コラム

 公開日: 2018-07-07  最終更新日: 2018-07-08

間取りを仕切らない・区切らないと言う選択肢

日本には個室の文化が無い

古来日本人は大家族で生活していました。それも一つの部屋で家族全員が寝起きする生活スタイルです。
下の画像は縄文時代の竪穴式住居です。入口は狭いですが中は以外なほど広く家族全員がそこで寝起きします。

縄文時代は12000年間続きました。一つの文化が12000年も続くのは世界に類を見ません。その文化が現代の日本人の中にも染み付いています。
明治維新の例もある様に文明は一瞬で大きく変化しますが、文化は長い時間を掛けないと変化して行きません。その証拠に、縄文時代から古墳時代、弥生時代、飛鳥時代へと時代が下っても、人々の生活様式はあまり変化していません。下の画像は飛鳥時代の住居です。

更に時代は下り平安時代になっても庶民の住まいは、さほど変化しません。

竪穴から脱してはいますが、外壁はまだ低く床を造る事が出来ません。土間の上に藁を敷いてその上で家族全員が生活しています。
室町時代に入ると私達が現在に見る、日本民家の原型が出来上がります。用途ごとの部屋の分化が始まります。

しかし独立した個室では無く開閉可能な襖や障子で仕切られただけの空間です。ルイスフロイスが自国に「日本の家は木と紙で出来ている」と報告していますが、半分当たっています。

江戸時代になっても生活様式にあまり変化は無く、間取りの分化は進みますが、基本的には建具を外せば一間になってしまう間取りです。

明治時代に西洋から個室の概念が導入され、日本の民家に廊下が登場し、廊下を通って各室に入る本当の意味の個室が生まれます。

それから昭和に時代が下っても、あまり生活様式は変化しません。下はお馴染みの磯野家の間取りです。

明治以降の間取りは、江戸時代までの続き間の生活様式に応接室と云う今まで無かった概念の部屋を設ける為に廊下を取り付けたのが始まりです。まだ消化されておらず、どう見ても日本人の生活様式から見ると違和感を覚えます。
応接室は大体に於いて日当たりの良い、敷地の中でも一等地に設けられます。その奥の茶の間は昼でも照明が必要な薄暗い空間です。いまだにこの様な違和感のある間取りが踏襲されているプランを稀に見る事があります。
それほど、文化と云うものは変化しないものなのです。
それならば、江戸時代以前の生活様式に立ち返った方が日本人らしい生活が出来るのではないでしょうか。

仕切らない・区切らない生活様式

家の仕切りを極力なくす事により家族のコミュニケーションが楽になります。長い人生に於いて子供と生活するのは二十数年間の程度です。人生の1/4~1/3の期間だけしか子供と一緒に生活する事はありません。また、西洋の様に日本人は個人主義が発達していません。生まれた時から死ぬまで親は子をかまう生活習慣が定着しています。
俄かに、間取りだけ個室を作ってもどう云う風に生活して良いのか分からないのです。その為引き籠りが問題となったり、個室が家庭を崩壊させてしまう土壌となっているのです。
それならば、西洋式の生活習慣に合わせるのではなく、日本人が最も快適と考える間取りを明治以前に求めた方が快適なのではないでしょうか。
下の間取りは、客間以外の個室を排除した間取り例です。また一階と二階も有機的に結合させるため、9帖の吹抜けを設けています。吹き抜けを設けることにより、一階にいても二階のどこに誰がいるかが手に取る様にわかります。何をしているか分からないまでも、家族の気配を感じながら生活出来るのです。




光熱費が安くなる

部屋を細かく区切れば、区切った台数だけ空調機が必要になります。温暖化の影響か、日本人が贅沢になったのか、リビングにだけクーラーがあり、個室にはクーラーが無い家なんてもう見かけなくなりました。部屋の数だけクーラーがあります。
部屋を区切らずにいるとクーラーは各階に一台ずつで済みます。
普通の家であれば、台数を減らした分だけ馬力の強いクーラーが必要になりますが、間仕切りを無くす事により浮いた費用を屋根や外壁、開口部に投入し、二重屋根・二重壁、二重サッシュにすれば、熱の侵入や逃げるのを防ぐ事が可能になりますので、馬力の小さなクーラーで済みます。
また基礎断熱を施して床下に地熱を貯め込み、ダクトファンで室内に循環させる事により空調を補助する事も出来ます。地熱は年間を通じて16℃と一定で、冬は暖かく夏は涼しいので、室内に循環させて空調に利用すれば、従来の家よりも光熱費を抑える事も可能になります。
地熱利用の家

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