コラム

 公開日: 2017-05-25 

近大マグロは何故メジャーになったのか ~17~

<オークジェイ(oak-j)戦略モデル6つのポイント Branding SPNSOR> 
今回は商品のブランディングや販売戦略を進めるにあたり、どのようなポイントに注意を払っていけばよいのかについて紹介したい。
ここで紹介するポイントはS・P・N・S・O・Rの6つである。「6・3・3で12年♪」という学習机のコマーシャルが昔あったが、世の中の動きが目まぐるしく変化する中で12年もかけてはいられないので、頑張って12か月くらいで目途を立てるくらいの気持ちが大切だ。
それでは以下に6つのポイントについて説明していく。

1)シンプル性のS(Simple is best)
商品を表現する場合、生産者の目線で見るか、顧客目線で見るかについては大きな違いがある。
例えばネーミング。その商品名によって大きく売り上げが左右されることはよく知られている。生産者はその商品について開発から取り組んできているので多少複雑で難しい名前でも違和感なく受け入れたり覚えたりすることができるのだが、消費者の立場に立って考えると、「名は体を表す」という言葉もあるように商品名を聞いて「商品がイメージ」できるか、違和感なしに耳触りが良いといった「ゴロが良い」か、商品名を聞いて「あっ、それ知っている」といったインパクトがあるか、また、その商品名から企業の「目的やビジョン」が感じられるか、などにおいて消費者が覚えやすいようにネーミングやキャッチコピーはシンプルにすることが重要だ。
「おーいお茶」や「通勤快足」「コロコロ」などは、いずれも耳触りが良く、聞いたことのある言葉の組み合わせで、シンプルで商品がイメージしやすい。ちなみにこれらの商品がヒットする前の商品名は、それぞれ「缶入り煎茶」「フレッシュライフ」「粘着式カーペットクリーナー」だった。それぞれになんとなくヒットしなかった理由がわかるような気がするのは私だけだろうか。
実は「近大マグロ」というネーミングもすんなりと決まったわけではなかった。当時「近大」という呼び方は蔑称としてとらえられたこともあり、「近大マグロ」というネーミングに反対し、正式名称である「近畿大学水産研究所産完全養殖クロマグロ」とすべきではないかという意見も、会議で真剣に議論されるという一幕もあったのだ。
商品を販売していくにあたり、生産者という専門家だからこそ陥りやすい落とし穴を心に刻み込んでおかなければならない。

2)プロモーションのP(Promotion methods)
どんなに素晴らしい商品でも顧客の目や耳に情報として届かなければ決して売れることはない。そのような意味でも広報宣伝戦略は大変重要な事項であり、大きく分けて次の6種類が挙げられる。
①広告宣伝
企業が広告主となり、企業負担(有償)で行う宣伝のことで、TVで放映されるCM、新聞・雑誌、インターネットに掲載される広告、看板など。
例えば以下のようなものが挙げられる。
印刷広告(新聞、雑誌、チラシ、パンフレットなど)
放送広告(テレビCM、ラジオCM、映画広告など)
電子広告(ビデオテープ、ディスク版、ウェブページなど)
ディスプレイ広告(看板、ポスター、店頭ポップなど)
パッケージデザイン、シンボルロゴなど
②広報宣伝
マスメディアなどを通じてニュースや記事として報道されるもので、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどに対するニュース素材(新製品情報など)の提供、プレスリリース、機関紙、会報などのコミュニケーション・ツールがあげられる。
主な方法は、刊行物、機関誌、慈善的な寄付、ニュースとしての報道、セミナー、講演、報告会、政治家・官僚・などへの陳情や献金などの活動・・・である。
③人的販促
見込み客と直接対面して行う営業販売活動で、訪問販売や実演販売、販売会や見本市での顧客対応などがこれにあたる。
④イベント販促
セールス・プロモーションともいい、イベントなどを通じて購買に直接つなげる手法で、スポーツ交流、フェスティバル、工場見学、街頭活動、展覧会、展示会などがある。
⑤ダイレクト・マーケティング
郵便、電話、FAX、Emailなどを用いて、特定の見込み客と直接的な接触により、反応を求めることで、電話、ファックス、電子メール、郵便物などがある。
⑥口コミ(その他)
口コミは企業がコントロールしにくいプロモーションの一つとして挙げられ、最も効果が高いが、リスクも大きいという特性がある。特に最近ではツィッターやフェイスブックといったSNSなどソーシャルネットワークの普及によって商品の評判に大きく影響するといったことも珍しくなくなっている。

