コラム

 公開日: 2016-10-01 

シックハウス症候群の原因物質、なりやすい体質

シックハウス症候群を起こす原因となる物質はいろいろあります。その中で、特に問題なのは、家の中の化学物質です。

化学物質も、家そのものに使われている建材、家具など部屋にあるもの、生活の中で使うものなどに含まれています。新築の家に移ったとたんにさまざまな症状が起きるのは、建材の化学物質によるものだと考えていいでしょう。

化学物質に対する反応は、人それぞれ症状が違ったり、症状の程度が違ったりします。症状が出ない人もいます。その差は、もともとの体質の違いもありますが、体調管理によっても変わってきます。

シックハウス症候群を引き起こす原因物質のいろいろ

シックハウス症候群の要因には、化学的なもの、物理的なもの、生物的なもの、精神的なもの、家の周りの環境からくるものがあります。中でも、新築の住宅で起きるシックハウス症候群は、家そのものが原因となる化学的なものが要因となります。

化学的な要因は、住宅の新築に使われる材料が主なものです。新築にあたって使用される、建材、壁紙、接着剤、塗料には次のような揮発性有機化合物が使われています。

ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸、テトラデカン、ダイアジノンなどで、それぞれ厚生労働省で室内濃度指針値が決められています。

シックハウス症候群を引き起こす化学物質で一番手に上げられるのが、接着剤や防腐剤に使用されているホルムアルデヒドです。

常温では気体なので空気中に漂うことになります。建築材料に使われるホルムアルデヒドについては、日本農林規格(JAS)、日本工業規格(JIS)でその放散量の規格が決められ、建築基準法で規格に応じた使用制限が定められています。

シックハウス症候群の原因物質はどこから排出されるのか

家が原因といっても、有害な化学物質が使われているところはさまざまです。使った壁、床、天井などで人工素材を使っていたり、天然材でも内装の壁紙やフローリング材に接着剤や難燃化剤が使われていたりして、有害物質が空気中に出てくることになります。

その他、壁や床材に使った防カビ剤、床下のシロアリ駆除剤、畳の防虫剤、壁紙やカーペット、フローリング剤などに使われる塩化ビニルなどの可塑剤(柔軟性を与えるための化学物質)などもシックハウス症候群の原因です。

新築の家そのもの以外でも、カーテンや家具に有害な化学物質が使われていることもあります。さらに、新調した芳香剤、消臭剤などが体質に合わない、使い過ぎるなどで体調を崩すことがあるようです。

シックハウス症候群の主な原因は家に使われている材料

木造建築などで従来使われてきた天然素材に代わって「新建材」と呼ばれる材料が開発されています。

天然素材に比べて安価で加工がしやすい特徴があります。また、デザイン性や機能性にも富んでいる上に施工期間が短くて済むなど、現代社会のニーズにマッチしているといえます。

ところが、新建材にはいろいろな化学物質が使われています。天然木材の代わりに使われる集成材は、割れたり曲ったりすることが少なく丈夫で、形を自由につくれるのでよく使われる素材ですが、板材や小さい角材を接着剤で固めています。

ウレタン、スチールなどの断熱材や、ポリエステル、塩化ビニル、合成ゴムなどいろいろな箇所に使われるプラスチック素材も揮発性有機化合物を含んでいるので室内の空気に影響を及ぼす場合があります。

シックハウス症候群は原因物質で起こるアレルギー反応

コラムの第一回でもお話ししましたが、シックハウス症候群は病名ではありません。家に関するものが原因で起こるアレルギー反応の総称です。アレルギー反応は、体内に入った異物を排除する体のしくみです。異物に反応してできた抗体が過剰に働いてさまざまな症状を起こします。

シックハウス症候群の症状は、目がチカチカする、涙が出る、頭が痛い、咳やくしゃみが出る、皮膚がかゆい、湿疹が出る、じん麻疹が出る、吐き気がする、倦怠感が出るなどです。

アレルギー反応を起こす物質のことをアレルゲンといいますが、人によって症状が出るアレルゲンが違います。シックハウス症候群の症状は一緒でも、原因となる物質が異なることもあります。どの化学物質が症状を引き起こしているかは病院で調べる必要があります。

特に化学物質に敏感に反応するアレルギー体質がある

新築の家で暮らす家族の内、シックハウス症候群にならない人もいます。同じ条件のもとで生活しているのに、なる人とならない人が出るのは、その人の体質の違いによります。

化学物質に対する抵抗力の違いによって、症状の出る出ない、出ても症状の違いや程度の差があります。

化学物質は普段の生活の中で、呼吸から、食事や飲み物で口から、接触などで皮膚を通して入って来ます。

通常なら、多少の化学物質は異物として体外に排出されますが、その機能が弱かったり問題があったりすると徐々に体内に蓄積されていきます。

また、化学物質がアレルゲンになってしまい、特に敏感な人もいます。そうなると、普通の人では問題ないくらいの化学物質でも、激しい症状に襲われてしまうこともあります。これが化学物質過敏症です。

シックハウス症候群が悪化してなる場合もあるので、何らかの症状が出たら早めに治療しましょう。

アレルギー反応の対策は、生活環境を改善することと体調管理

シックハウス症候群の症状を改善する、もしくは予防するためには、新築の家の有害物を取り除くことに加えて、化学物質に負けない体調管理が必要です。

シックハウス症候群になる要因は、化学物質だけではありません。いろいろな要因が重なって症状が出てきます。

化学物質は主に肝臓で分解され、解毒されます。分解された物質は便、汗、尿によって体外へ排出されます。日頃、飲酒や疲労などで肝臓に負担のかかる生活をしていると、この作用が弱くなってしまいます。また、運動不足でも、体全体の血流が悪くなるので、肝臓に負担がかかります。

体に入る化学物質の量を減らすとともに、規則正しいムリのない生活、毎日少しでも体を動かす生活を心がけるようにしましょう。

この記事を書いたプロ

株式会社創和建設 [ホームページ]

一級建築士 松井基浩

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