コラム

 公開日: 2011-03-23  最終更新日: 2012-01-23

フレックスタイム制と雇用契約書への記載

 ここ数年の間に、労働者の価値観やライフスタイルが大きく変化しています。そして、それに対応するように、より柔軟で自律的な働き方への志向が高まり、働き方へのニーズも多様化しています。柔軟な働き方のひとつとして、私たちがよく耳にする制度といえば、フレックスタイム制度ではないでしょうか。
 今回は、フレックスタイム制度の簡単な説明と、その適用を受ける労働者の雇用契約書について、お話しさせて頂きます。

 ■フレックスタイム制とは
  
フレックスタイム制とは、1ヵ月以内の一定期間(清算期間といいます。)における総労働時間をあらかじめ定めておいた上で、労働者自身が、その枠内で各日の始業および終業の時刻を自主的に決定し働く制度です。労働者が生活と業務の調和を図りながら効率的に働くことができ、結果として労働時間全体を短縮しようというものです。(総労働時間は、清算期間を平均して、1週40時間を超えない範囲で定めます。)
 
  フレックスタイム制を導入するには、以下の2点について定めることが必要です。
1.就業規則等これに準ずるものに、始業および終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を規定すること。
2.労使協定において、以下に示すフレックスタイム制の基本的枠組みを定めること。
  ⅰ)対象となる労働者の範囲
  ⅱ)清算期間および清算期間における総労働時間
 ⅲ)標準となる1日の労働時間
 ⅳ)コアタイム、フレキシブルタイムの開始および終了の時刻
   ※コアタイムについては、法令上必ず設定しなければならないものではありません。

  ■雇用契約書への記載事項
   雇用契約の締結に際して、書面にて明示が義務付けられている事項は、以下の通り定められています。
  ⅰ)労働契約の期間に関する事項
  ⅱ)就業の場所および従事すべき業務に関する事項
  ⅲ)始業・終業の時刻
  ⅳ)所定労働時間を超える労働の有無
  ⅴ)休憩時間、休日、休暇に関する事項
  Ⅵ)交替制労働における就業時転換に関する事項
  Ⅶ)賃金の決定・計算方法、支払方法、締切、支払の時期
  Ⅷ)退職に関する事項
  
  フレックスタイム制の場合、ⅲ)については、「始業および終業の時刻は労働者の決定に委ねる」旨を記載し、フレキシブルタイムの開始時刻および終業時刻(コアタイムを設定する場合は、その開始時刻および終了時刻)を記載すれば、足りることになっています。

【ここからが今回のポイントです】
  実務上、フレックスタイム制については、「1日の標準労働時間」も雇用契約書に記載することをお勧めします。
  フレックスタイム制は、前述のとおり、労使協定においてその基本的な枠組みが定められており、その必要記載事項にも「1日の標準労働時間」が含まれています。
この「1日の標準労働時間」は、年次有給休暇を取得した際や労働時間の清算時にも基本となるものです。労働者への周知徹底はもちろん、後々の無用のトラブルをなくすためにも、「1日の標準労働時間」を雇用契約書へ記載することが重要なのです。

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