免震住宅・省エネ住宅設計のプロ
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コラム
2010-05-06
空気で浮上する免震装置(エア断震)の勉強会に行きました。
空気で建物を浮かせることでTV等で話題になっている「エア断震」
先月大阪で開催された勉強会でこの装置の開発者本人から、
話しを聞く機会がありました。
地面の上にコンクリートで人工地盤を造り、その上に基礎を乗せて
建物を建てる方法で、人工地盤と基礎との間にコンプレッサーで空気を
送り込んでホーバークラフトの様に建物を上げてしまう構造との事でした。
「エア断震」と云う名称を使っておられました。
地震力を建物に伝えない意味からは広い意味での免震構造ですが、免震構造は告示で
「動力を用いずに作動し且つ、動力を用いずに原点復帰すること」が条件付け
されていますので、「エア免震」とは名乗れない背景がある様です。
また、免震構造は現在ハウスメーカー等が個別に認定を取得した「大臣認定免震」と
一般に誰でも活用出来る「告示免震」とがありますが、この「エア断震」は、
許認可取得まで数千万円規模の申請費用が必要との事から免震とは名乗らずに、
規制事実を積み重ねて、なし崩し的に認めさせる方向で活動しているとの事でした。
当然、建築基準法に照らし合わせて、合法的に建てられるのかと云う質疑が上がりました。
開発者曰く「地面に接しているコンクリートは基礎ではなく、あくまでも人工地盤としての
申請を行い、その上に基礎を乗せれば基準法上何の問題も無いと解釈している」との事でした。
(これには疑問を持っています)
また、「竣工検査を受けるまでは浮かせない。浮かした時点で違反建築になる」と云った内容の発言もされていました。
要するに、現行建築基準法は建物が動く事自体を想定して書かれたものでは無い為、
その盲点を突いて強引に許認可を下ろしている印象を深く受けました。
本来「認定免震」にしても「告示免震」にしても数千万円の費用を費やして、安全を検証し
装置の限界を把握して独自の施工基準を設け、安全対策マニュアルを策定して初めて許認可が下りる訳で、その作業を経済的理由だけで省略してしまっているのです。
と云う事は仮に、現行基準法で規制出来ない事を逆手に取って、建築出来たとしても、
その事により派生する一切の責任を設計者や開発者が負わなければならない事になります。
極端な話しをしますと、地震時に建物が動いてブロック塀との間に人が挟まる事も有り得る訳です。
「エア断震」にはその様な事を想定した安全対策マニュアルが無いのです。
これでは建築基準法違反はうやむやになっても刑事訴追を受けます。
(禁止条項が無い為に、生食用で無い肉を生食用として売っていたのと同じです。)
私は非常に興味をそそられましたが、法令順守しない企業姿勢に反感を覚えました。
【H24.1.16加筆】
国交省・地方自治体にコンプライアンスの確認をした結果、下記の回答が得られています。
表示した地方自治体以外はまだ未調査です。
★東京都
建築指導課指導係構造担当 03-5388-3372
・国土交通省からエアー断震に対して「使用できない」旨の指導がでているとのこと
・使うとすれば個別の大臣認定とってのこと
★国土交通省
住宅局建築指導課 03-5253-8513
「大臣認定をとっていない場合、建築基準法違反」
★茨城県
土木部都市局建築指導課 029-301-4716
「大臣認定ないので建築基準法違反」
★栃木県
建築課建築指導班 028-623-2512
「大臣認定ない場合は、建築基準法違反」
★千葉県
県土整備部建築指導課 043-223-3183
「千葉県としては認めておりません。」
★埼玉県
建築安全課震災対策構造指導担当 048-830-5519
「大臣認定ない限り建築基準法違反」
★静岡県
環境部建築住宅局建築安全推進課 054-221-3075
「大臣認定取ってないので、建築基準法違反」
★愛知県
建築指導課建築指導グループ 052-954-6586
「大臣認定ない場合は建築基準法違反」
★岐阜県
都市建築部建築指導課 058-272-8680,8685,8691
「大臣認定ない場合、建築基準法違反」
★三重県
建築開発室確認審査G 059-224-2707
「本省(国土交通省)と同じ」
すなわち、
「大臣認定をとっていない場合、建築基準法違反」(国土交通省住宅局建築指導課)
★大阪府
建築確認グループ 06-6210-9724
「本省指導課の判断に同じで、建築基準法違反」
すなわち、
国土交通省住宅局建築指導課の
「大臣認定をとっていない場合、建築基準法違反」
「大阪府下の物件(府の管轄ではないが)で指導が入り、基礎を固定、または、大臣認定をとるよう指導した例がいくつかある」
★★各県とも、国土交通省と同じ見解で、
エアー断震は、
「大臣認定取ってないので、建築基準法違反」
と言うことです。
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