コラム

 公開日: 2015-01-15 

地震対策のマスコミ報道

阪神大震災から20年を経過しようとしています。
思えば本当に大きな災害でした。日本の景気は阪神大震災から大きく下降線を描くようになった気もします。後世の経済学者は18世紀に起ったリスボン地震や、阪神大震災を例に挙げて、国家の衰退と地震の関係を研究するでしょう。

マスコミでも20年を迎える阪神大震災を機に、地震対策の成果を報道しています。
人々の心を風化させない様に、いつまでも教訓として心に留め置く効果は大したものです。ともすれば忘れてしまいがちな地震の記憶を改めて、思い返させてくれます。
但し、その報道姿勢に常に疑問を抱いてしまうのも事実です。特に民法での報道方法に多くみられます。

昨日も、夕方のワイドショー的な報道番組で、木造の伝統的工法の有用性について紹介している番組がありました。
木造在来工法(現在の一般的な建て方)に比べ、伝統的工法は大きく揺れるが粘り強い。基礎を用いず礎石の上に柱を載せているだけの建て方の為、礎石部分で柱が免震する等の特徴を紹介していました。紹介された先生もあくまでも、伝統的工法の特徴を述べられていたように、私には受け取れました。

しかし、廻りにいるキャスターが、よりセンセーショナルに伝えようとしたのか、あたかも在来工法がダメで伝統的工法が良いと云う印象を与える様な会話に終始していました。確かに現行法では現在の災害の大きさに対応しきれていない部分もあります。現行法には免震の概念がないので地震の影響を建物がモロに受けてしまいます。

ただ、だからと云って、免震工法が究極の地震対策かと云えばそうではないのです。例えば液状化するような土地では免震工法は適しません。現行法の様に基礎と土台をアンカーボルトでしっかりと結んでいないと、地面そのものが液状化で浮力を失ってしまえば、より大きなダメージを建物に与えてしまします。

伝統的工法が在来工法に勝る工法だと云った様な、報道の仕方は間違っています。建物を地震から守るには、究極の工法なんて存在しないのです。(こう云ってしまえば視聴率は稼げませんが・・・)
地盤条件、建物形状、建物の構造、気候風土、それらを吟味して最適を思われる工法を選択するのが、建築家の仕事です。建築家が個別に対応していかなければ地震に強い家にはならないのです。

云い方を変えますと、地震対策に一般解はないのです。特異解ばかりなのです。その特異解を見出すのが建築家の仕事です。

ショー的に見せるのなら、伝統的工法VS在来工法と云った、両者の言い分を公平に伝える様な工夫があっても良い様に思うのですが、製作費が無いのかどうも安易に流れがちな報道になっています。

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