コラム

 公開日: 2016-10-14 

シックハウス対策で最も重要なことは部屋の換気!

住宅のつくりが今と昔では違っています。高温多湿の日本では昔から通気性のいい木造の住宅で、断熱性には劣るものの、家屋に湿気がこもらないつくりになっていました。

ところが、西洋式の住宅が主流になり、また、断熱性を重視することで気密性が高くなり、湿気がこもりやすくなるとともに、新建材などに使われる化学物質もこもりがちになり、シックハウス症候群の問題が起こりました。

このことから建築基準法が見直され、換気設備の設置が義務化されました。換気は、公的にも認められているシックハウス症候群対策です。窓開けの習慣から住宅設備の見直しまで、換気の重要性を再認識しましょう。

シックハウス症候群にならない環境づくりは、まず換気から

昔の木造建築の家は、断熱性が低いため夏に暑く冬が寒いのですが、木の特性を生かした通気性のいいつくりでした。

現代のような新建材などなく化学物質も使われていませんから、シックハウス症候群という言葉もなかったわけです。

現代の住宅は気密性が高くなり、断熱性の向上と空調設備の導入で夏の暑さ冬の寒さから解放されて快適になりましたが、その反面、建築に化学物質が使われている上に、高い気密性であるために、汚れた空気を外に逃がしにくいということになってしまいました。

新築の家に入る前、長期の留守の後、留守が多い家など、家の中の空気が汚れて滞留している場合、シックハウス症候群になりやすいことはこれまでのコラムでもお話ししてきました。そして、それらの改善を目指すためには、空気を清浄化する必要があります。

空気清浄機はフィルターにちりやほこり、化学物質などの汚染物を吸着させたり、プラズマで除菌・消臭をしたりできますが、フル稼働させても家全体の空気を全て入れ替えることはできません。

家の空気を完全に入れ替えるには、換気が一番の方法です。

ひとくちに換気といってもその方法にはいくつかある

換気には、窓を開けて換気をする「自然換気」、換気扇など家の換気システムによる「機械換気」の2通りの方法があります。そして、機械換気には、第1種換気、第2種換気、第3種換気の3つのタイプがあります。

第1種換気は、外気を室内に入れる「給気」も、屋内の空気を外に出す「排気」も、それぞれ給気ファン、排気ファンを使って機械で行う方法です。

第2種換気は、給気にはファンを使い、排気は排気口を設けるだけでファンを使わない方法です。

そして、第3種換気は給気にファンを使わず給気口を設けるだけで、排気にファンを使う方法です。

第2種と第3種は、給気か排気のどちらかが機械を使わないという意味で自然換気になっています。一般的な住宅の多くは、第3種換気を採用しています。

家自体に換気をする機能をつけることが建築基準法で義務化されている

2003年の建築基準法改正で、全ての住宅に24時間換気の可能な換気設備を設けることが義務化されました。
気密性の高くなった現代の住宅で起きるシックハウス症候群対策として、定められたものです。

国によって機械換気が義務付けられたというわけです。

新しくなった建築基準法では、1時間で家の中の空気のおよそ1/2を入れ替えるために必要な空気の量や、1時間あたりに空気が入れ替わる換気回数が定められています。

そうなると、給気と排気のバランスが悪くなりがちだった第3種や第2種より、給気排気ともファンによって換気する第1種の方が換気のバランスが取れ、基準を満たすように計画しやすいということで採用が増えました。

より効果的に自然換気するためのコツがある

家の中の空気を効率よく入れ替えるためには、ちょっとしたコツが要ります。

自然換気では、ベランダなどの大きな窓を開けるだけでは換気になりません。小さい窓でも、対角線上の2つの窓を開けましょう。そのとき、空気の出口となる方の窓を全開に、入り口となる方の窓を15㎝くらいの開きにすると空気の流れがよくなります。

家の各部屋に窓が1つしかない場合は、ドアを開けて空気を通しましょう。空気の流れる方向をみて、窓を細めに開けるのかドアを少し開けるのかを判断します。ドアにはしばらくストッパーをしておきましょう。

窓と窓の間にはできるだけ家具を置かないように注意することも大切です。どうしても空気が流れない場所がある場合は、扇風機を使ったりして家の中に気流をつくりましょう。

1日のうちで換気するタイミングや季節の換気方法

よく晴れた日、朝起きてすぐ窓を開けるのは、朝の新鮮な空気が入ってきてとても気持ちのいいものです。しかし、日が出て間もない早朝だと夜の湿った空気が残っているので、あまり長い間窓を開けておかない方がいいでしょう。

夏は、日差しが強くて日の入りが遅いので12時から16時の間くらいだと湿度が低くなるので、換気に適しているといえます。その点日の入りの早い冬は、12時から14時の短い間になります。

いずれの季節も、よく晴れた湿度の低い日にこまめに自然換気をすることで、部屋の中の湿気が取れて、カビなどの予防になります。

機械換気でもちょっとしたことで効果が違ってくる

ファンが回っているからといって、効果的な換気ができているとは限りません。特に、給気か排気が自然換気となっている場合は、空気の入り口と出口をきちんと確保する必要があります。家具などでふさいでいないかどうか、確認しましょう。

また、キッチンや風呂場の換気扇を回す場合は、必ず窓を開けて給気をしましょう。
開ける窓は、なるべく換気扇から離れている方が効果的です。また、全開にするより開きを15㎝ほどにすると空気の流れがよくなります。

どこに換気扇が付いていて、給気と排気の関係がどうなっているのかをきちんと把握して、家の中に空気の流れをつくりましょう。
家を建てるときに効率よく換気できるように設計を依頼するのも、シックハウス症候群の対策として効果的です。

この記事を書いたプロ

株式会社創和建設 [ホームページ]

一級建築士 松井基浩

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