コラム

 公開日: 2014-06-27  最終更新日: 2014-07-29

自然素材で、五感に心地よい木の家をつくる方法! その② 7~8

化学物質を使った建材や家具による害が問題にされています。
それと同時に、昔ながらの自然素材が見直されています。
でも、いざ自然素材を使ってみたいと思ってもわからないことがいっぱい。
どこで買えるか、だれがつくるのか、値段は?手入れは?本当に体にいいのか?
実際に経験してきたことの実例を基に、よいところだけでなく、問題点や今後の課題も含めて考えます。


前回は、『自然素材で、五感に心地よい木の家をつくる方法! その① 1~6』 と題しまして、化学物質や新建材についてお話ししました。
今回は、自然素材の家の造り方についてお話しします。


7.自然素材の家は誰がつくるのか


それでは自然素材の家は誰に頼めばつくってもらえるのでしょうか。これはやはり職人をかかえている地域の工務店しかないのではないかと思います。

今までお話ししてきたように、家づくりが地域の職人や工務店の手から、大手の住宅メーカーや、地域の住宅産業の手に移ってしまった理由は、大量生産による新建材の誕生でした。職人のいらない新建材による工場生産や現場組立てが、住宅産業の成立を可能にしたのです。それ故、これらの企業が、全国に少量ずつ産する均一でない自然素材を使って、職人の手で、一戸一戸つくるなどということは企業の成立ちそのものから考えても難しいことです。

しかし地域の工務店といえども、今の家づくりの大勢は新建材の取付によるものです。そのことによってより安く、より速くという家づくりの競争をかろうじて生き抜いてきたのです。
またお客さまの、便利で快適で手間のかからない家を、もっと安く、速くという要求になんとか答えてきたのです。
急に今度は、自然素材で安全な家をといわれても戸惑うのは仕方がないことでしょう。

しかし、日本の各地域には自然の素材を扱える職人と技術がまだかろうじて残されています。そして地域の職人や工務店にも本当はそういう仕事がやりたい、家は木や左官壁の自然素材でつくるのが一番だと思っている人々が少なくないのです。

もし住み手の方が、本当に安全で、快適な自然素材の家を望むのなら、そして本当に彼らを支援し、一緒に木の家をつくることに汗を流すなら、いまならまだ間に合うはずです。

真に必要なのはお客さまの強い要望、それが生む時代の流れなのです。

8.自然素材の家は、どうすればできるのか


現代では本当の木や土のような自然の素材はもう使えないものと思っておられる方が多いのではないでしょうか。ところがわが国では国土の67%が森林であり、そこに育った木材が使われず、売れなくて困っているのです。土もほとんど無限の資源です。自然の素材は十分あるのです。

無いのは現代の家づくりを担う近代化された企業が、採算をうまく取る方法です。新建材を使った方が、彼らはずっと家がつくりやすいのです。しかし、家の価値は、企業がつくりやすいか否かで決まるものではありません。人にとって本当に必要なものかどうかが価値の基準であるはずです。

木の家が必要なら、木の家をつくる体制をつくればよいのです。先ほどから木の家をつくれるのは地域の工務店と職人だといってきました。しかし、地域の工務店も大部分が時代の流れの中で大手の住宅産業の新建材による家づくりを追従しているのが実情です。しかし彼らはもともと自然素材の家づくりを担ってきたのです。
条件さえあれば、元の家づくりに戻れるのです。しかし今の家づくりに要求されることは昔に比べてはるかに複雑で多様です。昔のままの地域工務店ではこれに応えることは難しい。そこで住み手とつくり手の間に介在する一級建築士も必要です。

それも、素材のこと、つくり方のこと、そしてなにより住み手の生活のことがわかった住宅設計の専門建築士が必要なのです。そして、自然素材の家をつくるにはなによりも建て主、住み手の参加がいちばん大切です。
つくり手と住み手が一緒に知恵を絞り、汗を流してつくることです。このような動きが全国の地域で起こりつつあります。

私たちもいま、日本の森林を育てている林業家、製材所そして住み手が手を組んで、地域で本当の木の家をつくろうという「上方町家の会」をはじめています。

これはちょうど農薬の使用を制限した安心できる有機野菜を、消費者と生産者がいっしょに考え、行動して手に入れようという働きに似ています。農産物の産地と消費者のこのような連携が全国に定着したのは、消費者の強い支持があるからです。地域の工務店や職人たちも、住み手の強い支持さえあれば、本当の木の家づくりに取組むことができるのです。

次回は、『自然素材で、五感に心地よい木の家をつくる方法! その③ 9~10』 で、自然素材の家の「コスト」についてお話しします。



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