、元々住んでいたニュータウンの子世代は何故、住み継がないのでしょうか。子供世代が住み継げばニュータウンの世代交代が順調に進む様に思いますが、現実はそうはなっていません。いずれは親の面倒を見ると考えても、その時は親の家に転がり込むのではなく、親を呼び寄せると云うカタチを取る様です。子供の学校や主人の職場の関係等理由は色々ありますが、親の住んでいた所に同居するケースは少ない様です。

こうして開発当初もてはやされた、ニュータウンは気位ばかりが高くて、現実は買い手の付かない無価値な街になって行きます。

ニュータウンを再び活性化させようとするならば、これは規制緩和しかありません。敷地面積が広くても建ぺい率・容積率が抑えられて、二世帯住宅も満足に造れない地域では、活性化するはずがありません。生活環境が悪くなるのには積極的ではありませんが、せめて建ぺい率・容積率を緩和すべきかと考えます。

それと建替えするのであれば、造り手の都合で家を造るのではなく、住まい手の都合の良い家を建てるべきです。それは住宅メーカーの家を買う感覚に比べれば、労力を要する行為ですが、建てる時にする苦労は建ててからは愛着に変わります。家に対する愛着を第一世代が持っていれば、それがその家の文化となり第二世代に受け継がれます。つまり経済的耐用年数の長い家となるのです。

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