まじめな家づくりアドバイスのプロ
コラム
公開日: 2014-06-07 最終更新日: 2016-10-26
木の家が気持ちいい理由 その2
呼吸して、調湿する木の家
木の家は、調湿機能が優れています。
調湿機能とは、湿気をコントロールして、部屋の湿度を一定範囲に保つことをいいます。
家の中には、たくさんの湿気発生源があります。
まず人の身体からの放熱・発汗。
炊事による湿気、石油やガスなどの暖房機器による湿気、洗濯物からでる湿気、
入浴・洗顔からでる湿気、身体を拭いた濡れたバスタオルによる湿気など、挙げたらきりがありません。
この湿気は、換気で建物の外に放出されます。
しかしその一部は壁や床、天井面から、それぞれ壁内・床下・小屋裏へと侵入します。
そこで露点温度が下がると結露を起こします。
木の家が調湿機能にすぐれているということは、湿気が高ければ、
それを材料内部に吸収し、部屋が乾燥したら、今度はそれを発散してくれるということです。
木の家は、どれも調湿機能を持った材料が選ばれています。
ビニールクロスや合板床材など新建材は、この調湿機能に乏しいのが問題です。
湿度が高いと、汗をかく材料はカビやダニの発生源、温床になってしまいます。
ほんとうに鉄より弱いのか?
木造住宅は鉄筋やコンクリートの家より弱い、と思っている人が少なくありません。
しかし、重さあたりの強さで比べてみると、杉板で、引っ張りで鉄の約4倍、
圧縮抵抗でコンクリートの約6倍も強いのです。
ここにいう「引っ張り」とは、材料が自分の重さ(自重)にどれだけ耐えられるかという限度をいいます。
「圧縮強さ」とは、押しつぶす力に耐える強さをいいます。
共に、材の強度を決定づける指標となる数値です。
重さあたりで測るのはズルイといわれるかも知れませんね(笑)
しかし、心配な地震の時にどれだけ耐えられるかが問題だとしたら、
この重さあたりの測り方はまちがいではありません。
何故なら、地震力は自重に加速度を掛けたものですので、建物が軽いということは、
その分、建物に加えられる地震力も小さいことを意味します。
このため、基礎工事も、重い鉄やコンクリートの建物よりも軽くて済み、経済的です。
木は、上に上にと成長していく性質を持っていますので、タテ方向(繊維方向)に強い性質を持っています。
柱の頭部に、重い梁を載せても耐えられるのはこの木の持つ性質(圧縮強さ)があるからです。
含水率やヤング係数は構法によって異なる
自然乾燥に依る場合は、修正挽きしないあたりで材を組むのが理にかなった木の利用法といわれます。
機械に頼るのでなはなく、時間を掛けて乾燥させ、木の持つ癖を活かして、架構を組み上げる、
それが日本の伝統構法です。
一方、新しい乾燥機を利用した人工的な乾燥法も有力な方法です。
利点は、
①短期間に木材を乾燥することが出来る。
②自然乾燥で起こりがちな割れを避けられる。
③自然乾燥では到達できない低含水率まで乾燥出来る。
などが挙げられます。
乾燥と共に大切なのがヤング係数です。
ヤング係数とは、圧縮・引張り・曲げなど、木材の持つ強度を、測定し、数値化したものです。
含水率やヤング係数は、木の家を建てる上では、最も重要な数値です。
注意したいのは、木材は適材適所に用いること。
硬い材は構造材に、軟らかな材は造作材に適しています。
また、構法・工法による適性も重要です。
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