コラム

 公開日: 2016-09-01 

住まい再好築【未来の家】コラム

未来の家に思いを馳せてみる

100年住宅とか200年住宅とか広告チラシの見出しを賑わせています。しかし、プロの目から見て納得できる内容と滑稽に思える内容があります。どういった面が納得出来てどういった面が滑稽なのか解説します。
そもそも、長寿命の住宅にする所以は資産価値が目減りしないと云う前提があるはずです。

納得できる内容

国交省が長期優良住宅制度を定めて、それ以来住宅の資産価値を高める模索がなされています。各ハウスメーカーもそれに伴い維持管理や構造・耐久性と云ったハード面は100年とかメンテさえ行えば200年でも使用可能な家が作られています。それは、ハウスメーカーの規格に沿わなくても長期優良住宅制度を活用すれば、町の工務店でも同等の性能が得られる問題で、ことさら100年住宅と宣伝する内容でもなく、もはやこれからの住宅としては必須となっていくでしょう。

滑稽な内容

数値で表現できる内容のものは10年前と比較しても現在の工法は格段に進歩していますが、住まいに対する思想・文化と云ったものはとても100年の使用に耐える事が出来ません。一言で云えば飽きてしまうのです。

玄関:昔の家に比べ広くなる方向にはありますが、いまだに旧態依然とした下駄箱が鎮座しています。服を変える都度靴も変える時代になっても、背が高くなっただけで下駄箱と云う発想の延長です。

廊下:昔の家は個別空調の必要に迫られていた為廊下を通じて各部屋の移動を行っていました。現在の家づくりは家全体の断熱性能を高め、ヒートショックの起こらない家になっています。もはや玄関→廊下→各部屋と云う発想に縛られなくても十分快適で広々とした家造りが可能なのですが、未だに廊下が存在しています。

リビング:さすがに応接間を設ける家は少なくなってきましたが、ただ広いだけのリビングが巷に溢れています。リビングを広くしなければならない理由は、特に置く必要のない家具を置いてみたり、物入れが少ないために家財道具が氾濫しているためです。収納を効率的に考えればリビングはコンパクトでももっと広々と過ごせるのです。今の思想ではリビングが広いと、散らかる場所が広いのと同義です。

その他住まいの思想が、旧態依然とした思想のまま長期優良住宅を構築しているため、物理的に100年持っても実質は30年もしたら建て替えられる運命にある家が、ハウスメーカーの家も含め殆どです。

未来の家

では飽きられない家とはどんな家なのでしょうか。

構造と間取りを分離した家:家族の成長と共に間取りを容易に変える事が可能であればその分家は長持ちします。

家のIT化:これからの家はスマホでコントロールするようになります。スマホがひと昔前のTVアニメの魔法の杖の様な使い方になります。スマホで戸締りしたり、スマホで家の外から空調をコントロールしたり、スマホで外出先から調理したりです。その為の設備に対応できる思想が必要になります。

キッチンの革命:これから調理の主流は冷凍食品に移行します。趣味としての手作り料理は残るでしょうが、日常の食生活は冷凍食品が賄う様になります。その為現在のシステムキッチンよりも冷凍庫と電子レンジの使用が飛躍的に増大することになるでしょう。システムキッチンの現在の標準はI型キッチンで2.55mのサイズが主流ですがそれを1.6m程度に縮小してもパントリーや、使いやすい冷蔵庫・電子レンジの配置を考える方が使いやすいキッチンとなるでしょう。

洗濯の革命:アイロンの使用は形状記憶ワイシャツ等衣類の進化で殆ど使われなくなっています。これからは洗濯物を干した針金ハンガーでそのまま、たたまずに収納できるスペースを確保するようになるでしょう。その為洋服ダンスは消滅します。

文化的価値の見直し:古びた家に見せない工夫が必要です。古びるとは素材そのものが劣化する場合と、流行遅れになってしまう事の二種類があります。安物の材料のみが劣化する訳ではありません。また今は誰もが常識的に使うデザインでもそれが永遠とは限りません。永遠を模索するなら伝統に回帰する必要があります。400年前の住宅が現存し今も使用されている状況を考えるに、和風住宅を再評価していく必要が100年住宅には求められます。

その他新しい発想の元構築出来た家のみが、100年住宅にふさわしい家となっていくでしょう。

この記事を書いたプロ

岡田一級建築士事務所 [ホームページ]

一級建築士 福味健治

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