コラム

 公開日: 2016-02-17  最終更新日: 2016-02-26

住まい再好築【リフォームチラシの見分け方】

大手企業のリフォーム・リノベーション事業への進出が加速しています。大手企業のネームバリューを背景に中古の住宅を新築と変わらない様にリノベーションしますと云う振れ込みです。ネームバリューと云うのは信用力に他なりません。
●「あれだけ有名な会社だから、滅多なことはしないだろう。」
●「少なくとも無名の地場の工務店さんよりも、何か判らないけど難しい計算をして、家の安全性を確保してくれるのだろう。」
●「建て替え費用の約半分で新築同様になるのなら安い」
●「料金体系が簡単で追加工事費が一切発生しないと云ってる」
●「内装水廻り設備すべて新品にすることが標準仕様になっている」
●「無料で耐震診断をしてくれるから良心的だ」
広告を見た反応は様々でしょうが、心惹かれる内容は上記の様な感じだと思います。果たしてこれで本当に信用して良いのでしょうか。信用するためにはその広告が信用に足る情報を発信してるか否かにかかります。
専門家の立場から疑問点を読み解いてみます。
●あれだけ有名な会社だから滅多な事はしないだろう
有名な会社でも滅多な事はします。最近では免震装置に虚偽の申請があって大きな問題になりました。十数年前には大きな耐震偽装の問題がありました。
そこまで大きな問題にならなくても、信頼がおけるおけないと云うのは、建築業界に於いては大きな問題です。目の前にあるモノを買うのではなく、未だ目に見えないものに値段をつけて、顧客を満足させることを請け負うのが、建築会社です。
滅多な事をするしないと云うのは、最終的には担当者と建築主の信頼関係の上に成り立つものです。営利企業である以上会社の担当者はサービスを提供する義務と企業の利益を守る狭間で格闘しています。会社の大小ではなく、個と個の信頼関係なのです。
●「少なくとも無名の地場の工務店さんよりも、何か判らないけど難しい計算をして、家の安全性を確保してくれるのだろう。」
大手の会社ほど、資料作成は緻密です。施工基準やマニュアルを、法律を根拠に作成し、それに則って均一なサービスを提供することに長けています。
それは事実なのですが、現在既存住宅の耐震性のを判断する基準が少なくとも三つ存在しています。
一つは「建築基準法」、二つ目は「住宅性能評価」、三つ目は「木造住宅の耐震診断と補強法」と云う技術基準です。建物の健全性を診断するのにどの法律を用いても良いのですが、計算結果が三つ共異なった結果を表す場合があるのです。一つ目でOKでも二つ目ではOUTになることもあります。その逆もあります。
ベテラン建築士が、建物の形状や傷み具合、使われ方等を鑑みてどの方法で査定するのが最も適切か判断し、その結果を持って、補強に当たると云うのが最も適切な処置なのですが、多数の顧客を抱える大手企業では個々の判断は通用しません。同一のサービスをしないと不公平が出るためです。
その結果、本当に自分の家に合った補強が、本当になされたのかと云う疑問が残ってしまいます。
●「建て替え費用の約半分で新築同様になるのなら安い」
半額と宣伝で謳われていても、根拠が曖昧です。建て替えした場合、当然ながら間取りも延床面積も変わるでしょう。仮にリフォーム後と全く変わらないものを新築した時と比較として、半額になると云うのなら、うわべだけのリフォームの疑いがあります。新築とそっくりにすると云うのであれば、基礎と構造体以外は新品にしないといけません。建築工事費のうち基礎と構造が占める割合は3割程度です。リノベーションを行うのであれば、新築工事の7割で出来ると云うのであれば納得できるのですが。。。。
●「料金体系が簡単で追加工事費が一切発生しないと云ってる」
これは、前もって予想される追加工事分を見積もりに計上している事にほかなりません。項目として表れてないだけです。
逆に云えば、解体してみて構造体に傷みが無ければ、予想される追加工事そのものが利益になることを意味しています。
●「内装水廻り設備すべて新品にすることが標準仕様になっている」
リフォームに標準仕様はありません。新築ならいざ知らず条件がすべて異なるリフォームに標準仕様を設ける事は、不合理です。現在気に入って使っている設備もあるはずで、その分割り引いてと云っても、大量一括購入している設備だからと、ごくわずかな値引きで済まされてしまいます。リフォームに標準仕様と云う概念を持ち込む事はナンセンスです。
●「無料で耐震診断をしてくれるから良心的だ」
大震災の時の応急危険度判定士の様に、建築専門家がボランティアで建物の健全度を調査判定することはありますが、営利企業の為にボランティアで耐震診断する建築専門家はおりません。当然ながらそこには費用が発生します。
無料と謳いながら、そこにはリフォーム費用の中に経費として計上されています。耐震診断費と云う項目が無いだけの話しです。もちろん耐震診断のみで契約に至らない場合もあるでしょうから、そう云ったただ働きの経費までも契約出来たリフォーム費用に含まれていると思って間違いありません。

宣伝や広告を情報として捉えるのは誤りです。それには良い事、都合のいい事しか羅列されていないからです。
情報を得るには、客観的な第三者の判断が必要になりますが、それはそれで費用の発生する問題です。宣伝や広告の中から、情報を取捨選択する技術として。。。
①イメージ戦略(心地よい言葉)に終始していないか
②数値で示し客観性が覗えるか
③情報発信者の顔が見えているか
④実績を評価できるか
等々が挙げられます。大きな買い物ですので、費用は掛かりますが、新築だけでなく、リフォームも設計事務所に依頼され、建築主になり代わり適切に監理してもらうのが失敗しない方法かと思います。

住まい再好築とはhttp://mbp-osaka.com/oado/column/27871/

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