コラム

 公開日: 2014-12-05 

マイナンバー制度と情報漏えい対策を考えるシリーズ3

賠償責任保険に特化したSAKURA AGENCYの高野です。
マイナンバー制度と情報漏えい対策を考えるをテーマとして第3回目のコラムです。

本日はマイナンバー制度が実際に始まり、すべての人に何らかの影響?(混乱)が生じるとは思いますが、今回は1業種を絞ってマイナンバー制度が始まりその業種がどのような影響をもたらすか、推測したいと思います。

【建設業界】
皆様はマイナンバー制度とは別に建設業界や国土交通省が業界に対して問題視している「問題」ってご存知ですか?
個別問題は別にしたいと思います。

それは「社会保険未加入問題」です。

建設業の構造別に社会保険加入率を表したものです。(国土交通省より)
上から順番に「元請け」78%、「一次」55%、「二次」44%、「三次下請け以下」44% 。
数字だけみれば、業界通じて社会保険未加入者が多い事がわかります。
業界以外の人がこの数字だけを見て実に「怠慢だ」とお思いになるでしょう。
また、上から下にかけて未加入者が増加していく傾向だとわかります。

おそらくですが、マイナンバー制度が普及されるにつけ、国、地方の縦軸と省、行政の横軸が連動し合いこの数字は改善されるでしょが、先ほどの社会保険未加入を「怠慢だ」と一言で片づけられない業界ならではの理由が存在しています。

業界の受注構造を簡単に表したものですが、発注者→元請け→一次→二次→三次→下請け以下「一人親方」(かなり大まかですが)。
早い話が、「ダンピング」下に行くほど「利益」がとれない構造で、それはながらくの不況で公共事業の減少、受注件数の減少により建設業界で安い価格競争が起こり、その結果低い工事単価でも「一人親方」達は生活の確保のため、受けざる得ませんでした。つまり社会保険が払えないとなる訳です。
また建設業には階段層に存在するブローカー、雇用、若年層の離職率なども問題視されていますが、それぞれ固有の問題と捉えるのではなく業界一連の問題としてみるべきではないでようか?

つづいて国土交通省は社会保険未加入問題に対して対策を出しています。
おそくても平成29年度までに取り組む模様なのでそこにも触れておきます。
資料:国土交通省より

【発注者】
■社会保険未加入企業への発注を慎む
法令違反の会社への工事発注は、法令違反を助長するものです。発注者として社会的な責任を問われかねません。
■必要な社会保険料(法定福利費)を盛り込んだ事業資金を確保しましょう。
発注者は、法定福利費を見込んだ額で契約しなければなりません。
(国土交通省から発注者団体宛通知;平成24年9月13日)。

【国土交通省のガイドラインより】
公共工事では、社会保険料の会社負担分と本人負担分の両方を予定価格に算入するようになりました。
「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」(平成23年8月)8-2 社会保険・労働保険(法定福利費)について発注者及び受注者は見積時から法定福利費を必要経費として適正に考慮すべきであり、法定福利費相当額を含まない金額で建設工事の請負契約を締結した場合には、発注者がこれらの保険への加入義務を定めた法令の違反を誘発するおそれがあるとともに、発注者が建設業法第19条の3に違反するおそれがある。工事発注者が守らなければいけないガイドラインとは?建設労働者が加入するべき社会保険等は?問い合わせは(参考)建設業法第19条の3 (不当に低い請負代金の禁止) 注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。

【元請け】
■ まず、自社の労働者を社会保険に加入させて下さい。
元請企業は、下請企業(含、2次下請以下)に社会保険に入るよう指導して下さい。
施工体制台帳や再下請負通知書の「健康保険等の加入状況」欄※を利用して、2次以下の下請も含め、加入しているか確認しましょう。※「施工体制台帳」と「再下請負通知書」の記載事項に、再下請負人の保険加入状況が追加されました。(建設業法施行規則の改正)
●遅くとも平成29年度以降は、未加入企業を下請けに選定しない取扱いとすべきです。
◆工事現場に新規入場者を受け入れる際、作業員名簿の社会保険欄※を確認しましょう。
■ 発注者に対して
下請労働者の法定福利費を含む金額の見積書を作成・提出して、法定福利費が確保された契約を結ぶよう、発注者に要請しましょう。
■ 下請企業に対しては・・・
●見積依頼時には、専門工事業団体が作成した標準見積書の活用等によって、法定福利費を内訳明示した見積書を提出するよう依頼しましょう。
◆下請企業との契約時には、下請見積書で内訳明示された法定福利費の額を尊重し、法定福利費を圧迫しないようにしましょう。

【下請け】
■社会保険に加入してないと行政から指導を受けます。
●国や都道府県から、建設業の許可・更新時、経営事項審査(経審)時、そして事業所への立入検査時に加入指導を受けます。
◆社会保険部局に通報され、強制加入措置を受けたり、状況によっては建設業担当部局から監督処分を受けることがあります。
■元請から加入指導が行われます。
●協力会社の審査時、下請契約時などに加入状況を確認され、加入指導を受けます。
●遅くとも平成29年度以降は、未加入企業は下請に選定すべきでないとされています。
◆労働者についても、遅くとも平成29年度以降は、適切な保険への加入が確認できない場合、現場入場を認めるべきでないとされています。

【2次、3次、一人親方】
●あなたの会社は、労働者を社会保険に加入させていますか?加入させていない場合は法令違反です。
●労働者が安心して長く働ける魅力ある職場環境を作るため、会社に保険加入を求めましょう。
●公共工事では、社会保険料(本人負担分)が予定価格に算入されるようになりました。

 上記記載の通り、国土交通省はH29年までに社会保険未加入問題に対してのものですが、私のテーマとしているマイナンバー制度とかなりの確率でチェック機能がリンクすると思われます。
そのことで、更に実態の把握が可能となり、建設業での社会保険未加入者は仕事上のペナルティーが容易な状況となるでしょう。
私としては、建設業の構造上の問題をこの「マイナンバー制度」また「社会保険未加入問題」を活かし本気で改革していただき、一部の建設業の自分本位の利益構造を見直し、施工に係る全体の労働者の労働環境改善に取り組む視野を手に入れてほしと切に願っております。

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