コラム

 公開日: 2015-12-08  最終更新日: 2016-08-03

『部門別・損益管理』を導入せよ!

「経営者意識を持て」と部下に話をするオーナーや経営幹部がいらっしゃいます。

しかし、言っている本人が、部下に対して、経営者意識を持つということの意味も、その方法も全く教えていないことがよく有ります。
これでは、「経営者意識を持て」といったところで、言われた本人は、ピンとくるわけがありません。
経営者が時間をかけて、部下を教育していかなければ、部下個人への意識付けはできないと思います。

経営者意識を持つということは、会社の理念や戦略、コンセプトという、根幹の部分の理解が必要です。
そして、それらをチームメイト同士で共有する環境も整える必要があります。

また、経常利益とまではいかなくても、担当する店や部門の営業利益を拡大することの必要性と、その責任について詳しく理解してもらうことが重要なのです。


数字の持つ意味を、正しく理解することが重要


特に店舗(部門)においては、粗利益以上に営業利益が重要ですし、
経営管理においては、黒字経営の前にキャッシュフロー(資金繰り)が重要です。
このようなことについても、現場の各リーダーが深く理解してもらわなければなりません。

現場レベルでは、粗利益が儲けだと思っているリーダーもたくさんいます。
中小零細企業の経営者の中でも、それは、少なくありません。
また、黒字経営でも会社が潰れることはあります。資金繰りができなければ会社は潰れます。

特にスーパーマーケットは、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどと違い、人の手を多く要する労働集約型の業態で、売上高に占める人件費率の高い業態です。
当然のことながら、人時生産性や人時売上高と言ったような、生産性の数値も重要であり、今後さらなる競争の時代には、目が離せないデータになってきます。
これについても、深く理解して管理している会社は圧倒的に少ないと言えます。

これらの持つ意味も、会社も勉強し理解しなければなりません。
そして、時間を取って従業員に説明し、現場の各リーダーが、真に理解している状態にする必要があります。

私が知る限り、これらの現場の実績数値(データ)の意味を正しく理解している、また、戦略的に活用している会社(リーダー)は、圧倒的に少ないと思います。


粗利益率の意味を知らない


「粗利益率が低い(高い)」と言うことも現場でよく聞きます。
しかし、粗利益率は、売上高から粗利益額を引き出すための係数にすぎません。
本来必要なのは、粗利益額(見込みのお金)であって、率ではありません。

例えば、野菜などは、年間幾度となく相場が上下します。
このような場合、売上に大きく影響を及ぼしますが、必要なのは、絶対的な粗利益額です。
相場が安い場合、売上高は前年対比を下回る可能性が高まりますから、粗利益の予算額を確保するためには、当然のことなかせら粗利益率予算を修正して、高くする必要があります。
そのことによって、予算の粗利益額を確保することができるのです。

このことを理解していないと、期間の予算(額)を達成できない可能性も出てきます。
そして、一月でも、落としてしまったマイナス分の粗利益額を取り戻すには、その後の大きな負担を強いられることになってしまいます。


■商品回転率(日数)など意味がない

生鮮食品が、差別化の武器である業態であるスーパーマーケットにおいては、在庫に関わる数値は、鮮度管理やロス管理、人時管理などに関わる重要な要素です。

在庫に関するデータ管理においては、商品回転率(日数)が気になるところですが、これ自体は、机上のデータ管理であり、その意味を正しく理解していなければ、何の意味もありません。
帳簿上の数値である商品回転率(日数)の数値責任だけを現場に追求した場合、予算達成のために、単純に在庫を減らす行動すら発生します。
こうなれば、売れ筋商品の在庫が減り、欠品が発生するなどの間違いを起こしかねません。
当然のことながら、売上と粗利益の減少を招きます。

商品回転率(日数)が全く必要ないといっているのではありませんが、
・現場の在庫内容(現物の品目、品質、量など)を自分の目で確認していない
・棚卸以外の通常の日の在庫状況( 〃 、 〃 、 〃 など)を確認していない
などの場合、棚卸時の定量データだけを利用して算出した、回転率(日数)では、何の意味も持たず、何の役にも立ちません。

そして、このような机上の判断では、場合によっては、取るべき方向性(戦術)すら誤ってしまいます。


数値より、現場現物を知ることが大事


本来数値管理をするということは、
現場が会社の立てたコンセプト、戦略、戦術などに対して、あるべき正しい方向に進んでいるかというプロセスの確認や、目標に対する進捗状況の確認などが、その目的です。