これらは「あっ、それ知ってる!」というインパクトを顧客に与えて安心感につなげるためにも、単独で展開するのではなく、それぞれを併用しながら進めていくのが効果的だ。さらに、各方法を展開するうえで、常に顧客目線に立って5W2Hを考えながら商品はアピールしていかなくてはならない。

3)顧客ニーズのN(Needs of customer)
どんな素晴らしい商品でも顧客が望まなければ決して売れない。顧客が何を欲しがっているのか、必要としているのかを正確に把握し、反映していくことはとても重要だ。
顧客ニーズを調査する方法の主なものは以下のとおりである。
①インタビュー調査
②アンケート調査
③行動観察調査(エスノグラフィー)
④国勢調査
⑤インターネット活用調査
それぞれの詳細については別の機会があれば紹介したい。

4)ストーリーづくりのS(Story making)
現代社会では、戦後間もないころの製品を中心としたプロダクト・アウトの時代やそれに続く、不況とモノがあふれる時代の顧客中心のマーケット・インの時代を経て、精神的価値主導のマーケティングへと変化してきている。
顧客がより高い価値を見出すために共感できるストーリーが必要とされるようになってきたのだ。
そのためには、開発にどのような苦労があったのか、その商品が社会にどのように役立つのか、どのようなコンセプトで販売されているのか、などの「えっ?」という意外性と、「なるほど・・」というインパクトのある具体的なストーリーづくりが効果的である。

5)ユニーク性(Only one)
顧客ニーズをウォンツに導くためには他の類似商品との差別化が必要で、その特徴は商品そのものばかりではなく、価格やその他の要因からも幅広く探っていかなくてはならない。
ユニーク性はマーケティング戦略によく出てくるSWOT分析でいうところの「強み」にあたる。モノがあふれる時代の中で差別化は大きな強みにつながるのだ。ただし、この差別化は顧客が共感してくれないと意味がない。いくらすばらしい特許をとっても、顧客が共感し価値を感じてくれなければ役には立たないのだ。差別化をアピールし、顧客が共感してくれるストーリーを用意して初めて商品は大きな価値を伴って輝くようになる。

6)結果検証(Results checking)
ここまでで、ブランディングのチェックポイントは概ね記載してきたが、その目的や結果を数値化して明確にし、定期的にチェックしていくことはもっとも重要な事である。なぜならブランドは安心感や信頼、信用といった目には見えないものなので、あいまいなままにしておくといつしか戦略の方向性も効果もわからなくなってしまいがちになるのだ。ブランドは短期間で構築することはできず、相応の時間をかけて互いの信頼感を高めていかなくてはならない。 「不満足や失敗は改善のエネルギー」だと捉えると同時に、「ブランドリスク管理のためのエネルギー」としても管理していく必要があるのだ。要約すると、以下のチェックポイントとして実践していくと良いだろう。
□ 結果検証は改善へのステップ
不満足たる行動する人間であれ
・・・「トヨタ方式カイゼン」  「もっともっと」
□ 鷹の眼と駱駝の足を同時に駆使して進め
「明確なビジョン」  「壮大なロマン」
□ 「こんなに頑張っているのに・・」をダメな理由にしない
「数字で見える化」  「目標設定」
□ 目標達成は砂漠のオアシス
「とどまってしまえばいつか水は枯れる」 「経営はマグロ」  
「環境は常に変化する」 「万物は流転する(ヘラクレイトス)」
□ 最短のブランディング方法~番外編
大手ブランド企業とのコラボレーションまたはOEMでブランド力をアップ 
(※OEMの場合は二段階に分けてブランディングを進める必要がある)

以上、これまでOak-Jソリューションズのオークジェイブランド戦略として紹介してきたが、ひとまずこれを持ってシリーズとしてのブログに一区切りをつけることとする。
まずは紹介した戦略を実践してその価値を大きくアップさせて商品ブランドを確立し、さらにはコーポレート(企業)ブランドへと発展させていかれることを願っている。

売上げアップにつながるオークボ式戦略モデルについて詳しくお聞きになりたい方は遠慮なくご相談ください。
TEL 06-6342-0310 Email info@oak-j.co.jp オークジェイソリューションズ 大久保まで

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