コラム

 公開日: 2018-04-20  最終更新日: 2018-05-15

吹付断熱材の劣化について

吹付断熱を検討されている方は、断熱性能と共に経年による劣化はどうか、ということもお考えでしょう。



吹付断熱材の劣化

断熱材は屋根裏や壁の中に施すものですから、一度施工が完了してからのメンテナンスは容易ではありません。そのため、20年後、30年後はどうなるかということが問題になります。

断熱材は、繊維系(グラスウールなど)、天然素材系(羊毛・コルクなど)、発泡プラスチック系(ウレタンフォームなど)に分かれますが、現場発泡の吹付断熱材は発泡プラスチック系になります。そして、断熱材はどんなものであっても経年による変化があります。問題は、その変化がどの程度なのかということです。

経年による変化の中で重要なのが、熱抵抗値の変化、あるいは劣化です。

そこで、(財)建築環境・省エネルギー機構「住宅の省エネルギー基準の解説(第3版)」には、断熱材の経年劣化を加味した熱抵抗補正係数が明記されています。

例として、旭化成が「世界最高の熱伝導率」を誇る製品として出しているネオフォームについて見てみましょう。

熱伝導率は低いほうが断熱性能が良いことになりますが、その初期値は、厚さ50mmとして0.020、現場発泡の硬質ウレタンフォームは0.022という数値です。

そして同じ条件で、熱抵抗補正係数に基づいて25年後の熱抵抗値(この数値は高いほうが良いことになります)を比較すると、ネオフォーム「初期値2.5程度→2.2程度」、現場発泡の硬質ウレタンフォーム「初期値2.2程度→1.6度」となります。

この数値を見ると、ネオフォームのほうが経年劣化が少ないことになります(数値に「程度」とつけたのは旭化成のホームページでは、比較がグラフで示され正確な数値がないためです)。

しかし、ここで比較した数値は数値として、一つの問題があります。
というのは、ネオフォームは外張り断熱に用いられる断熱材であり、吹付断熱材は壁の内側に施す素材である点です。家の断熱については、外張り断熱、内張り(充填)断熱のどちらが良いかは意見が分かれるところです。
また、「初期値2.5程度→2.2程度」「初期値2.2程度→1.6程度」という数値が、体感的な過ごしやすさにおいてどれほど違いがあるかという点も明らかではありません。

断熱材とその施工

家の断熱を考える際は、当然、断熱性能に優れ、経年劣化も少ないものが求められるわけですが、経年劣化については素材そのものだけではなく、家の条件、また、施工の良し悪しも大きく関係してきます。

熱貫流値という熱の伝えやすさを表す数値があります。
たとえば繊維系の断熱材グラスウールを選択して家の断熱をはかる際には、その施工の良し悪しによって効果が大きく違ってきます。

熱貫流値は数値が低いほうが、断熱効果が高いことを示します。しかし、きちんと施工した場合に「0.36」という数値であっても、グラスウールの寸法が大きく柱と柱の間に押し込んだりすると数値は「0.44」になり、寸法が著しく大きくグラスウールを押し込み過ぎると「0.80」という数値になります。

反対に寸法が小さく柱と柱の間に隙間が生じた場合、数値は「0.57」となります(「北方型住宅の断熱・気密施行マニュアル」より)。

施工の良し悪しでこれだけ違いが出るのです。

もともと吹付断熱材に対する評価は高く、断熱性能が経年劣化によって失望したという声はほとんどありません。

一つには吹付断熱材そのものの性能によるものですが、もう一つは、施工の良し悪しによるバラツキが少ないことがあげられます。これは経年劣化に大きく関わるのです。
いまあげたグラスウールの例で言えば、断熱材と壁に隙間ができると、結露が生じやすくなると共に、素材そのものの劣化を早めることになります。

吹付断熱材の評価

断熱材、また、断熱工法の選択にあたっては、素材そのものの性能を表す数値、経年劣化に対する数値などを調べることは重要です。これは断熱材メーカー、施工会社のホームページ等で調べることができますが、そうした数値と共にお客様の声にも注意を払いましょう。「メーカーや施工会社に都合のいい声だけを紹介しているのでは?」と考えて、読み飛ばしてしまうのはちょっと損です。

というのも、新築の際に吹付断熱を選択した際の声もありますし、戸建、マンションを問わずリフォームの際、吹付断熱を選択したお客様の声もあります。

吹付断熱材はいずれの場合も断熱性能、経年劣化に対する耐性ともに評価は高く、実体験にもとづく感想、意見は断熱材および断熱工法を選択する際、貴重な判断材料です。

とくにリフォームに際しては、工事期間の短さが評価されているのが特徴です。

他の断熱工法の場合、工事終了までに少なくとも1週間~10日は見なければなりませんが、吹付断熱の場合1~2日ですむからです。

吹付断熱材については断熱性能、経年劣化に対する耐性と共にこうした点の評価もご検討下さい。

この記事を書いたプロ

株式会社ラディエント [ホームページ]

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