しかし、この時一番重要なことは、数値確認と同時に、現場現物を十分に確認しているかということです。
本来、現地現物の裏付けとして、数値を確認するという癖付けが、本部店舗双方ともに出来ているかということです。

従業員の配置や在庫管理など、現場で起こっている状態を常に把握する。
現場の状態の善し悪しと、そのときのデータを診て、適正数値設定をする(予算化)という一連の流れを作りあげることが求められます。


営業利益は、理解されていない


会社の競争力を上げるためには、営業利益の拡大と余裕のあるキャッシュフローの確保が重要です。

しかしこれは多くの場合、中小零細のスーパーでは、目的、目標になっていません。
「そんなはずはないだろう」と多くの方が考えると思いますが、事実です。
多くのスーパーの目標は、売上と粗利益です。店舗レベルの現場では、ほとんどそうなのです。

多くの企業では、現場のリーダーに、損益計算表が知らされていません。
稀に、店舗に配られている企業もありますが、各リーダーは、内容を正しく理解していませんし、効果的に活用されていません。

このようなレベルですから、スーパーの営業利益が向上することはないのです。
目的になっていないのですから・・・。

原因は、色々と有ると思いますが、
「売上が上がれば、なんとかなる」と考えている、経営者や幹部が多いこということだと思います。

しかし現在、ドラッグストアが加工食品の低価格を武器に販路を拡大し、コンビニエンスストアが、その名の通り、時間やあらゆるサービス、新商品など便利さを武器に、商勢圏内にくまなく出店してきている現在では、その方程式は成り立たなくなってきているのです。


営業利益を上げるということ


私のコンサルタントとしての仕事の目的は、中小零細企業の生産性を向上させること、そして、営業利益の拡大にあります。

先述したように、売上が目標では、会社とそこで働く従業員の報酬は豊かにならないのです。
そのことは、会社の大小に限らず、過去の実態が、私たちに教えてくれています。

会社も利益が向上すれば、成長と発展のための投資が可能となります。
その活動が、お客の支持の向上へと繋がって、売上も上がることになります。

具体的な内容は、他の記事で解説しようと思いますが、
売上を上げること、粗利益を上げること、そして、営業利益を上げることでは、それぞれ、戦略、戦術、そして、現場の行動が大きく違ってくるのです。


営業利益は、意外に簡単に上がる


粗利益から営業経費を引いたものが営業利益です。
とても簡単な算数です。
それに、営業利益は、意外に簡単に改善(向上)することのできる数値でもあります。

売上が目標になっている方々には、理解しがたい部分も大いに有り、納得できないようにも感じられることと思いますが、私の経験からは、間違いのない事実です。
私は、コンサルタントとして、その為のお手伝いを多くやってきましたし、実現していただいた企業も大小それぞれ多く存在します。金額としても、とんでもない数字を叩き出した企業も少なくありません。

答えは簡単です。
粗利益を拡大すること、そして、生産性を上げることに集中して取り組むことです。

目先の単なる安売りではいけません。商品やサービスの価値を売るのです。
そして、特に、
作業効率に関わる人時売上高、投資対効果である人時生産性の二つを向上させるという、人の生産性を向上させることに注力することです。

なぜなら、人件費に一番多くの費用を投じているのですから、その生産性を向上させることは、営業利益に直結します。そして、その可能性は、多くの会社にあるのです。
中小零細の企業のほとんどは、ここに問題を抱えています。


営業利益拡大実現のポイント


営業利益拡大のプロセスにおいて、外してはいけないポイントは、
1.営業利益の拡大を目指す行動
2.従業員満足の向上
3.顧客満足の向上
の3つです。

今後確実に成長発展を続けるためには、絶対的に外してはいけない要素です。

顧客に、売場づくり、品揃え、商品、サービスなどに満足してもらうためには、従業員が良い状態で働いてもらわなければ、それは実現しがたいことです。
従業員に良い状態で働いてもらうためには、教育訓練や雇用環境などの投資と整備が必要です。
そのためには、適正確実な営業利益の確保が必須になります。

当たり前のことですが、行動している会社は少ないのです。
気付きと行動が、大きな結果につながります。
会社の大小では、決してありません。


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