コラム

 公開日: 2016-10-12 

新築にはシックハウス症候群の危険がいっぱい!?

シックハウス症候群の原因となる化学物質は、建築に使う材料や塗料、接着剤などに含まれています。揮発性有機化合物と呼ばれる、常温で空気中に放出されてしまう物質です。

特に石油由来の化学物質でつくられる新建材は、揮発性有機化合物が多く含まれています。新建材は建物だけでなく、家具などにも使われます。また、化学物質以外の材料がシックハウス症候群の原因になることもあります。

家の中の化学物質を外に出すには、入居前に徹底的な換気が必要です。入居した後も、長時間窓を閉め切っていると化学物質が家の中に溜まってしまうので、こまめに換気をすることが必要です。

新築の家に入居するとシックハウス症候群が起こる理由

住宅を建築するときには、接着剤、塗料、防虫剤、防カビ剤などが使用されます。これらの成分には、揮発性有機化合という空気中に放出される化学物質が含まれています。それゆえ、完成して間もない家は、屋内中に化学物質が充満している状態といっていいでしょう。

接着剤などのほか、家の建材そのものにも揮発性有機化合物が使用されています。最近の建築には欠かせない新建材と呼ばれる素材は、扱いやすく、加工がしやすいですが、化学物質が含まれている可能性があります。

新築にともなって新調されるテーブルや椅子、サイドボード、たんす、棚などの家具にも、揮発性有機化合物が使用されています。

このように、新築の家にはシックハウス症候群の原因になる物質が、それまでの許容範囲を超える分量で、入居する人の体に入り込んでしまうのです。

新建材はシックハウス症候群の原因である化学物質でつくられている

新建材とは、従来からの材料である、木、紙、金属、石に代わるものとして新しく開発された建築材料で、さまざまなものがあります。そして、そのほとんどが揮発性有機化合物を発生させる化学物質を含んでいると考えられます。

天然の木材に代わってよく使われる新建材として、集成材があります。

薄い板や小さい角材を集め、接着剤で固めて大きい木材に加工したものです。自由な大きさや形にすることができる上、天然木のような節や割れがなく、強度に安定性があるとして、柱や床などに広く使われています。

集成材は工場で均一で大量につくられるので天然木より安価で、加工に技術を必要としないため、今では一般的な素材になっています。
最近ではシックハウス症候群に配慮した、低ホルムアルデヒドの集成材も開発されています。

新築の家には意外なものにも新建材が使われている

その他の新建材には、ウレタン、スチールの断熱材、ポリエステル、塩化ビニルなどが材料の壁材、床材などがあります。これらは、石油を原料として化学合成したもので、揮発性有機化合物を発生させる可能性があります。

新建材は、低コストで加工しやすく、手入れやメンテナンスが簡単なことから、今のライフスタイルに合うデザイン性の高い家具などに多く使われ、新築の家の棚やクローゼットなどの造作にも使われます。

最近の安価に入手できる家具のほとんどは、こうした新建材が使われていると考えていいでしょう。
建築に使う材料に気を使っても、新調する家具をデザインだけで選んでしまうとシックハウス症候群の原因を家に入れてしまうことになりかねません。

家を新築したときにシックハウス症候群を避けるためには

新築の家に入居する前に十分な換気をして、できるだけ空気中の化学物質を外に出してしまいましょう。入居後も数カ月は部屋中の窓を開け、換気扇をフル回転させることを心がけましょう。

揮発性の化学物質の温度が上がると、空気中への放出量が上がる性質を利用して、建材から出る化学物質を一気に出してしまう方法があります。

家の中の温度を40度近くまで上げて半日置き、その後一時間程度換気します。これはベイクアウトという方法で、湿度を保ちながら高温を半日保たなくてはならないので大変な作業になりますが、化学物質を短期間で減らせる可能性があります。

根本的な対策としては、シックハウス症候群防止策を考えている建設会社や工務店に家の建築を依頼することも考えられます。
化学物質を全く使用しないということは難しいかと思われますが、できるだけ新建材を使わないとか、塗料や接着剤に天然由来の成分を使用するなどの試みもあります。

新築の家の中では新建材以外でアレルギーを起こすことがある

集成材などの新建材を一切使わず、無垢材(天然の木を使った材木)だけを使用して、木造住宅の建築を行っている建設会社や工務店があります。

シックハウス症候群の主な原因が集成材や壁紙などに使われている接着剤のホルムアルデヒドであることから、天然の素材の家にこだわった家づくりをしています。

ただし、天然素材は新建材に比べると高価な上、熟練の職人が建築にあたるため工期もそれなりにかかり、コストが高くなる場合があります。天然素材であるために、入居してからのメンテナンスに注意しなければならないところもでてきます。

また、使用した材木の種類によって、アレルギー反応を起こす人もいるので、無垢材であることだけに安心することはできません。

化学物質の少ない天然素材にこだわった家でも、ヒノキにアレルギー反応を起こして、心地いいはずの無垢材の床を張り替えることになってしまいます。

ライフスタイルによってシックハウス症候群の原因をつくっていることも

化学物質を一切使わないで家の建築をするのは、なかなか難しいことです。国の基準値を守って体に負担をかけない程度の化学物質であれば、一般的に使用されているものであり、問題になることはありません。

新築当初に換気に気をつけていれば、目がチカチカする、咳が出るなどの症状があっても数カ月後には改善します。ところが、共働きなど日中家に誰もいない時間が多い場合は、家の中に化学物質が溜まりやすくなっています。

最近の新しい住宅は高気密化が進んでいるので、換気が悪いとすぐに湿気や有害物質が滞留してしまいます。

留守がちの家では、帰宅したらすぐに窓を開けることを習慣にしましょう。旅行などで長期間家を空ける場合でも、留守中換気扇を回しっ放しにするか、帰宅時に家中の窓を開けて徹底した換気を行いましょう。

この記事を書いたプロ

株式会社創和建設 [ホームページ]

一級建築士 松井基浩

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TEL:073-479-3000

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