コラム

 公開日: 2011-12-04 

遺言と遺留分侵害 ☆遺言・相続vol.8⑪☆

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
遺言をすれば、自分の財産を思う人に思う通りに遺すことができるというのは、
正しくて、でも正確には少し違います。

遺言の結果に、ちょっと待ったをする方法は、その遺言は無効だと、遺言能力の否定を主張する方法と、
遺留分を侵害しているので、遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)をする方法があります。
今日は、兄弟姉妹やその代襲相続人以外の相続人が有する遺留分減殺請求権についてのお話です。

遺留分侵害額の算定方法は以下のとおりです。
(相続開始時の財産☆+生前贈与の目的物―相続債務)×1/2×Aさんの相続分
―(Aさんの生前贈与や遺贈、遺産分割によって取得した財産額)=相続人Aさんの遺留分侵害額
上記の数式によって算出した遺留分侵害額がゼロやマイナスの場合は、遺留分侵害はなかったことになります。
☆相続開始時の財産とは、死亡当時存在する財産+遺贈の目的物+死因贈与の目的物を合わせたものをいいます。

Aさんは、相続開始時から10年、あるいは減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年の間に限り、遺留分減殺請求をすることができます。
口頭でもいいですが、やはり証拠を残すために、配達証明付内容証明郵便を使います。

この効果は絶大で、Aさん単独の意思表示で遺留分侵害の範囲で減殺の対象たる処分は失効します。

遺言のご相談をお受けする際には、この遺留分のお話をさせていただいています。
財産が沢山あれば、遺留分を配慮した内容とすることもできるでしょうが、
なかなか、そうもいかない場合のほうが多いです。
せめて自宅不動産だけは確保しておきたいと思えば、その他の預金などに減殺請求するよう指定しておく方法がありますが、
そもそも、請求権の行使をするかしないかは、Aさんの自由ですから、
減殺請求目的物の指定をしていることが、遺言者も減殺請求やむなしとしているようで、悩みどころです。
実際には、遺留分減殺請求をしないでほしいと、遺言を書くにいたった付言事項とともに
遺言に書き残すことに留めている場合が、多いです。
どちらにすべきか、まだ結論を出せずにいます。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp

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