コラム

 公開日: 2013-03-29  最終更新日: 2014-05-23

試用期間中のトラブルを未然に防ぐには?

【試用期間】とは?

最近よく、「従業員に辞めてもらいたいのですが、試用期間中なので大丈夫ですよね?」とご質問をいただくことが多いので、今回は「試用期間」について取り上げたいと思います。

みなさんは「試用期間」と聞いてどのようなイメージを持たれますか。
「試用期間」だから簡単に解雇できる、お試し期間だから気に入らなかったらすぐに辞めてもらえる、等、様々なイメージを持たれているかと思います。

では、実際にはどういう取扱いになるのかをみていきましょう。

1.【試用期間とは何か】
試用期間とは、初めから正社員として採用するのではなく、従業員としての適格性を判断し、ミスマッチを避けるための期間、いわばテスト期間です。

2.【試用期間の長さは自由か】
試用期間の長さは法令上制限がありません。ただし長くても1年(2ヵ月乃至6ヵ月が一般的です。)が妥当であるとされています。また、試用期間は従業員としての適格性の判定期間であり、労働者にとっては不安定な地位にある期間であるため、試用期間を設ける場合は、必ず期間を定めなければなりません。
したがって、「会社において当社社員としてふさわしいと認めたときに本採用する」というような定めは、民法第90条公序良俗に反し無効になります。

3.【「一般的な解雇」と「試用期間中の解雇」の違い】
一般に試用期間中は、従業員としての不適格事由について広い範囲の解雇の自由が認められています。しかし、解雇事由の相当性が認められるためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当でなければなりません。ただ単に「気に入らないから」などの理由では解雇することができません。では、どのように対処していけば良いのかをみていきましょう。
  
下記3つのポイントが重要になります。
(1)勤務成績不良は厳格に適用してよい
試用期間中の勤務成績不良は一般的な解雇の場合に比べ事由が広く認められています。規定に定め    る試用期間中の出勤率90%に満たないためにした解雇が有効と認められた裁判例もあります。(日本    コンクリート工業事件)
(2)言動の不適格性は厳しくみてよい
試用期間中の言動から、従業員として不適格性がうかがわれるような場合(言葉使いが悪い、態度    が悪い等)には、一般社員よりも厳しく適用して差し支えないとされています。(淡路交通事件)
(3)協調性の有無は重大要素となる
試用期間中については、とくに協調性の点が重大な要素となります。判例(国鉄静岡管理局事件)    からみても、当然のことながら協調性の有無は重視されます。

しかし、試用期間=「教育期間」であるということを忘れてはいけません。

【見習期間は、(中略)、例えば、右教育によってたやすく矯正し得る言動、性癖等の欠陥を何ら矯正することなく放置して、それをとらえて解雇事由をすることは許されない。(日本軽金属事件)】という判例からみても、いくら上記3つのポイントに該当したからといえども、会社として注意、教育等を何もせずに見て見ぬふりをしていたとすれば、きわめて解雇の有効性が低くなります。
会社としては、

①きちんと注意、教育を行う
②必要に応じて、始末書、顛末書を取っておく
③試用期間を必要に応じて有期契約にする(正社員に登用することが不適格な場合は、契約期間が終了する のと同時に、労働契約も終了する)

等の対策を講じる必要があります。
労働問題は、起きてからでは手遅れになることがよくあります。そうならないためにも日頃から是非このような対策を取っておかれることをおすすめ致します。

ご相談等は「大竹社会保険労務士事務所」までお気軽にどうぞ!(http://www.e-jinji.jp/

                                 
                                           

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