コラム

 公開日: 2015-04-30  最終更新日: 2015-12-25

賢い企業は時間給を上げる!

景気が上向くと必ず出てくる問題。
それは、「パートが集まらない」ということ。

長く続いたデフレから、脱却する兆しが確実になってきている現在。
大手企業の業績が良くなり、徐々に中小企業や地方にも波及してきている様に感じられる。
新卒者の求人倍率も高くなり、売り手優位の状態になっている。

パートタイマーに至っても、同じ事が言える。
景気が上向いてくると、必ずと言っていいほど小売や飲食などの業種で、特に人が集まりにくくなってくる。
スーパーマーケットでも、「求人をしても、なかなか応募がこない」という声を聴くようになってきている。

スーパーマーケットの経営者や人事担当者にとっては、頭の痛い問題である。


なぜ、集まらないのか?



会社のイメージや人気といった、ブランド力もあるし、パートにとっては、自宅から近い遠いと行った物理的なこともあるだろう。
体を使う、頭を使う、気を遣うといった、職種によっての仕事の内容もあるだろう。

しかし、一番の大きな問題は、「時給が高いか、安いか」だろう。

家庭を支えるにしても、お小遣いを稼ぐにしても、時給の高い会社は人気が高いはず。
中には、時給は安くても好きな仕事がしたいという人もいることは間違いない。

しかし、人それぞれ、「予算の制約」と言うことや「時間の制約」がある以上、時給が高いということは、魅力的であることに間違いはないでしょう。


需要バランスが変わってきた現在においては、職を選べる状態であるから、
「きつい、暗い、汚い、安い」などの悪条件の度合いが高まれば、必然的に、我慢してそこで働こうと思う人の数は減ってくる。


なぜ、時給が低いのか?



では、なぜ時給が低いのだろうか?

単純に言ってしまえば、生産性が低いということです。
ほとんどの場合、1人時あたりに高い付加価値(荒利益)を生まない仕事をしている(させている)状態にあるということです。
刺身作業
▶高い技術を持ったパート社員(時給1500円以上)

スーパーマーケットの場合、売上高に占める人件費は、直接間接を合わせ10%前後になります。
これ以上に高い企業も多くあります。
また、人時売上高(売上高÷投入人時)や人時生産性(荒利益高÷投入人時)が低位安定の企業が多くあります。

生鮮品の加工作業に多くの人時を必要とするという、スーパーマーケットの業態の特質があります。

高度成長期の様に、売上が右肩上がりの時は、現状の生産性が多少低くても、会社は利益が出ました。
しかし、競合状況もコンビニやドラッグストアなど、業態を超えるような状況になり、前年の売り上げを確保することも難しい現在では、生産性が低い企業にとって、経営は厳しい状況になってきます。価格競争に飲み込まれ、荒利益も伸び悩み状態になります。

単純な話、このような状態では、これ以上経費(特に人件費)を使えないという現実があります。


簡単に時給を「上げる」には・・・



まず大事なことは、「時給なんか上げられない」という従来からの考え方を改め、
「時給を上げる」と考えて、「どうしたら・・・」という発想をすることです。

前提条件としては、荒利益を上げることと生産性(特に人)を向上させることが必要です。
しかし、前述したように、荒利益率は上げにくい状況にあります。(方法はあります)

その他の方法の一つとして、人件費効率のことがあります。
私が、コンサルティングの経験から申し上げると、スーパーマーケット企業の多くに於いて、人に関わる生産性は低いと言わざるを得ません。
加工作業や補充作業を中心とした作業の遂行状況を現場で観察していると分かるのですが、段取り、手順、作業動作、マテハン機器の使い方、物流の仕組みなど、多くの問題が蓄積されています。

しかし、多くの会社でそこに焦点が当てられていません。
生産性をあげるという発想がないということです。

ですから、逆に考えれば、
ここに大きなチャンスがあるという事になるのです。


今後、取り組むべきこと



高い時給で社員の募集をかけることを考えることです。
若くて元気な、笑顔あふれる、躾のできた人を採用することを考えます。

とりあえず仕方なく、人数確保のための採用では、生産性は益々低下します。
躾は教えなくても出来ていて、覚えが早ければ、生産性は大幅にアップします。笑顔の挨拶が出来る人は、会社の貴重な財産になります。

そのためには、受け皿である会社が、人を育てるための「仕組み」を作り上げることが必要になります。
評価制度を策定し、知識や技能など、会社が「どこまでなって欲しい」という、個人個人のスキルアップ計画を策定します。
そして、その意味(なぜやるのか)を全員に教育し、共有化します。
1ヶ月、3ヶ月、半年、1年・・・と、時間の経過とともに個人個人が成長し、確実に全体のチーム力を上げるという、「人時生産性を上げる」ための戦略と行動を取ることです。

また、同質競合を避ける意味から、コモディティ・アイテムの価格は意識しつつ、
生鮮部門の品質や品揃えや、グロサリーは、価格より価値を重視するアイテムの新規導入などを戦略的に行うことが必要です。
そして、それを顧客に確実に情報として伝える努力をすることです。
カットフルーツ・大盛り
▶パート社員が作ったカットフルーツの盛り合わせ

いわゆる「価値創造」です。
女性(顧客)であるパート社員の持つ意見やアイデアを吸収し、全員参加で話し合い、新しい価値を生み出す売場作りに努めることです。

業務改善活動の重要なカギは、どこにフォーカスするか(焦点を当てるか)です。
考え方が変われば、行動が変わります。
行動が変われば、結果が変わります。

これは、何事にも共通することです。

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